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2011年2月8日(火)

【洋鯨亭 46回】時間を操り敵を倒す!? 『シンギュラリティ』のおもしろさに迫る

文:電撃オンライン

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■FPSなのに……銃を撃つより楽しい(!?)TMDのアクション

 物語の内容やゲームの目的がわかったところで、次はゲームシステムについてご紹介しましょう。本作はFPSですから、敵との戦いには銃器を使います。ハンドガン、ショットガン、アサルトライフル、スナイパーライフルなど、他のFPSでも使用するような基本的な銃がそろっています。

 これらの銃はフィールドのどこかにある“武器テクノロジー”というアイテムを回収し、これまたどこかにある武器ロッカーという機械で使用すると攻撃力や装弾数を上げることができます。

【洋鯨亭 46回】時間を操り敵を倒す!? 『シンギュラリティ』のおもしろさに迫る
▲フィールドのどこかにある武器ロッカー。2つまで所持できる武器の持ち替えや、武器を強化する際に使用します。

 FPS系のゲームをよくプレイする方にとっては、こういった武器の強化はもはや珍しい要素ではないと思います。実を言うと、本作の銃器に関してはカスタマイズとは別の点で驚かされるんですよ。それは、武器の弾薬が割とすぐになくなってしまう、ということ。これは弾薬の拾い忘れがあったり無駄弾を撃っているからではなくて、敵の数や強さに対して弾薬の出現数がやや少なめなんです(難易度:ノーマルランクでの感想です)。

 ただ、一見STGとしては厳しい条件のようですが、実際にやってみると意外にもバランスが取れています。なぜかと言うと、本作が敵との戦闘の際にTMDを使うことを重視しているからでしょう。主人公はTMDに備わった時間を進めたり戻したりする機能や、物を引き寄せたり吹き飛ばす機能を使って、敵と戦ったりワナを突破したりしていきます。つまり、TMDのこういった機能を積極的に活用してもらいたい、という狙いがあって弾数を抑え目にしているのではないか……と考えられるわけなんです。

【洋鯨亭 46回】時間を操り敵を倒す!? 『シンギュラリティ』のおもしろさに迫る
▲武器ロッカーと同じく、フィールドのどこかにある“オーグメンター”。この機械を使うと、主人公の肉体を強化したりTMDの能力を拡張することが可能です。

 実際にTMDは威力のある多彩な攻撃が使えて敵をラクに倒せる場合もありますから、単なるおまけではなく銃と同等に役立つ武器になっているんですね。TMDの機能を使わないとほぼ倒せない敵もいますし、この機械には自然と頼ることになります。それでは、本作のキモでもあり、便利な装置・TMDの活用法をいくつか見ていきましょう。

【時間を進める/戻す】

時間を進めたり戻したりして、対象物の経年変化に影響をおよぼします。

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▲壊れた物体に時間を戻す機能を使えば、壊れる前の状態に戻すことができます。写真はカベに設置されたドアの開閉装置を修復しているところです。
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▲クリーチャーや兵士などの生物に対して時間を進める機能を使うと、死ぬまで老化させて一気に倒すことが可能!

【時間の流れを遅くする】
敵との戦いや謎解きで、一番使う機能がコレです。

【洋鯨亭 46回】時間を操り敵を倒す!? 『シンギュラリティ』のおもしろさに迫る
▲時間を遅くする機能を使用中。発射したフォースフィールド内にいる敵だけ動きが止まってしまいます。この状態なら、一方的に攻撃することもできます。

【引き寄せる、投げる】
TMDを使えば時間の操作に加えて、物体をコントロールする(重力を制御する)こともできます。

【洋鯨亭 46回】時間を操り敵を倒す!? 『シンギュラリティ』のおもしろさに迫る
▲置いてあったガスボンベを持ち上げて、そのまま敵に投げつけることができます。敵がガスボンベや手榴弾を投げてきた場合はいったん空中に固定して、そのまま投げ返すなんて戦い方も。

■直して壊して止めて投げる操作が楽しいFPS

 プレイ前にもなんとなくイメージはしていたんですが、本作はそれ以上に時間や物体を操作する感覚が楽しいFPSに仕上がっておりました。昔からこういった時間操作を取り入れたゲームは、いくつかありましたよね。『シンギュラリティ』も過去の作品同様、時間を進めたり巻き戻したりすることで謎を解いたり危機を回避するアイデアがたくさん盛り込まれています。

 しかも、本作はそれらのアクションに対するアニメーションが非常に滑らかなんですよ。物体がカシャカシャと修復されていったり生物がみるみる老化していく様が、まるでビデオを巻き戻したり早送りしたりするように見られるんです。中でも建造物や貨物船のような大きな物体がダイナミックな動きで修復されていく様は、見ているだけでも楽しいですよ。雑然としたものが整然とした時のような、ある種の壮快感が味わえます。

 また、TMDを使った物体を引き寄せるアクションに慣れると、遠くのアイテムは吸い寄せて回収するようになり、ゲームのテンポが早くなるのもいいなと思いました。

【洋鯨亭 46回】時間を操り敵を倒す!? 『シンギュラリティ』のおもしろさに迫る
▲TMDにはこれから向かう場所の方向が青い足跡となって表示される“クロノソナー”という機能も備わっています。

 あえて残念だった点を挙げるとすれば、セーブがオートで上書き式なために、細かくファイルを分けて保存できないことですね。まぁ洋ゲーでは結構普通の仕様ですが、チャプターごとにやり直しができないのはちょっと惜しいなと思いました。それ以外には、特に大きな不満はありません。ボリュームも長すぎず短すぎず、ちょうどいいのではないでしょうか。

 本作はTMDをうまく使ええるかどうかで難易度が劇的に変化しますから、射撃だけに頼らないアクション要素の強いFPSがやって見たい方はぜひプレイしてみてください。せっかくですから“わんこゲーム”ではなく、じっくり味わいながら遊んでみてくださいな。

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