2010年9月6日(月)
●新情報も飛び出した舞台あいさつ!
ここからは、上映前に行われた舞台あいさつの模様をレポートする。舞台あいさつには、初音ミクに音声データを提供している声優の藤田咲さんの進行のもと、“ミクの生みの親”であるクリプトン・フューチャー・メディアの佐々木渉さん、『初音ミク Project DIVA 2nd』のプロジェクトマネージャーであるセガの内海洋さん、『ミクの日感謝祭 39’s Giving Day』の発売元である5pb.の原プロデューサーが登壇し、トークを繰り広げた。
▲司会を務めた藤田咲さん。 |
上映イベント当日の8月31日は、2007年に音声制作ソフト・キャラクターボーカルシリーズ第1弾“初音ミク”が発売された日、つまりミクの誕生日であり、藤田さんから「バースデーソングを歌いましょう!」と唐突な提案が。しかし、これはどうやら台本になかったことらしく、動揺する他の3人。佐々木さんたちは、探り探りバースデーソングを歌いあげていた。
▲左から、藤田さん、佐々木さん、内海さん、原さん。このステージの模様はニコニコ動画のニコニコ生放送で中継されていたため、画面の向こうのユーザーを意識するようなコメントも飛び出していた。 |
続いては、ミクのソロコンサートについての話題に。“ディラッドボード”と呼ばれる透明な板に映像を映し、あたかもミクがそこにいるかのような演出を実現したコンサート。佐々木さんは、「セガさんから、光の加減によってどう見えるのかといった実験映像が事前に届いていたのですが、これを見て実際にお客さんたちがどう盛り上がるのかイメージできなかったんです。『初音ミク』をリリースした時も、ユーザーが盛り上げてくれるのか不安だったのですが、それと同じような気持ちでした」と、イベント前の心境を語っていた。また、内海さんからは、「日本に4台ぐらいしかない機材を2台会場に入れた」という裏話も飛び出した。
気になる今後の展開については、まず内海さんから「年末から年明けにかけて『初音ミク Project DIVA Arcade』に『初音ミク Project DIVA 2nd』の曲を……」とほのめかすような発言があった。
また、佐々木さんからは、海外からの要望を受けて今回のような上映イベントを順次実施していくとの発表が。まずは、9月中旬にサンフランシスコでの開催が予定されているそうだ。さらに、同じく海外からの要望により、『初音ミク Project DIVA Arcade』を世界で稼働できるように調整中とのことだった。
PC用のソフトについても、佐々木さんからいろいろな情報が明らかになった。まず新たな音声データを収録した『鏡音リン・レン Append』を年末に発売予定とのこと。リンには発売中の『初音ミク Append』と同じように、“SWEET”や“疲れた声”などの声色が異なる音声データが追加され、レンには女性ファンを意識したムーディな感じの音声データが用意されるという。なお、この“ムーディ”について「レンにそんな大人な声が出せるんですか?」と原さんからツッコまれた佐々木さんは「大人というよりは、厨二病のような感じです(笑)」と答えていた。
この他、『VOCALOID』としてリリースしていたボーカロイド(※恐らく、MEIKOとKAITOのこと)を、『VOCALOID2』または『VOCALOID3』への移行を検討しているという。また、『初音ミク』の英語バージョンも全体の1/3ほど収録を進めているらしい。
この後は、会場からの質問に3人が答えるコーナーに。「初音ミクのライブは、この後も考えているのか」という質問に対して、内海さんは「要望があれば」と回答。会場からは大きな拍手が起こり、内海さんは「引き下がれないなぁ」と苦笑いを浮かべていた。
続いては、「昨年行われたミクFES(ミクフェス)'09(夏)でのデッドボールPの演出はどう思われましたか?」という直球な質問が投げ付けられ、一同は「そろそろ時間ですね」とスルーする素振りを見せる。ここで佐々木さんと原さんから「ニコ生チームに、(パンツまで脱いだら)LANケーブルを引っこ抜く予定でした」というエピソードが語られ、会場からも笑いがこぼれていた。
最後の質問は、「一番好きな曲は?」といったもの。内海さんは『逆さまレインボー』、原さんは『サラリーマンのうた』、藤田さんは『ハト』とルカの曲、佐々木さんは「Appendがどう使われているのか気になる」そうで、sasakure.UKさんの『ロストエンファウンド』をそれぞれ挙げていた。『ロストエンファウンド』は、佐々木さんから見てもどのようにソフトが使われているのかわからない部分があるそうだ。
こうして舞台あいさつは終了し、ステージは『ミクの日感謝祭』の上映に。スクリーンに映し出されたライブの映像に、ファンたちは見入っていた。
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