2010年12月16日(木)
KYS:『7』といえば、絵本みたいな絵柄もよかったよね。言い方は悪いけど、“オタオタしくない”っていうのは結構惹かれたところかなぁ。
やま:あー、わかるわかる。
押野:絵柄のよさは本作にも継承されていますけど、『7』から『ヴィーナス&ブレイブス』に移る段階で、結構イメージが変わりましたよね? 『ヴィーナス&ブレイブス』の絵を初めて見た時、皆さんはどう思いました?
ごえ:僕はこの絵が大好きですね。美男美女がいるし、この絵も本作を買った理由の1つだと思います。
KYS:正直な話をすると、絵柄については『7』のほうが好きだった。
やま:私もですね。
ごえ:えー!? なんでですかー!?
KYS:今の時代もそうなんだけど、その当時の硬派でコアなゲーマーは、キャラクター性を重視するような絵柄には拒絶反応が出るんだよ。
押野:今見ると全然そうでもないんですが、当時は『ヴィーナス&ブレイブス』の絵ですら“萌え絵”みたいに感じられて、拒絶反応が出てしまう人がいたかもしれないですね。
KYS:プレイすれば全然気にならないし、ただの偏見なんだけどな(笑)。ちゃぶ台をひっくり返すような意見で申し訳ないけど、この絵は『7』の“オタオタしくない絵”と“キャラクター性を重視した絵”のちょうど中間にあるような、ギリギリのバランスを持っていたように思う。そのおかげで間違いなくプレイする層が広がったし、この選択は正しかったんだと思うよ。
やま:『テイルズ オブ』のファンも気に入るくらいですからね。
ごえ:今の時代からすると、『ヴィーナス&ブレイブス』の絵って硬派な部類に入ると思いますから、わからないものですよね(笑)。間違いなくこの絵も『ヴィーナス&ブレイブス』の魅力の1つですが、他に本作の魅力ってなんだと思います?
KYS:俺は『7』もそうだけど、フォントがいいと思う。
ごえ:え? フォント?
KYS:このゲームのテキストとかって、普通のゴシック体とか明朝じゃなくて独自フォントじゃない? これがすごく世界観とあっていて、おもしろいと思った。
押野:フォントとは細かいところを攻めますね(笑)。私はやっぱり絵本みたいな世界観ですかね。あとはちょっと前にごえモンも言ってたけど、PVの出来がとにかくよかった。あと、キャッチフレーズもよくなかったですか?
KYS:あったあった。なんだっけ? 100年の○○だったよね?
やま:“100年の歴史、1,000の勇者、あなたに預けます”ですね。
押野:そうそう! そのキャッチフレーズがすごい印象的でした。このキャッチフレーズが気に入った、っていうのもプレイしたきっかけだったかもしれません。
ごえ:僕はやっぱり“100年間戦い続ける”っていう設定ですね。さっきも言ったけど僕は中二病なので、この設定だけでものすごい期待が持てたんですね。あと、もともと世代交代ゲームが好きだったのもあります。
やま:私はやっぱり“せつない”ストーリーですね。主人公のブラッドがかわいそう。あと雪山のシーンとか……。
ごえ:雪山の話はやめましょうか。僕が泣いてしまうので(泣)。
押野:ネタバレにもなりますからね。とはいえ、ストーリーは序盤からずっと重いですよね。
KYS:序盤によく使っていたキャラとかが、みんな普通に老いて死んでいくのが“せつない”よね。不老不死の人間が、1人ぼっちで置いていかれる苦悩とか……。だって、不老不死だと結婚とかしても嫁さんが先に死んじゃうでしょ? 逆に嫁さんがずっと若いならいいんだけどさ(笑)。
押野:ちょっと(笑)。でも、その“仲間が老いて死んでいく”設定がしっかりとゲームシステムとして組み込まれているのもうまいと思います。全盛期を過ぎるとステータスが極端に下がりますし。
ごえ:顔のグラフィックもどんどん老いて、HPとか1になりますからね。あと世界観と合ったシステムといえば、結婚と出産もですね。
やま:となりにいると、恋愛感情が芽生えるんでしたっけ?
ごえ:となりもそうですし、前後とか、列回復でも好感度が上がります。
やま:でもゲシュタルトボードを見ると、たまに飛んで「え? なんで君たちくっつくの?」っていう状況もあるよね。
KYS&押野&ごえ:あるある(笑)。
ごえ:横に並べてたキャラにスーっと近いづいていくと思ったら、スルスルーっとすり抜けて別のヤツとラブラブになっちゃうみたいな。
やま:そうそう。このまま結婚か? っていう時に、なぜか相方は友情を取るとか(笑)。
▲キャラクターたちは、時代が進むとどんどん年老いていき、顔グラフィックも老いていく。どんなに強い騎士団のエースでも、年を取ればステータスが極端に下がってしまい、新しい人材を獲得する必要がある。こんな部分も“せつない”要素。 |
▲ゲシュタルトボードを見ると、団員たちの恋愛模様や、どのキャラクターと友情を育んでいるか見られる。好感度が上がるとキャラ同士の距離が縮まっていくのだが、時には思いもよらないキャラとくっつくことも。 |
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