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2010年11月19日(金)

韓国で目撃した『リネージュII 3rdスローン』の最新情報をお届け!

文:電撃オンライン

 韓国のゲームショウG-Starに先駆けて、NCsoftはメディア向け発表会を開催。日本国内でもサービス中の『リネージュII ~2ndスローン フレヤ(以下、リネージュII)』で、来年6~7月に実装予定の大型アップデート“3rdスローン”の専用デモ&ムービーを公開した。

『リネージュII』

 韓国でのアップデート名“破滅の女神”は、セブンサインの4番目の封印が解けることで目覚めたシーレンと、それに対抗する人間の戦いの序章にあたる物語が展開していく。本アップデートの重要な要素は以下の5点。

●覚醒(awaking)システム
●覚醒にともなう新スキル追加
●新たなフィールド移動方法
●R(Rare)グレード装備品
●話せる島の消滅

 『リネージュII』には現時点で3次転職まで実装されているが、本アップデートではシーレンに対抗すべく、人間たちが“巨人の力”を受けて“覚醒”が可能になった。実質4次転職に相当し、覚醒状態でのみパワーアップしたスキルを習得できる。

 デモ版では、勝気な女性とその尻に敷かれっぱなしな男性2人が、コミカルな掛け合いをしつつ、アップデート要素を次々と紹介。破滅の女神たるシーレンは、要塞を丸ごと一つアデン城に空から落とそうという陰謀を図り、2人はこれを阻止し、要塞の軌道を変えるために巨人の力を受けて戦うという設定だ。

『リネージュII』 『リネージュII』

 覚醒後に使える新スキルは、そのままでは攻撃できない位置にいる敵を瞬間的に手元に引き寄せたり、コンボのような連続技を繰り出したりと、見た目にもダイナミックな物が多い。また、新たなフィールド移動方法も覚醒したキャラクターしか使えないようだ。ポータルを踏むと(トランポリンのように)宙高く舞い上がり、空中で移動したい方向を指定すれば、そちらへ飛んでいく。デモ版で見る新エリアはいくつも浮島が集まったような構造で、このマップの特徴に合わせた新しい移動方法と言えるだろう。

『リネージュII』 『リネージュII』 『リネージュII』 『リネージュII』

 新要素を実際に試しつつストーリーを進めていくと、シーレンの陰謀は一応阻止できたのだが、要塞は初心者エリア“話せる島”に墜落。なんと、話せる島が壊滅してしまう。本アップデート実装後は、話せる島に代わる新しい初心者エリアが登場するそうだ。それがアデンのどこにできるのかはまだ秘密らしい。

 この他にも、ゲームエンジンの向上、新規の狩場34ヵ所以上、新規レイドボス60種以上なども追加実装されている。

 デモ版を見たあと、『リネージュII』開発チームへの30分程度のインタビュー時間を得られた。日本では『リネージュII』関連のオフラインイベントも何度か行われているが、韓国の開発スタッフが表に出てインタビューに答えるのは、今まであまりなかったようだ。

『リネージュII』
▲『リネージュII』企画チーム総括のハン・サンヒョク氏(左)、I開発室総括のチェ・ギビョン氏(中央)、ライブ開発担当のチャン・ヒョンジュ氏(右)。

――G-Star版デモを拝見しましたが、3rdスローンとなる“破滅の女神”はアクション性の強いダイナミックなアップデートですね。

ハン氏:あのデモは、G-Star版に特別に作られたもので、新要素の一部を体験できるものです。

チェ氏:あそこで見られるものは、すべて実際のアップデートにも入ります。今後のアップデート内容をダイジェスト編集したものだと思ってください。

ハン氏:アクション性をより強化した方向性なのは事実です。ただ、戦闘スタイルなどはクラスによっても多少違いはありますよ。

――なぜ、こういった大胆な方向転換を行ったのでしょうか。

ハン氏:基本的な部分は変わっていません。ただ、今の『リネージュII』にプレイヤーは少し退屈している……。それを改善するためのアップデートです。

――現役プレイヤーは『リネージュII』の何に退屈していると考えていますか?

チェ氏:いくつか理由があると思いますが、戦闘が単調だったことが一つです。それを解決するために覚醒後の新スキルのような、ダイナミックさを加えました。

ハン氏:『リネージュII』のサービス当初、戦闘がかっこよく打撃感が優れているという評価をいただきました。しかし、それは7年前のレベルでの爽快感で、進化した今のトレンドに合わせてクオリティアップを図りました。

――アクション性を増すことで、『AION』や『Blade&Soul』といったNCSoftの他タイトルとの差別化が見えづらいように感じる。その点についてはどう思いますか。

チェ氏:我々は『リネージュII』を『AION』のようなゲームにする気はありません。『リネージュII』には『リネージュII』ならではの魅力がありますから。ただ、その中には旧式になってしまった部分もあるため、最新バージョンに直していると考えてください。

――その『リネージュII』ならではの魅力とはなんでしょう。

チェ氏:パーティプレイです。フィールド上で人と人が繋がり、みんなで遊べることが大事でしょう。そのためコミュニティを管理するような新システムも開発中です。

――コミュニティを管理ですか?

チェ氏:これはまだ制作途中のシステムなので、詳しいことはまだ言えないんです。すみません。

――今おっしゃったようなポイントは、他社のMMORPGでもごく普通にある要素ですよね。繰り返しますが『リネージュII』最大の強みはなんですか。

チェ氏:1.操作が簡単で遊びやすい、2.コミュニケーションを強化しやすい(PTと血盟)3.PvPに迫力と緊張感がある。この3点でしょうか。

ハン氏:“破滅の女神”アップデートは、基本に戻ろうというのがコンセプトでもあります。RPGの基本はレベルを上げ、スキルを覚え、アイテムを集めるということ。これらをより忠実になぞっていきます。プレイヤーもサービス開始当初は、『リネージュII』のこういった部分に魅力を感じてプレイをしていたはず。そこにコミュニティというものがさらに魅力として加わっているのが、3rdスローンです。

『リネージュII』 『リネージュII』 『リネージュII』

――日本では12月21日に、2ndスローンというアップデートが予定されていますよね。韓国ではすでに実装済みですが、評判はどうですか。

チャン氏:クラスバランス調整、スキルのアップデート、従来のレイドのバランス調整、狩場の追加や修正などは好評です。

――ところで、キャラクターが覚醒するための条件を教えて下さい。

チェ氏:一ついえるのは現在のレベルキャップを超えないと無理ですね。

――それはつまり、今のレベルキャップが開放されると。

チェ氏:どうでしょう(笑)。あまり詳しいことは実装されるまで楽しみにしていてください。

――要塞が落ちて壊滅した話せる島はどうなってしまうんでしょう。また、最強のSグレード武器を越える、Rグレード武器の入手方法を教えて下さい。

チェ氏:現在、初心者エリアを作り直しているところです。従来の初心者ゾーンが閉鎖されて、新たな形で復活します。Rグレードの武器は従来どおり、狩りのドロップやクエスト報酬です。

――使用エンジンが変わるという話は前々からありましたが、アンリアルエンジン2から3になったというのは本当ですか。

チェ氏:アンリアル2を基盤にしていて、そこは変わっていません。我々が独自に改良をしているため、ベースはアンリアル2ですが今回もその改良バージョンを使っています。

――このアップデートはプレイヤーにとって「大きく変わった!」と感じるものなのか、それとも「コンテンツが増えた」と感じるものなのか。開発としてはどちらだと考えていらっしゃいますか。

チェ氏:繰り返しますが、『リネージュII』は『AION』になるつもりも『B&S』になるつもりもありません。本アップデートは、同じ『リネージュII』だけれども、よりよくなったと感じられるはずです。今までの『リネージュII』に足りなかった、不便に感じていたところ、時代遅れになっていたところを改善するものです。

――その理想にどれぐらい、このアップデートで近づいてますか。

チェ氏:G-Starでこの3rdスローンをお見せしますが、G-Starというのは基本的に、新タイトルをお披露目するためのゲームショウです。それらと互角に張り合えるだけの内容だと信じています。自分が今まで知っていた『リネージュII』よりも、魅力的になったと感じてもらえれば幸せです。

――ありがとうございました。

Lineage II(R) and Lineage II(R) the Chaotic Throne are trademarks of NCsoft Corporation. 2003 (C) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage II the Chaotic Throne in Japan. All Rights Reserved.

データ

▼『リネージュII~セカンドスローン フレヤ』
■メーカー:エヌ・シー・ジャパン
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■プレイ料金:30日 3,000円/60日 5,400円/90日 7,200円(すべて税込)

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