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2011年1月21日(金)

【世界の社窓から vol.4】『ルーセントハート』開発元PlayCooを訪問

文:電撃オンライン

 世界の社窓から第4回で紹介するのは、国内でガマニアデジタルエンターテインメントが運営するMMORPG『ルーセントハート』『DIVINA』の2タイトルを開発した、台湾のPlayCooです。タイトルに“世界の”とついてる割に、まだ1度しか海外メーカーを紹介していませんでしたが、ようやく本連載もインターナショナルな香りがしてきたようです。

 PlayCooは台湾の台北にオフィスを構えるゲーム開発会社で、中国語での社名は玩酷科技股份有限公。2001年の会社設立以来、PCパッケージゲームやオンラインゲームの開発に関わっており、2008年にリリースした『ルーセントハート(星辰Online)』が日本で大ブレイク! 最新作の『DIVINA(幻月之歌)』も好調で、とっても勢いのある開発会社です。

 前回訪問したマーベラスエンターテイメント同様に、PlayCooも超巨大ビルの中にオフィスを構えており、はっきりいって初訪問だとどの入り口が正解かもわかりません。タクシーを降りた瞬間からもう迷子。中国語も英語もできないおハナは、『DIVINA』の来日インタビューでいただいたJoyce Chang社長の名刺を握り締め、いかにもこのビルで働いていそうな人に片っ端から名刺を見せ、道を尋ねるという作戦でこの場を切り抜けました。もちろん日本語で聞いたんですよ……。

『世界の社窓からvol.4』

 なんとかたどりついたPlayCooの入り口で、おハナを出迎えてくれたのがにこやかな笑顔の男性。『ルーセントハート』開発プロデューサーのMikeyさんです。ちなみに中国や台湾の人は、外国の人に名前を覚えてもらいにくい(発音が難しい)ため、多くの人が英語名を自分でつけます。そう、自分で勝手に好きな名前を名乗っちゃうんです。Mikeyさんだって、邸富造という中国語名がちゃんとあります。

 実はおハナには、Amandaという英語名を持つ台湾人の友人がいまして、ある日国際電話をかけたら「ここにはAmandaなんていない」と言われてビックリ! なんとか電話をつないでもらうと「あー、Amandaは半年ぐらい前にやめたのよー。今はJenifferなの」と。気分で名前を変えられるなら、おハナもFlorence(花の女神が語源の英単語)とか名乗りたいです。それはさておき、PlayCooの社内はこんな感じでした!

『世界の社窓からvol.4』

 シンプル……というか、どの机の上も物がほとんどなくて片付いてますね。写真左上を注意してみてください。その一画だけ天井の電気が消えて、暗くなってるのがわかりますか? ここはグラフィッカーの人たちが働くエリアなんです。色彩やグラフィックの細かい部分までよく見えるように、わざと電気を消すのだとか。

 冗談でおハナが「PlayCooでNo.1のイケメンを撮影させてもらえませんか?」と無茶振りしてみたら、女性スタッフの皆さんが突然目を輝かせ、ゴニョゴニョと話始めるではありませんかっ。やっぱり国は違えども、こういった話題は女子トークで盛り上がりますよね(笑)。あーでもない、こーでもないと相談した(中国語なのでわかりませんけど)結果、一人の男性スタッフが奥から連れてこられ……本当にイケメンでした!! 台湾や韓国のテレビドラマに出演しててもおかしくないぐらい爽やかな笑顔、キレイな歯並び。「名刺もらってくればよかった」とか、公私混同しかけたおハナです。

『世界の社窓からvol.4』 『世界の社窓からvol.4』
『世界の社窓からvol.4』 『世界の社窓からvol.4』
▲PlayCooに限らず海外のスタッフさんは、わりと顔出しに抵抗がないみたいです。むしろ積極的に写りたがる人も多くて、文化の違いを感じました。

■PlayCooの紹介で突如Gamaniaを訪問できちゃった

 一通りオフィスを見せていただいた後、「ウチの社内は地味だし、あまりおもしろい所が無いので」と言うMikeyさん。なんと、おハナのためにグループ企業であるGamania Digital Entertainment(以下、Gamania)に連れて行ってくれました! そう、あの日本のゲーム運営会社ガマニアの台湾本社です。ということで、ここからは急遽Gamania訪問レポートに内容が変わります。

『世界の社窓からvol.4』

 台湾は国の規模に比例して、ゲームの市場規模はあまり大きくありません。しかし、その中でGamaniaは強い国際競争力を持ち、台湾のゲーム業界トップ3に入る超大手メーカーとして知られています。

 Gamaniaの日本語通訳さんが最初に連れて行ってくれたのは、社内にある“Gama-Island Cafe”。イメージカラーであるオレンジと白が基調の、社員専用のかわいらしいカフェでした。さらに社員だけの特権で、1日30元(台湾ドル)まで無料で利用できちゃうんです! 30元といわれてもどの程度なのかわかりにくいですが、メニューを見るとラズベリーベーグル:35元、サンドイッチ:25元、コーヒー(アメリカン):35元、烏梅汁(漢方の材料となる烏梅を使った酸っぱいジュース):20元とあるので、1回の軽食または休憩時に飲むお茶が1杯分、毎日無料になる感じでしょうか。

『世界の社窓からvol.4』 『世界の社窓からvol.4』
『世界の社窓からvol.4』
▲インテリアもオシャレですね! ちょうど休憩のタイミングだったのか、けっこう混雑してました。

 壁に飾られているのは、これまでお客様用に製作された非売品ノベルティグッズ、社員だけが買えるGamaniaグッズです。メーカーさんのノベルティグッズというと、クリアファイルや携帯ストラップ、ポストカードなんかが多いですけど、Gamaniaはここでも本気を出している……。お弁当箱セットにコースター、ミニ地球儀、スノードームなどなど、こんな豪華なグッズを作っている会社はめったにありませんよー。

『世界の社窓からvol.4』 『世界の社窓からvol.4』

 中央のボトルは一瞬『正露丸』かと思いましたが、中身は薬ぽいデザインのプッシュピン。箱にプリントされた顔は、どう見ても社長のAlbert LIU氏。Albertさんの顔を知らないという読者は、コチラの記事をチェックしてください。すごいそっくりでしょう?

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▲一部のグッズは一般のユーザーも買えますが、社員限定のマグカップは即完売だったそうです。みんな愛社精神が強いんだなぁ。おハナは紺色にオレンジで“Gamania”と入ったスゥエットシャツを購入。

 続いて案内されたのはリフレッシュルームです。部屋に入るなり思わず「ワーオ!」と、驚きの声をあげてしまいました。だ、だって見てくださいよっ。

『世界の社窓からvol.4』 『世界の社窓からvol.4』
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 卓球台、ビリヤード台、エアホッケー、テーブルサッカー、レーシングゲーム機、某音ゲーの筐体といった遊具に加えて、エアロバイクにルームランナー、ダンベルなどのスポーツ器具。そして部屋の隅にはリフレッシュした後に使える、シャワールームまで完備されてるんですよ。取材中にも男性スタッフがごく普通にフラっと立ち寄り、当たり前のように腹筋を始めていました。社内でゲーム大会などもあるらしく、ハイスコアを出した社員の顔写真と名前、記録が貼られているなど、ものすごくオープンな社風を感じました。

 専用カフェにリフレッシュ施設と、充実した社員向けサービスをおハナがうらやましがると、通訳さんが笑いながらこう言いました。

「Albert(社長)は、本当にこの会社と社員のことが大好きなんです。それに、気持ちよく楽しく働ける環境がなければ、おもしろいゲームなど提供できないという信念を持っているんですよ」。この言葉ジーンと胸にしみましたね……。

■台湾で唯一のお客様窓口を持つオンラインゲームメーカー

 最後はビルの1階にある“客服中心”、日本語にすればお客様サポートセンターです。そう、Gamaniaは台湾で唯一、プレイヤーが直接訪問できるサポートセンターを持っているメーカーなんです。しかし、メールや電話対応以外の対応窓口を持っているゲーム会社をおハナは他に知りません。もしかすると世界で唯一かもしれませんね。ここでは実際にゲームに関するクレームなども受け付けてくれます。ただ、中にはちょっぴり無茶を言い出す人もいるらしく、専門のガードマンが常に控えていました。

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▲本当に珍しい、リアルなサポートセンターを持つGamania。▲ガードマンのお兄さん。▲4台のカウンターがありました。

 2年に1回ぐらい、海外のゲームメーカーを訪れるチャンスが巡ってくるおハナですが、会社の規模を問わず、日本のメーカーとはどこか雰囲気が違う気がします。どう違うのか説明せよと言われると難しいんですが、オープン度合いの差でしょうか。もうあと数回ぐらい海外取材を重ねるとわかってきそうなので、どこかのメーカーが私を招待してくれないでしょうか? ふふふ。

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