三国志本来の物語が満載！ 『真・三國無双6』鈴木プロデューサーに迫る【前編】

文：電撃オンライン

■キャラクターマップとにらめっこ!?　キャラの作り方が明らかに

――新たにキャラを作る際、その人物の性格やキャラクター性はどのように考えているのでしょうか？

　キャラクター自体は、ストーリーありきなんです。話を作る上で必要な人を集めていきます。その上で、人物と性格を考えて落としこんでいきます。あとは、『無双』シリーズではキャラクターマップというのを作っていて、あまり性格がかぶらないようにしているんです。そのマップと照らしあわせつつ、キャラクター性を構築していきます。もちろん伝聞はあるのでそこは参考にして、その上でアレンジしていく形です。

――新キャラについて聞いていきたいと思います。キャラの選考理由やデザインする上で気をつけたところ、キャラクターを作る上で意識したところ、そして得意武器の選択理由をそれぞれ教えていただけますか？　まずは賈クから。

　一度は曹操を破りながらも後に仕えるという異色の経歴と、軍師として活躍したエピソードをストーリーとして描きたかったという理由で起用しました。鎖鎌をメイン武器にするということで、鎖がひっかからないないよう、突起の少ないデザインにしています。曹操暗殺にかかわっていたので、暗殺者という設定から中東をイメージしました。また、腰のベルトの後ろには怪しげな小物入れや複数の小刀がついているのも特徴です。加えて三白眼の鋭い顔つきにし、曲者軍師であることを表現しています。

　キャラとしては、“おじさん軍師”という今までなかったジャンルに挑戦しました。人を食ったような台詞を心がけたキャラです。変幻自在の計略を操るイメージから、アクションにはクセのある鎖鎌を選びました。

――次は、見た目も性格も特徴的な丁奉です。

　呉を長年に渡って支えた武将として、物語に深みを出すために追加しました。この丁奉は、石つぶての名手ということで背中や腕が極端な筋肉質になるようデザインされています。また、顔も目の上を盛りあげたり、への字口にしたり、より強面さを強調しました。これによって、詩作が好きという彼の一面とのギャップを強調できたかと。

　注意したのは、丁奉自身は自分が“超”のつくほど強面である意識がない点です。そんな顔に負けないような、いかつい武器ということで鬼神手甲を選びました。

――続いて、セクシーな見た目の練師をお願いします。

　呉の女性キャラとして、孫権の寵愛（ちょうあい）を強く受けた女性がいたというエピソードを膨らませたかったため、追加しました。無駄な装飾を省き、グラマラスさを強調する衣装となっています。呉の女性キャラでは一番大人っぽいという点をコンセプトとし、涼やかな瞳の顔や柔らかい体つきも、落ち着いた大人の女性の部分を表現してみました。

　意識したのは、大人の女性の余裕と包容力です……いろいろな意味で（笑）。非力な練師が自分の欠点をカバーして、有効に立ち回れる武器ということで弩を選びました。

――蜀の武将にいきます。劉備の息子・劉禅ですが、意外なキャラに仕上がっていましたね。

　新登場させたのは、劉備亡き後の蜀で、皆の希望となる存在でありながら、暗愚ともささやかれた人物像を描きたかったからです。若いのに立派な皇帝らしい衣装になっています。また、普通にしているのになんとなく笑っているような顔もこだわった点です。劉禅の歴史的イメージと『無双』キャラとしてのヒーローっぽさの折衷（せっちゅう）を心がけました。

　台詞ですが、単なるアホにならないためにたまに核心を突いたことを言うようにしています。武器は、劉備の意志を受けつぐイメージから剣系統のもので、戦慣れしていないイメージから非力でも扱える細剣を選びました。

――では、蜀の後期を支えた馬岱は？

　馬超と並んで人気のあるエピソードのある武将だったので選びました。馬岱といえば「特徴的な帽子！」という概念が弊社にありましたので、初めて『無双』キャラになる彼にもかぶらせてみました。また、西涼出身ということで、どことなく彫りの深い顔立ちでクセ毛になっています。

　意識したのは、不自然なほどの明るさ……です。ただ、それだけではないという設定もあるので会話イベントなどをよく見てみてください。その一見つかみどころのない性格から、画鬼で敵の意表を突く妖筆を選んでいます。

――五虎将の筆頭である関羽の息子の関索は？

　民間伝承で人気のあるキャラだったからです。民間伝承では“花関索”と呼ばれていたため、思い切って頭に花を挿してみました。美少年のはずが、何かツッコミどころがある感じに仕上がっているかと思います。また、顔のわりにしっかりした二の腕の筋肉にし、関羽の息子であることも表現しています。

　目指したのは、無意識に女性の心をとらえる美少年です。両節棍を選んだのは、剛の関平に対して柔の関索というイメージから、素早い連続攻撃が可能な武器にしたかったためですね。

――その妻である鮑三娘ですが、かなり今風のキャラで驚きました。

　鮑三娘は、関索とセットでクロニクルモードを厚くするために選定しました。とにかく身軽なお転婆少女としてデザインされましたね。アクセサリや緑の付けまつげは普通の女の子の精一杯のおしゃれということで、極力宝石や金属を使わないものとなっています。また、健康的な美脚になるようモデリングに気を使いました。

　あまり身分の高くない女性キャラとして、親しみやすい言動にすることを意識したキャラです。たくましく生きる女の子のイメージから手先の器用さを連想し、遠心力を用いて多様なアクションを行う旋刃盤を選びました。

⇒3ページ目で晋の武将を紹介！

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