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2011年2月10日(木)

これは今まで読んできたラノベへの恩返し! 『シロクロネクロ』多宇部先生を直撃

文:電撃オンライン

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■ イラストの木村樹崇先生は心に何かを“飼っている”? ■

――それでは、続いて木村樹崇先生のイラストについてお話しいただけますか?

多宇部:フフッ(笑)。

――なんで今笑ったんですか?

多宇部:私、木村さんの絵は本当に大好きなんですけど、胸の●●●が……。

担当編集:そうなんですよね(笑)。

多宇部:担当編集さんがちょっとでもスキを見せると、そこにエロスが生まれているという感じなんですよ! (1枚の設定画を取り出して)ほらコレ! スゴいですよねえ……。メールでお話ししたんですが、とても紳士的な方なんですよ。それだけに驚くというか、きっととてつもない欲望を秘めていらっしゃるんだと思います。一度お酒を飲みながら、“はたしてその心に何を飼っているのか”という話をジックリ聞いてみたいですね。

担当編集:上半身のエロスのほうも相当なこだわりっぷりなんですが、、下半身への力の入れ具合もすさまじいんですよ。ムチムチ感がもう! ストッキングと太ももの境目ですとか、ぜひ木村さんのイラストをじっくり見てもらいたいですね。

――確かに、コレはこだわりを感じるイラストですねえ……。

多宇部:木村さんのイラストや、担当編集さんとのやり取りを経て、文章のほうにちょっとその影響が出ていますね。こうした化学変化のようなものって、1人でやっていて発生するものではありませんので、新鮮で楽しいですね。雪路や瑠衣の髪の色などは、こちらでイメージしていたものと違っていたりするんです。こういうところもまたおもしろい経験でした。ただ、担当編集さんはとても控えめな方で、こちらの意見を大事にしてくださるんです。私としては、もっと厳しめに言ってくださっても大丈夫ではあるのですが。

担当編集:雪路の髪の色については、「黒系がいいんじゃないでしょうか?」と多宇部さんに言われた時、ちょっぴり強めに「このままピンクでいきましょう!」と言った記憶がありますが、それくらいですね。

多宇部:そうでしたね。それと、イラストについては。描き手である木村先生の好きなように描いていただくのが一番だと思っています。こちらのイメージを押しつけすぎて作業的に描いてもらうよりも、この絵を描くことで作品に対するモチベーションを木村さんが保てるのであれば、それが一番だと思うんです。

――多宇部先生自身についても聞いてみたいと思います。何かアイデアを考える時にやっているコトってありますか?

多宇部:そうですね……。執筆前に必ずお風呂に入っていますね。お昼は結構邪魔が入ったりするので、夜から朝にかけて執筆しています。夜は静かで原稿がはかどります。アイデア出しのためには、よく散歩をしていますね。散歩をしている間にアイデアをまとめて、日が落ちてから執筆にエネルギーを回している感じです。やっぱり、身体を動かしているといいアイデアが出ますね。

――原稿を書く時に注意しているポイントは?

多宇部:先ほども言いましたけれど、セリフがナチュラルかどうかには気を付けていますね。あとは、同じ言葉を繰り返して使わないこと。“てにをは”にももちろん気を付けています。集中したい時に、音楽を掛けたりもします。『英雄伝説 空の軌跡』のラストバトルの曲には相当お世話になりましたね。ただし、聞き慣れたものでないと、意識が曲に向いてしまいますので選曲には注意しています。

■ 井口裕香さんの演技に多宇部先生もビックリ! ■

――『シロクロネクロ』の発売日となる2月10日にリリースされる『電撃文庫MAGAZINE』には、本作のボイスドラマを収録したCDが付属するとのことですが、ドラマはいかがでしたか?

多宇部:いや~、もうスゴかったとしか言いようがないですね。

――アフレコにも立ち会ったんですよね。

多宇部:はい。万里王を演じた岸尾だいすけさんとお話しさせていただいたんですが、夢のようでした。「『水色時代』見ていました!」とお伝えしたら、「デビュー作じゃないですか!」といって喜んでくださったのが印象に残っています。

担当編集:声優さんにオファーを出した私も通るとは思っていなかったくらい豪華な方々です。(※キャストは2月9日の記事を参照のこと。)

多宇部:「演技について注文は何かありますか?」と聞かれましたが、いやもう「何もありません!」って感じでした。小林ゆうさんのテンションの上がりっぷりに驚かされました。それと井口裕香さんが演じる瑠衣があまりにもピッタリすぎて……。でも「あう~」とか変なセリフしかなくて申し訳なかったです。

――アフレコを見学して、木村さんや担当編集との作業で起きたような化学変化はありましたか?

多宇部:ありました! 小林さんの演技を聞いた後、なんだか第2巻の由真がカワイらしくなっているんですよ(笑)。これがいい傾向なのか悪い傾向なのかは、担当編集さんにゆだねたいと思います。

担当編集:楽しみにしています(笑)。

――最後に、読者にメッセージをお願いします!

多宇部:エロいです! いやエロいはエロいんですが、エロいだけじゃなくてカワイイところやカッコイイところもしっかりと入っています。私がこれまで読んできた数々のライトノベルへの恩返しのようなものでもありますので、古いけれどどこか新しい、そんな作品になっているかと思います。ぜひ楽しんで読んでみてください。

――ありがとうございました。

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データ

▼『シロクロネクロ』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2011年2月10日
■定価:578円(税込)
 
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