2010年9月1日(水)
パシフィコ横浜で8月31日~9月2日にかけて開催されているゲーム技術者向けカンファレンス“CEDEC 2010”において、コーエーテクモゲームス・庄知彦氏によるプロデュースセッション“『TRINITY Zill O'll Zero』における、既存の世界観の活用と異なるジャンルへの展開事例”が行われた。
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庄氏は、1996年にコーエーに入社して以後、開発チーム“オメガフォース”のプランナー、ディレクターとして『真・三國無双』シリーズや『That’sQT』を作ってきたクリエイター。PS版『ジルオール』では戦闘パートのヘルプを行い、PS3用ソフトとしてリリースされる今作『トリニティ ジルオール ゼロ』ではディレクターを務めている。
ちなみに、RPGからA・RPGになった『トリニティ ジルオール ゼロ』のポイントは、これまでの記事でも紹介してきた通り、パーティアクションとインタラクティブフィールド、フリーシナリオ進行の3点。また以前に紹介したキャラクターに加え、ディンガルの赤い巨星・アンギルダンや妖術宰相・ゾフォルの登場も判明している。
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| ▲ストーリー・脚本・演出を佐藤信介監督に、キャラクターデザインを末弥純氏に、作曲を池頼広氏にそれぞれ依頼。深く作り込まれたバイアシオン大陸の物語が、ストーリー、キャラクター、音楽の3点からしっかりと描き出されている。 | ||||
講演では、“既存の世界観/キャラクター設定の整理と再構築”、“異なるジャンルにする際に何を生かして何を切るか”、“異なるジャンルにする意義・意味”について語られた。以下、その要点を紹介していく。
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『ジルオール』と世界観を同じくする作品を作るにあたり、庄氏がまず重要視したこと。それは、前作で世界観とキャラクター設定がどこまで作られているかを徹底的に調べ、なおかつそれがゲームにどこまで反映されたのかを調査し、そうしたの世界観・設定の中でユーザーの好む傾向を調べることだったという。
情報の整理法として、最初に資料の有無に関係なく思いつく限りの項目で必要な情報を体系化して、そこから情報の一覧化を行ったそうだ。その狙いは、不足している点を補うとともに、矛盾点や変更をしても差し障りのない点を洗い出すこと。極力、元の設定を変えるべきではないと語る庄氏だが、ゲーム性に合わせて変えた方がおもしろくなる点は変えるべき、とも考えているという。
ちなみに前作が約10年前に作られたタイトルなこともあり、庄氏はここまでの作業が一番苦労した点だと語っている。そのためゲーム制作においては、続編の有無にかかわらず、情報の体系化および一覧化をするのは今や当たり前の話だとも語っていた。現在開発中のタイトルであれば効率化につながり、続編を作る際には効率化に加えて資料調査にかかるコストを削減することにもなるからだ。
●キャラクターについて●
新しい設定やデザインの作成も、新たな価値を追加する意味で行われた。開発側から末弥氏にリクエストを出しながら、新たなデザインの衣装を描いてもらったという。
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| ▲新たなデザインの旧キャラクターたち。 |
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ちなみに、主人公を新規の3キャラクターに変えた点についても触れられた。最初から開発陣の中に3人を切り替えて戦うパーティアクションをやりたいという構想があり、その上でストーリー・脚本・演出を手がけた佐藤信介監督との話し合いで、前作の時点であった過去のストーリーに制約を受けないキャラクターを生み出して、主人公に位置づけたのだという。
なお質疑応答では、「『無双』シリーズと違い、キャラクターを3人にしたのはなぜか?」、「ジルオール無双にしなかったのはなぜか?」といった質問も出ている。前者に対する庄氏の回答は、「1回でいいから、キャラクターを絞って作り込みたかった」というもの。『無双』のように大量にキャラクターがいると、どうしても似てしまうキャラクターが出てきてしまい、それが1つの不満点であることも理解しているので、操作キャラクターを絞って作り込みをしたかったそうだ。
またジルオール無双にしなかった理由については、「ジルオール無双もアンジェリーク無双も作ることは可能だし、もしかしたら企画が通る可能性もある」としながら、『無双』シリーズ以外の新たな柱として『ジルオール』を再生・拡大させたかったため、『ジルオール』として作ったのだという。さらに、そもそもオメガフォースは、新しいものを作るために設立されたチームであることも理由に挙げていた。
→『トリニティ ジルオール ゼロ』の選択と誕生秘話(2ページ目へ)
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