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2010年10月20日(水)

『エースコンバット』の挑戦とは? 生まれ変わった新作のこだわりを河野氏に聞く

文:電撃オンライン

 バンダイナムコゲームスが開発中のPS3/Xbox 360用ソフト『エースコンバット アサルト・ホライゾン』。そのゲーム性や、制作のこだわりをプロデューサーに伺ったので掲載する。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

 『エースコンバット アサルト・ホライゾン』は、同社の『エースコンバット』シリーズからの“生まれ変わり(リバース)”をコンセプトとしたシリーズ最新作。ジャンルもフライトシューティングからアクションシューティングに改められ、“超音速(ハイスピード)”と“大破壊(デストラクション)”の快感を追求した、新たな遊びが盛り込まれた作品となる。

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 今回は、本作のディレクター兼プロデューサー・河野一聡さんにいろいろとお聞きしたので、その模様を以下にお伝えしていく。またインタビューの最後には、河野プロデューサーにサインをいただいた『エースコンバット アサルト・ホライゾン』特製ビジュアルをプレゼントするので、ふるって応募してほしい。

【インタビュー中のトピック】
■映画のような破壊シーンやトレーラー映像のドッグファイトがゲーム中で実現
■『アサルト・ホライゾン』では戦い方はどう変わる?
■ヘリが登場した理由は? ヘリならではの遊びとは?
■『アサルト・ホライゾン』で体験できること
■挑戦へと踏み出した『エースコンバット』

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▲インタビューを行った一室では、新たな『エースコンバット』のヒントとなるビジュアルが多数並んでいた。また当日は、公式サイトでも公開中のトレーラーを見ながら話をお聞きした。


■映画のような破壊シーンやトレーラー映像のドッグファイトがゲーム中で実現

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――(トレーラーを見て)『ACE6』よりも、敵機を撃墜した時に機体が爆散するビジュアルがすごいですよね。

 今回はとにかく“破壊”――すごいスピードの中で敵機を追い詰めて、敵機を破壊する、それが快感! と思えるようなゲームを目指して制作しています。今出しているトレーラーも、その破壊の気持ちよさを伝えたいと考えて作りました。なので、破壊の表現については「とにかく集中的に作ろう!」と力を入れています。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――撃墜してすぐ爆散するのではなく、敵機が壊れかかった状態まで描写されています。

 今までは、シューティングを押し出している割には、撃った時の手ごたえ、敵機の破壊リアクションが実は弱かった。“敵機を破壊する手ごたえ”をおざなりにしてシリーズを続けていたので、今回はそこからもう1回見直そう、ということで開発を始めました。いつもなら、『エースコンバット』というベースは決まっていて、そこに僚機を付ける、ドラマを付けるという風に、“まずは『エースコンバット』ありき”で足して作っていたんです。でも今回はベースとなる“エースコンバットありき”のところを「本当に“ありき”か?」という話をして、作り始めたんですよ。

――それでたどり着いた答えが“破壊”であると?

 それは最初のフックです。ハイスピード(超音速)とデストラクション(大破壊)という、スピード感がある中で敵を追い詰める駆け引きがあり、シューティングして敵機を破壊していくという流れ自体がコンセプトですね。

 『エースコンバット』に何が必要で何が必要ないのかを考えた時、最終的に「飛ぶの? 飛ばないの?」、「撃つの? 撃たないの?」ぐらいまで要素を分解したんです。その1つ1つについて、必要かどうかや、それが十分にできていたかを考えていきました。そのとき、「あ、ちゃんとやってないじゃん」と気がついたんです。

 『エースコンバット』をつきつめて考えた時に、快感ゲーム――“気持ちよくてナンボなゲーム”だと思ったんですね。だから難しいところは置いておいて、とにかく触って、撃って、破壊して、気持ちいい! というゲームにしなければならないと。ですから、撃ちごたえには相当こだわっています。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――敵機との駆け引き・破壊という点で、ドッグファイトはどのように変わるのでしょう?

 まずは、クロスレンジアサルトというシステムを搭載したことが一番大きな違いです。まだ詳しくは言えないんですけれども、TPSやFPSだと、スナイパーライフルやショットガンといったレンジの変わる戦闘があるじゃないですか。そういうイメージで、「今は長距離で戦おう」とか、「ここは近距離に持ち込んで戦おう」とか、プレイヤーがそういった選択をできるような戦いも可能になります。ただし、クロスレンジアサルトは、近接戦闘をゲームの中心に据えるためのシステムですね。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――トレーラーを見ていると、△ボタンが表示されている場面もありますが、あれもクロスレンジアサルトに関係が?

 クロスレンジアサルトにおける駆け引きの一環として、うまく状況を作れば、ボタンを押すことで後ろが取りやすくなるという要素を採り入れています。トレーラーを見た人からはQTEだ(クイック・タイマー・イベント:主に、イベントシーン中にボタン入力を求められるシステム)と言われていますが(笑)。実際には違いまして、プレイヤーが敵機のバックを取れる状況を作ったことをわかりやすく知らせるために、ああいったボタン表示を出しています。

――トレーラーであのシーンを見た時は、『スカイクロラ』のTMC(タクティカル・マヌーヴァ・コマンド)を思い浮かべました。

 考え方は近いかもしれないですね。インタラクティブに自分で状況を作る必要があるので、ちょっと仕組みは違うのですが。よく『エースコンバット』って、トレーラーはすごいけど、ゲームをやってみると地味だよねって話を聞いて、今回はトレーラーの中でも「この画面もプレイアブルなゲーム画面です」というのがわかっていただけるように、ボタン表示にしたというのもあるんです。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――実は、トレーラーを見た時に「実際にゲーム中でこれができるの?」という風に疑ってしまいました……。

 その「こんな風に戦えたらすごいのにな」と思える戦いをちゃんと実現させるのが、今回のテーマの1つです。たとえば、マンガや映画で繰り広げられるような近距離のドッグファイトは、リアルじゃないけど迫力があってかっこいい。「そういう戦いがしたい」というお客さんからの要望は多かったんです。しかし、これまでの『エースコンバット』だと、トレーラーでお見せするような近距離戦ではなく、遠距離戦が多くなっていました。ですので今回は、クロスレンジアサルトを採り入れて、映画やトレーラーのような近距離でのドッグファイトを体験できるようにしたんです。

→機銃が他の兵装と同等の武器に! 今作の新たな気持ちよさ(2ページ目へ)

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