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2010年9月28日(火)

オリビエがラストで主役の座を撃ち抜く! 『空の軌跡』ドラマCDアフレコレポ

文:電撃オンライン

 キャラアニより、12月に発売予定のドラマCD『英雄伝説 空の軌跡外伝 ~未完成の叙事詩~』。その収録現場でキャスト陣にインタビューを実施した。

 『英雄伝説 空の軌跡外伝 ~未完成の叙事詩~』は、日本ファルコムの人気RPG『英雄伝説 空の軌跡』シリーズを題材にしたドラマCDシリーズの第9弾。最終回となる本作では、エステルたちのパーティにも参加するエレボニア帝国出身の演奏家オリビエ・レンハイムを主役とした物語が描かれる。

『英雄伝説 空の軌跡外伝 ~未完成の叙事詩~』概要

オリビエ・レンハイムと、ミュラー・ヴァンダールの掛け合いを軸に、
リベール王国を舞台とした若き遊撃士たちとの旅の記憶が描き出される。

そして、旅の中で彼が書きあげたという叙事詩には、
鉄血宰相ギリアス・オズボーンとの戦いを前にした“ある想い”がこめられていた……。


 今回は、オリビエ役の子安武人さん、ミュラー・ヴァンダール役の磯部弘さん、エステル・ブライト役の神田朱未さん、クローゼ・リンツ役の皆口裕子さん、レクター・アランドール役の森田成一さん、ギリアス・オズボーン役の中田譲治さんに話を伺ったので、その模様を以下に掲載する。(以下、声優名はすべて敬称略)

『空の軌跡』
▲1列目左から、塩山由佳、森田成一、中田譲二、神田朱未、子安武人、皆口裕子、磯部弘、岸野幸正。2列目左から、丸山徹、赤羽根健治、砥出恵太、山本圭一郎、笹木綾子、大越多佳子、平井啓二、佐山知範、畝見裕一。

――収録に臨んでの感想や、演じたキャラクターの印象などをお聞かせください。

子安:ドラマCDシリーズも9作目という話になっていますが、初めての方も今回いらっしゃられますし、僕自身もそんなに出ていません(苦笑)。けれど今回、そんな私がメインになってお話を進めていくことになりました。オリビエは、脇にいてちょっと道化役っぽい感じでいて、少し謎の多い人物だったと思います。けれど今回、オリビエ視点ということで、「こういう時に実はこうだった」というのが最初から最後まで通してわかってしまいます(笑)。「ああ、なるほどな」と思うこともたくさんあり、彼の隠してる一面も表現することができたので、非常に楽しくやらせていただきました。

磯部:僕は、9作目にして初めてCDに出演させていただきました。ミュラーはオリビエの友人なのですけれども、ところどころにあるシーンで友情を感じていただければと思います。

神田:9作目がラストということで、ラストがオリビエさんで落ち着くというのはステキだなと(笑)。ここで、最後のわからない部分のピースがはまって、『空の軌跡』の世界で生きるキャラたちを描いた1つの絵ができたなという感じでした。エステルは「言いたいことは言わせてもらうぞ」というのが今回もわかって、やはり彼女の姿勢には好感が持てました!

皆口:ずっとシリーズを通して、「オリビエさんって何だろう?」と思っていたのですが(笑)。いつもスルっと出てきて、勝手なことを言って、ヒヨッといなくなってしまう人だったので、子安くんとも「どんな人なんだろうね」と話していて。それが今回のCDでよくわかって、クローゼとも多少かかわりがあることもわかって、「ああ、そういう人だったんだな」という感じです。

森田:『空の軌跡』のドラマCDには2回目の出演なんですけれど、これが最後だと今聞いて、びっくりしているところです(笑)。レクターは、前に登場した時もちょっと風変わりな人間だったんですね。「その風変わりな人間が、これからどうなるのかな?」と思っていたら、今回はちょっと偉くなっていたので、そこはうれしかったです。でも、やっぱり底の知れないというか、最後の最後まで腹の中の見えない人という終わりだったので気になっています。『零の軌跡』にも出るそうなので、前向きに頑張っていきたいです。

中田:今回、僕も初めて『空の軌跡』の収録に参加させていただきました。オズボーンを今日演じて、森田さんのレクターと組んで、ミュラーとオリビエに負けないように、これから何かしていくんじゃないかと期待はしているんですけれども。まあ今後どうなるのか……たぶん悪い人だと思う(笑)。2人で力を合わせて、子どもをいっぱい育てて(一同笑)。全力を尽くしたいと思います。

――ドラマCDも長期にわたるシリーズとなりましたが、今までで一番印象に残った話をお聞かせください。

子安:僕はこれですね。今まで出る回は、本当にほとんどひと言、ふた言のセリフの出番しかなかったので。文句を言い続けて1つ作ってもらったという感じです(笑)。

磯部:今回初めての登場なので、僕もこの作品ですね(笑)。

神田:私は、割と皆勤賞組なのですが……ヨシュアがいなくなってしまった時の話(『「英雄伝説 空の軌跡SC」ドラマCD~繋がる絆~』)です。いなくなってしまったヨシュアをずっと探して、ヨシュアとやっとわかり合えるというお話だったんですけれど、その時は「2人のきずなが、こういうところから始まったのか」というのを知ることができて、すごく感動的だったのを覚えています。

皆口:クローゼ編というのも作っていただいたので、それが一番印象に残っていますけれども、今日の話が一番よかったです(笑)。一番謎の多い人の謎が解けて、スッキリしました。

森田:今回のお話で、レクターは本当にラストのラストで出てきたという形だったんですね。レクター自身が腹の内がわからないキャラクターで、演じる僕にとっても手探りでやっているキャラクターなので、そこのシーンは非常に印象深いです。その他に自分以外のキャラですが、ジークが「キュイッ」と飛んでくるところがとても好きなんです(笑)。

中田:僕は、今年の秋に発売になるオズボーン編が一番印象に残っています(一同笑)。

子安:ねえよそんなの!(笑)

――今回のドラマCDの中で、聞きどころとなるのはどこでしょうか?

子安:オリビエに関しては、本当に全編しゃべりまくっていて、いろいろなシチュエーションをやっています。その中で、王子たる風格をもってしゃべるシーンがあるのですが、あまり正体を出してしゃべることがなかったので、そこは聴きどころかもしれません。

磯部:ラストシーンですね。ここはぜひ!

神田:オリビエさんが船の上に乗って、朗々と詩を歌うシーンがあるのですが、本当はリハーサルの子安さんの演技を入れてほしかったです(笑)。リハーサルの時は、本番よりもっとメロディなどを付けていて。不安になった子安さんが「ねえ、聴いてる?」というセリフを付け足していたんですね(笑)。本当は、それを皆さんに聴いてほしかったです。

皆口:オリビエがミュラーさんとお互いわかり合っていながら、深刻なことも軽く話してる男子2人の感じがいいなと思いました。

森田:ラストの方で、バラの花びらが散ってくるシーンがあるんです。ドラマCDでは当然絵は出ませんが、全編聴くとそのバラが脳の中でどれだけアホらしく出てくるのか、そこが聴きどころというか、ある意味頭に浮かぶイメージの見どころなのではないかなと思います。

中田:オリビエの今まで見えなかった部分が見えるシーンや、ミュラーとの男同士ならではのやり取りは、聴いていておもしろいのではないかと思います。

――今回がいったんの区切りということで、演じられているキャラへのメッセージをお願いします。

子安:ゲームが原作なので、ゲームはこれからも続いていきますし、すでに『零の軌跡』が動き出しているので、そちらの方にシフトしていくと思います。けれどオリビエも帝国の方の話がガッツリと残っていますし、そこは日本ファルコムさんが絶対やると言っておりますので、ありがたい限りでございます。そこまで「あと10年くらい掛かるかな?」と言っていましたが、3年くらいにしてもらって(笑)。僕が元気なうちに、1つやっていただけることを、切に願っております。

磯部:残念ながら僕は、最後の作品に一度だけという登場なのですが。でも僕は、役の立場としてはオリビエの友人なので、オリビエが出るなら俺も出る! ということでよろしくお願いします。

神田:エステルとヨシュアとみんなが、他の仲間と仲よく暮らしていけたらいいなと思います。みんなが仲よしの世界が、これからも続いていくといいなという気持ちです。

皆口:今日、今回で最後と聞いたので、これからクローゼはどうなるのかな? というのが正直なところです。

森田:レクター自身がぽっと出てきた人なので、バックボーンがわからないというのが僕の中でも気になっています。“レクターが、なぜあんな人間になってしまったのか”という過去からさかのぼりながら、壮大な叙事詩を作っていくぐらいの勢いを、日本ファルコムさんには切に願っております(笑)。

中田:時代劇ではないですけれど、やっぱり宰相のような独特の言葉遣いをしゃべるのはすごく楽しいので、今回の役もすごく楽しませていただきました。オリビエともども、現体制の貴族支配に憎しみがあるので、そこはチャチャッと片付けると思うんですけれど、いくら目的は同じでも、オリビエはどうやら仲間にはなってくれそうにはないので。これから、どこかで邪魔されるんだろうなあという嫌な予感もします。やっぱりオズボーンは悪の王道を行って、自分の理想、思想をとことんエゴイスティックに貫いてほしいですね。

――最後に、ドラマCDに期待するファンへのメッセージをお願いします。

中田:今回が最後だと、皆さんもお聞きになってびっくりしたかもしれません。シリーズの区切りの時に出させていただいて、とても光栄に思っております。ドラマCD初登場のキャラも今回はいるのですけれど、そちらも楽しみにしていただければと思います。

森田:長きにわたる作品でいろいろな方向から物語をとらえていく、キャラクターひとりひとりが主役になっていくという形は、作っていく人たち――脚本の方もそうですし、さまざまな人の粘り強いパワーがないとできないと思います。そういう意味では、非常に希有(けう)な作品だと思うので、ぜひ今後も続いていってほしいし、いろいろな角度からこの世界観を解き明かしていってほしいと思います。それを皆さんも、ぜひワクワクしながら待っていてください。

皆口:区切りの作品ということで、個人個人の謎というのは、これまでのドラマCDを聴くとだいたいわかると思います。わからない人は、きっとこの先、新シリーズで明かされていくのではないかと思いますし。今回のシリーズも、ここまで聴いた上で最初から聴くと、その人それぞれのバックボーンがわかって、また違う楽しみ方ができるんじゃないかなと思います。

神田:9作品ということで、本当に期間も長かったですし、そのたびに初登場の方々が加わって、キャラが掘り下げられて、世界が広がって、というのが毎回体験できて楽しかったです。なので「会えなくなっちゃうのかな?」と思うと、とても悲しい気持ちになってしまうのですけれども。でもひと区切りなだけなので……ね、日本ファルコムさん?(笑) まだまだたくさんのキャラクターがいて、堀り下がっていない人もたくさんいます。だから、「次があったらいいな」という気持ちを、持ち続けていこうと思います。長く聴いてくださった皆さん、本当にありがとうございました。

磯部:初出演のミュラー、ぜひ楽しみにしていてください。それとできることなら、最初から最後まで一気に、一気に! 聴いてください。

子安:9作目にして念願かなって、最後に主役をやらせていただきました。オリビエファンの皆さん、本当にお待たせいたしました。日本ファルコムさんのおかげで、こんなにもすばらしいキャストと、こんなにもすばらしいシナリオとで、こんなにもすばらしい作品ができあがりました。これを聴かずして何を聴くか! 新しく始めるためには、終わりを聴いていただくのが必要不可欠でございますので、まずはこれを聴いて、皆さん次に備えてください!

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(C)2010 Chara-ani

データ

▼ドラマCD『英雄伝説 空の軌跡外伝 ~未完成の叙事詩~』
■発売元:キャラアニ
■発売日:2010年12月予定
■価格:3,150円(税込)

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