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2011年3月29日(火)

【まり探】オーダーはすべてにおいてパワーアップ! 『逆転検事2』インタビュー

文:電撃オンライン

 まり蔵探偵事務所

 新作旧作問わず、さまざまなミステリー・ホラー・サスペンス系のアドベンチャーゲームを紹介していく“まり蔵探偵事務所”。今回は、カプコンから2月3日に発売されたニンテンドーDS専用ソフト『逆転検事2』の開発スタッフ3名に、所長のまり蔵がインタビューを行いました!

【まり探】

 『逆転検事2』は、2009年5月に発売されたDS用ソフト『逆転検事』の流れをくむ『逆転』シリーズ最新作。同シリーズに登場する人気天才検事・御剣 怜侍(みつるぎ れいじ)が、刑事・糸鋸 圭介(いとのこぎり けいすけ)や自称大ドロボウ・一条 美雲(いちじょう みくも)とともに、新たな事件に挑む推理アドベンチャーゲームです。発売日に開催された完成披露発表会では、カラオケ・パセラグループやセガが運営するアミューズメント施設・東京ジョイポリスとのコラボ企画についての発表がありました。

 今回インタビューをさせていただいたのは、本作のプロデューサー・江城元秀さん、ディレクター・山﨑剛さん、アートディレクター・岩元辰郎さんの3名。前作『逆転検事』から進化した点について、たっぷりとお話を伺うことができました。特に、今作から登場する新キャラクターを中心にさまざまなことを語っていただきましたので、以下で紹介します。なお、このインタビューは第四話までのネタバレを含みます。本作を未プレイの方はご注意ください。(インタビュー中は敬称略)

【まり探】 【まり探】 【まり探】
▲江城プロデューサー▲山﨑ディレクター▲岩元さん

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●前作からすべての面でパワーアップ……しすぎというウワサもチラホラ?

――前作『逆転検事』は2009年5月28日に発売されましたが、『逆転検事2』の制作が決定したのはいつごろでしたか?

江城:『1』の発売後、3~4カ月くらいですね。2009年9月から制作がスタートしました。

――制作スタッフは、前作と同じメンバーですか?

江城:引き継いだスタッフもいますが、かなり変更しました。特にグラフィック周りの担当者はガラっと変わりましたね。あとはプログラマーも。

――ゲーム制作の流れは、シナリオが完成し、キャラクターを生み出して、グラフィックを作るという感じなのでしょうか?

山﨑:シナリオとキャラクター制作は、ある程度同時進行ですね。ベースとなるストーリーがあって、どういうキャラクターが出てくるかというのが決まった段階で岩元さんにお伝えします。そこで岩元さんにもいろいろなアイデアを出していただいて、そのアイデアをシナリオにフィードバックします。ここでシナリオを変更することも多いので、そういう意味では共同作業のような感じになりますね。

岩元:ただ、主人公のライバルとなるキャラクターは、ストーリーの流れとは別に決めます。今回はスタッフ間で持っていたビジョンがだいたい一致していまして、「ライバルどうする?」っていう話をした時も女性ということで意見が合いました。役割も裁判官ということで、それならビジュアル面でも心配ないだろうと。こうやって今作のライバル・水鏡 秤(みかがみ はかり)の方向性は、さくっと決まりました。

【まり探】 【まり探】
▲『2』で御剣のライバルとなるのが、裁判官の水鏡 秤。法を絶対と考えており、その聖女のような微笑みとは裏腹に、法に背くものには容赦なく裁きの鉄槌(てっつい)を下します。

――今回、ライバルキャラクターを裁判官にした理由を教えてください。

山﨑:『逆転検事』の『1』の時に、ライバルの職業を何にするかというのは結構悩んだんです。弁護士だとそのまますぎておもしろくないので、事件現場で推理を戦わせられる相手として狼 士龍(ろう しりゅう)という国際捜査官をライバルに設定しました。それじゃあ今回は、どんな職業があるだろうとアイデアを出し合いました。それで、裁判や捜査にかかわっている存在かつ、まだライバルになっていない職業と考えた時に、“裁判官”という設定を思いついたんです。ライバルが裁判官だったらインパクトがあるんじゃないかと。それが最初でした。

江城:ライバルはコンビにしたいと思っていました。『1』の時はロウとシーナでしたし。だから『2』も水鏡 秤と一柳 弓彦(いちやなぎ ゆみひこ)をコンビにさせました。『逆転検事』のシステムって画面にバストアップのキャラクターを2人出せるんです。1人よりも2人並べたほうが、システム画面が生きるんです。

岩元:あとは、前作のようなロウ&シーナの完ぺきなコンビネーションと同じものがくると思わせておいて、違う! というのもおもしろそうだなと。じゃあ片方をおバカにしちゃえばいいかと(笑)。最初はおバカだとバレないように描いてユーザーを油断させ、前回と同じようなタッグなのねと思わせて、裏切るということができそうだなと。

――『2』を作るにあたって、こだわったことはありますか?

江城:今回作るにあたって僕が山﨑にしたオーダーは、「あらゆる面で『1』を上回ってくれ」ということでした。非常にアバウトかつ無茶なオーダーなんですが(笑)。シナリオ、グラフィック、キャラクターデザイン、音楽……すべての面で前作から進化してほしかった。当然、新システムも入れてほしかったですしね。『1』の時にやりたかったことは、もちろん『2』に入っていますが、そこからさらにもっと詰め込まないといけない要素をたくさん入れました。

山﨑:ネタはとにかくみんなでたくさん考えて出しました。そういう意味では、入れたいモノがたくさんあったタイトルではあります。

――プレイした印象としては、非常にボリュームが多いと感じたのですが、これも江城プロデューサーのオーダーなのでしょうか?

江城:『1』は『逆転』シリーズの新しいタイトルとして制作しまして、これから柱として売っていきたいという思いで作りましたが、まずはゲームシステムをしっかりと構築しないといけなかったので、シナリオのボリューム面は少々薄めだったんですね。ですから『2』はシナリオのボリュームはもちろん、御剣自身にフォーカスをあてた密度の濃い話にしてほしいというオーダーをしました。

山﨑:すべての面でパワーアップしろというオーダーだったので、ボリュームもパワーアップしたということですね。

岩元:しすぎというウワサもチラホラありますけどね(笑)。

山﨑:そうですね、やはりスタッフみんなのやりたいことを詰め込み始めたら、止まらなくなってしまったというのはありますね(苦笑)。

【まり探】

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