2011年1月13日(木)
バンダイナムコゲームスから、2011年1月20日に発売されるPSP用ソフト『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~(以下、ヴィーナス&ブレイブス)』。特集第7回となる今回は、インタビュー企画の後編として、本作のプロデューサー・川島健太郎さんと、キャラクターデザインを手掛けた高橋守さんへのインタビューをお届けする。前編に引き続き、電撃オンライン内の特集ページで募集していた、ユーザーの皆さんからの質問も交えてお話を聞いているので、投稿した人はぜひチェックしてほしい。(インタビュー中は敬称略)
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●川島健太郎さん プロフィール
『ヴィーナス&ブレイブス』ではプロデューサーを務める。もともとスポーツゲームを作りたくてナムコ(現バンダイナムコゲームス)に入社。『ファミスタ』などのスポーツゲームを制作した後に、PS2『7(セブン)~モールモースの騎兵隊~』やPS2『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』を制作。近年ではWii『FRAGILE~さよなら月の廃墟~』を手掛けた他、iPhoneアプリなどの制作にも携わっている。
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●高橋守さん プロフィール
アートディレクションとして、PS『エースコンバット3 エレクトロスフィア』や『7』、『ヴィーナス&ブレイブス』のキャラクターデザインを担当。現在は、バンダイナムコオンラインでオンラインゲームの制作にも携わっている。
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――戦闘システムや職種の強さなどで調整されたところはありますか?
川島:調整はしていません。実は『7』のパラメータは『7』だから7つあるんですが、最初に検討したパラメータは20数個ありました。それで、なんの職種かを決める前にそのただのパラメータを縦列組み合わせですべてに○×△で評価を付けたんです。そうすると、数千種類ぐらいになります。基本職種の能力は等価にしないと、みんなが僧侶を使ってしまうなどの状況が出てきてしまいますから、たくさんの組み合わせを評価点何点以内と設定してふるいにかけて3,000種類ぐらいにします。その3,000種類ぐらいのものから、能力が被っているものを消していくと、1,000種類くらいになるんです。そこから評価点の幅をさらに狭めると、数百種類くらいになります。その後、数百種類すべての評価点をエクセル表で出して、「このパラメータの職業はなんだろう?」とか「きっとこんなふうに戦うだろう」と考えるんです。そこから、使われ方が似ているものを消していって15になりました。そこに少しだけ強い2つを入れて、最終的に17になったんです。その後に職種を決めているので、剣闘士だからこうだ、みたいな決め方はしていないんですね。
何が言いたいかというと、こういった作業をしているので職種を増やすのはすごく大変なんです。よく、いろいろな人に「職種を増やして」と言われるんですが、どうしても17つのうちのどれかに似てしまうんです。そうなると、もうパラメータを増やすしかなくなります。パラメータを増やすと、ルールを変える必要が出てきますし、また何千パターンから絞らないといけないですから。なので、このルールの中では17職種がベストだと思います。だから消えた職種もいっぱいありますよ。召喚師や時間を止められる職業などですね。それは強すぎだったり弱すぎたりで、流派ができなくなってしまうので消しています。ただ、17つのうちのレア職種は少し強いので、出現率を下げています。
――PSP版を制作するうえで、苦労された点などはありますか?
高橋:『ヴィーナス&ブレイブス』は、画面数がかなり多い作品で、それを全部レイアウトをきり直しているから地味に大変な作業なんです。でも、その苦労があまり伝わらないのは、せつないですね(笑)。
――17職種のうち、好きな職種やオススメの職種はなんですか?(巫女好きさん)
高橋:デザイン的に気に入っているのはアーチャーです。『7』の職種で一番初めにデザインが決まったのが、アーチャーだったんです。このデザインが決まってから、他のものも決まっていったので、お気に入りです。オススメは見た目で選んでしまいますが、幻術師です。
川島:デザインだとヴァルキリーですが、デッキを組む時に出たらガッツボーツするのは祈祷師です。祈祷師は、うまく使うと圧倒的な実力差がある魔物も倒せる可能性が出てくるんです。それは何がいいかというと、すごい弱いメンツでも強い魔物を倒せるということは、そのまま持ち上がりで強くなれるんです。だから祈祷師が出た後は、真っ先に祈祷師でトドメを指せるようなデッキを作って、トドメを指す時に「すばやさが上がりますように!」と祈ります。すばやい祈祷師は、私の中では最強ですね。
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| ▲アーチャー | ▲幻術師 |
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|---|---|---|
| ▲ヴァルキリー | ▲祈祷師 |
――仲間だったキャラクターが年老いて死んでしまうという世代交代システムについて、ファンからご意見をいただくことはありますか?
川島:もちろんありますよ。「せっかく育てたのに死んじゃうなんてヒドイ!」と怒られたり……本当にその通りだと思います(笑)。やっぱり当時は若かったと、今は思うんですよ。人間って死んじゃうじゃないですか。でも、“死んじゃうからこそいいんだ”、“限定されているからこそどうにかしなきゃと思えるんだ”とはなかなか大人にならなければ気付かなくて。
ずっと思っていたのが、RPGの主人公と登場人物は基本的に死なないということ。だから、とあるゲームで登場人物が死んだ時に大騒ぎになったんですよ。「死ぬよー!」みたいな感じで(笑)。でも、それぐらいRPGの登場人物は基本的には死なない。私もそういうRPGばかりたくさんプレイしていて、「おかしいだろ?」って当時の若い私は思ったんです。死ぬし、普通。
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| ▲団員が死亡すると葬式が行われて、墓が立てられる。 |
もうちょっと現実寄りにするんであれば、当然死ぬし、才能に差があるし、一方向に成長しないし。当時のRPGで“普通はそうだよ”と思われていたことの、すべて逆のことをやっているんです。それに対して、やっぱりユーザーさんからは賛否両論でした。「だからおもしろい」というユーザーさんもいらっしゃいますし、「死ぬなんてひどい」という人もいる。『7』はそれをプリミティブにやっていて、『ヴィーナス&ブレイブス』では少しユーザーさんの意見をお聞ききして、それでアイテムの伝承とか技の伝承を入れているのですが、結局強いキャラができてしまうと次の世代が弱くなるのは変わらないので、個人で見た時にはそれでいいのですが、集団で見た時にはまったく違う見え方がするんだなと。これは作ってみて発見しました。
――『ヴィーナス&ブレイブス』は重いストーリーがたくさんありましたが、それを決して単純に鬱々としたものとはせず“世界・人生・運命とは何か”と考えさせられるようなものとして描かれていたと思います。やはりプレイヤーに何かしら考えさせる狙いがあったのでしょうか?(出町さん)
川島:今は大人なので違う意見なのですが、当時は“自分以外の人も生きているって、みんな本当にわかっているのかな?”って思っていたんです。それは『FRAGILE~さよなら月の廃墟~』の時も同じでした。皆さん、“TVを観ているような感覚で世界を見ているんじゃないか?”と思っていて。オフィスビルの窓際から外を見ると、人が歩いているじゃないですか。その人たちにも自分と同じぐらいの人生の重みがあって、つらいことがあったり、悲しいことがあったり……っていうのは、わからないけど実際はあるんです。おこがましいですが、当時の私はそういうことを想像してほしかったんです。ブラッド・ボアルという主人公が、団員みんなで大名行列みたいに世界を回っていくんですが、クビにしているキャラもいっぱいいて。そのクビになったキャラたちが、どこかで死んだり、結婚したり、子どもを産んだりしている。
だって、最初のほうのキャラなんて、私たちの見えないところで子どもを作っているんですよ(笑)。絶対にこいつらはついてくると思っていたら、「子どもを育てないといけないから一緒には行けない」って言うじゃないですか。ようするに、主人公キャラに都合のいいようなキャラが周りにいるんじゃなくて、他のキャラもちゃんと生きていて、いろいろなことを勝手に思っているし、ひょっとしたらブラッドのことを嫌っているかもしれない。でも、そういうことに共感していくからこそ、世界が好きになれるんだし、他の人を好きになれるんだし……ということを描きたかったんです。だから一番最後の年表で、あのキャラが何年にどこどこで死んだ、なんて出るのは、“ブラッドのストーリーもいいけど、他の人にもストーリーがあるんだよ”ということを出したかったらです。
(C)2011 NBGI
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