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2010年9月16日(木)

いろいろ脱線しまくった高橋名人と遠藤雅伸氏のオンラインゲーム・トークショー

文:電撃オンライン

 9月16日、東京ゲームショウ2010のウェブマネーブースで、ステージイベント“オンラインゲーム向上委員会 遠藤雅伸氏×高橋名人スペシャルトークショー”が行われた。

 『ゼビウス』や『ドルアーガの塔』のクリエイターとして有名な遠藤雅伸氏は、ロッソインデックスが運営するPC用オンラインRPG『ドルアーガの塔~the Recovery of BABYLIM~』の制作に携わっている。一方、ゲームファンであれば知らない人はいないであろう高橋名人に関係するオンラインゲームといえば、『ボンバーマン』シリーズのオンライン対戦ぐらいだが……。

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▲遠藤雅伸氏(左)と高橋名人(右)は、かなり親しい仲とのこと。ちなみに、遠藤氏はちょこちょこと爆弾発言(!?)をしていたので、掲載している発言は少ないが実際はもっと発言していた。

 このトークイベントは、オンラインゲームをもっとおもしろくするには? もっと多くの人に遊んでもらうには? といったお題をテーマに、遠藤氏と高橋名人がトークを繰り広げるコーナー。

 ステージ上に登場した遠藤氏は、「ゲーム業界3大ナントカと言われている2人です。仲よしなのでおもしろいトークになると思います」と語ると、高橋名人が「3大ナントカと言われるのがイヤで頭をそりました」と、コントのようなノリでトークがスタート。どうやらマジメに語るのではなく、2人のおもしろトークが見どころになるようだ。

 最初のテーマは、「現状のオンラインゲームについてどのようにお考えでしょうか?」と、いきなりマジメな内容。これについて高橋名人は「オンラインゲームは、某タイトルが発表されて一部で盛り上がっていますね」「ゲームという話をすると、コンソールだろうが、アミューズメントだろうが、変わらないと思うので、オンラインゲームで分ける必要があるのかな? ゲームということでは全部一緒だと思う」と、話がヘンな方向へそれていく……。

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 すかさず司会者が、次のテーマ「今のゲーマーと昔のゲーマーの違いは?」と、オンラインゲームとあまり関係ない話題で軌道修正。トーク開始後、たったの5分でオンラインゲームの話が終了という、とんでもない急展開だ。

 そんなことはお構いなしに、高橋名人は「昔のゲーマーは難易度を上げれば上げるほど喜んだ」。さらにハドソンの名作『桃太郎電鉄』シリーズを例に挙げて「キングボンビーは悪行三昧だが、それがいないとつまんなくなっちゃう。いじめられるのを楽しんだのが昔のユーザー。どっちかというとね」と続ける。また「今のユーザーは無難だね。これを攻略してやる! という意気込みがなくて、すぐに攻略本を読む」と高橋名人が言うと、遠藤氏は「今はうまい人の実況動画を見てやったつもりになる人がいる」と、自分で遊ぶ楽しさを味わってない人がいることについて、残念そうにしていた。

 また高橋名人は「ファミコンが出てきて家庭用のTVで遊べるようになったとき、一方的に放送されるドラマやアニメと違って、自分で操作できるというゲームのインパクトがとてつもなかった。今の子は、生まれたときからゲームがあるから、あの感動を味わえない。昔のユーザーの特権だよね」と、当時の思い出を熱く語った。

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▲スペックの話で高橋名人は、NECと共同開発したPCエンジンについて、スペックを上げることで当時10万円近い値段になったと紹介。これはおそらく、PCエンジンLTを指していると思われる。当時の子どもには敷居が高すぎた価格で、これが失敗した原因だと苦笑気味に語った。

 遠藤氏の「今のゲーマーは、3Dポリゴンの認識力がすごい」といった話をきっかけに、再びオンラインゲームの話題へ。8人で『ボンバーマン』のオンライン対戦をすると、いつも名人1人対7人になってやられるので、隠しIDで遊んでいたと高橋名人が告白した。とはいえ、みんなが名人を倒したくなるのは、仕方がないところなのかも……。

 その後、PCのスペックやグラフィックボードの性能によって、遊べるオンラインゲームが制限されてしまうことが、敷居を高くしていると2人は語った。そして、最後のテーマである「オンラインゲームが勝つには?」になると、「どんなPCでも遊べるゲームを出せばいい」と語る2人。その通りではある、あるのだが……。

 トークの最後に遠藤氏は、「オンラインで他人と付き合うとき、日本人だからみんなで仲よくしてほしい、オンラインゲームで質の良いコミュニティを作ってほしい」、高橋名人は「“ゲームは1日1時間”は子どもに向けたもので、大人は自分で制限してほしい。ネトゲ廃人にならないでほしい」などと語って、トークイベントは幕を閉じた。

 ウェブマネーブースの目の前や横では、オンラインゲームを積極的にサービスしているメーカーが陣取っている中で、堂々と持論を語った高橋名人と遠藤氏は、さすがゲーム業界の大物といったところ。このトークショーは本日限りのイベントだったので、その場にいた参加者やUstreamで配信された映像を見ることができたゲームファンは、いろんな意味でラッキーだったのではないだろうか。

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▲名人は、ウェブマネーの司会者に向かって「WebMoneyカードの銀がツメではがしにくいよ!」と笑いながら言い放つ。さすがの風格!?
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▲トークショー中もウェブマネーブースの片隅では、女性アイドルの定島美穂子さん、通称じょぉじが、Twitter(@enjoy_webmoney)やUstreamで視聴者に呼びかけながら、PCを初自作する企画がまだ行われていた。TGS期間は毎日、ここで企画をやっているようなので、ぜひ優しい読者の皆さんは、この子犬顔のアイドル、じょぉじを応援してほしい。
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▲ウェブマネーのブースでは、いろんなオンラインゲームのイベントを毎日実施中。コンパニオンさんもイベントごとに登場するので必見だ。左はハンゲーム、右がウェブマネーのコンパニオン。

■東京ゲームショウ2010 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2010年9月16日~17日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2010年9月18日~19日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売り1,000円(税込) ※小学生以下は無料

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