2011年1月27日(木)
本日1月27日に、アクワイアより発売となったPS3用RPG『Wizardry 囚われし亡霊の街(以下、囚われし亡霊の街)』。『Wizardry 囚われし魂の迷宮』の続編となるこの作品を仕事と称して遊びに集まった『Wizardry(以下、Wiz)』大好きっ子たちの対談は、前回に引き続きなおも続行! 第2回となる今回は、3Dダンジョンの不思議な魅力と歴史に迫っていく。
アクティ |
YK3 |
ゲームに対する冷静な分析が得意な30代前半男。『ウィザードリィ』はファミコン版からスタートし、後にPC版もプレイするが、その難しさに挫折。(『ウィズ』歴23年) |
電撃オンラインのエラい人かつかなり年上の人。年相応にゲーム業界やソフト自体に幅広い知識を持っている。『ウィザードリィ』はPC-8801版からプレイ。(『ウィズ』歴25年) |
■オープンフィールド3Dダンジョンの歴史
――まずは『囚われし亡霊の街』の特徴のひとつ、オープンフィールドの3DダンジョンRPGというところから話を始めたいと思います。
▲こちらはフィールドの様子。今作ではオープンフィールド、つまり野外を探索することになる。 |
――『Wizardry』だけに限って言えば、おそらく最初に地上が3Dで表示されたのは、『Wizardry4』だと思われます。
YK3:ただまあこれはちょっと例外と言わざるを得ないかもしれないね。
――ええ。その次は『Wizardry6』または『7』ではないかと。これ以外だと、『Wizardry外伝3』が野外マップを使用していて、これが1993年です。『6』が1990年、『7』が1993年ということを考えると、非常に早い段階でアウトドアを3Dダンジョン化していたことになりますね。もちろん言うまでもなく、オープンフィールドで3Dダンジョンと言えば『マイト・アンド・マジック』(1987年)が存在します。
YK3:個人的にはオープンフィールドでRPGというと『ザ・ブラックオニキス』を思い出すかな。あれが確か1984年。最初の街が3Dダンジョンになってて、もうその街にもモンスターがうろついてるのね(笑)
――『ブラックオニキス』とはなつかしい! そういえば幻の第3作『ザ・ムーンストーン』は、オープンフィールドの画面を写真で見たことがあります。
YK3:あとは『ファンタジアン』(1985年)かな。あれもかなり遊んだ。シャイニング・フォースシリーズの一番最初、『シャイニング&ザ・ダクネス』(1991年)も3Dダンジョンだったんだよね。
アクティ:って、冒頭からいきなり普通の読者を全力で置いてけぼりにしてますね(苦笑)。僕が印象の深いオープンフィールドRPGというと、やっぱり『女神転生』シリーズですね。『ペルソナ』とか『デビルサマナー』なんかもふくめて。
YK3:超メジャー路線にきたね~。
アクティ:メジャーではあるんですけど、本数で数えるとあんまりこのジャンルって発売されてないんですよね。そもそも3Dダンジョン自体、本数が少ないように思います。
■3Dダンジョンゲームの不思議な魅力
――ここ最近は増加傾向ですが、それはあくまでもここ最近の現象ですね。
アクティ:実際に発売されてる本数で言うと、我々が気がついてないだけで、それなりに毎年出てたのかもしれないんですが、やっぱりいまひとつ表に出てこないんですよ。
YK3:最近だと、『世界樹の迷宮』『ととモノ。』『エルミナージュ』あたりかな。ほんと、一気に増えてきたね。
アクティ:『Wiz』をリスペクトした作品ですね。インターフェースとかゲームシステムとか、確実に洗練されていってるんですけど、大元にあるのはよくも悪くも『Wiz』なんですよね。
▲数ある3Dダンジョンの基礎となったもの……。それが『Wiz』なのだ。そのエッセンスは、最新作である『囚われし亡霊の街』にも色濃く引き継がれている |
YK3:でもこれってある意味で不思議だよね。もっとちゃんとした3D表現をしちゃうことは、今のハードウェア的には十分可能なわけで。
――海外だと『オブリビオン』とか『フォールアウト』とか、FPSやTPSと同じ表現手法でダンジョンでもなんでも作ってますよね。MMORPGまでふくめれば、『EverQuest』みたいな作品もあります。
アクティ:そうやって、やろうと思えばリアルなダンジョンを作れるはずなんだけど、なぜか『Wiz』をリスペクトした簡素なものを作りますよね。わざわざマッピングするようなタイプのゲーム。
YK3:しかも、なぜかそれを遊んじゃうんだよ(笑)。そしてちゃんと楽しめる。
アクティ:海外では、『Wiz』リスペクトな3Dダンジョンって、現在でも作られているんですかね?
YK3:あるかもしれないけど、見ないね。やっぱり向こうの土壌としてグラフィック重視っていう部分が最近だと大きいし、3Dエンジンを使ってどれだけリアルに作れるかっていうところで比べられちゃってる気がする。いい悪いは関係なく、これは技術の進歩とトレンドだよね。
――『世界樹の迷宮』は『Etrian Odyssey』っていう名前で海外でも売られているんですが、海外では「クラシックなRPGが好きな、コアなファンであれば必須」という評価が一般的なようです。
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