ソウルヌードバトルは発表後に生まれた!? 『ガチトラ！』開発者インタビュー

文：電撃オンライン

●バカゲーな部分だけじゃない！　『ガチトラ！』の魅力は？

――ゲーム内の生徒がトラに持ちかける悩みをユーザーさんから募集していましたが、どういう経緯で行ったのでしょう？

寺澤：悩みを解決するゲームであることを知ってもらいたいというのと、学生のリアルな悩みを知りたかったので募集しました。それをゲームで表現できたらいいと思ったんです。

松本：新規タイトルということもあり、最初は募集してもそれほど反応はないと思っていたんですが（笑）、短い期間にもかかわらず結構な応募がありました。友だち関係や恋愛の悩みが多かったですね。あとは、同性愛の悩みが多かったです。ネタで書いているのかもしれませんが、「今の日本はこうなのかな？」ってちょっと感じました。

――体験版のシナリオは書き下ろしでしたが、苦労したところなどあれば教えてください。

松本：体験版は制作時間がとにかくなかったんです！　『ガチトラ！』は、バトルをした後にミッションで事件を解決するという流れなんですが、ミッションの内容をどうするか決める段階で、すでに体験版用に新規ミッションを作る時間はなかった。どうすれば違和感なく遊んでもらえるかと考えた時に、製品版用にすでにできあがっていた釣りをミッションとして利用するのがいいだろうということになり、そこからは逆の発想で、ミッションとして釣りをしてもらうために魚にちなんだ生徒の悩みを考えたんですね。魚を釣ってくるため、寿司屋絡みの悩みにすることにしました。

――社内コラボをすることになったのは、なぜですか？

寺澤：同時期に開発が進んでいた弊社タイトルとして『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生（以下、ダンガンロンパ）』があり、『喧嘩番長5』があって、『ガチトラ！』があった。PSPで学園3部作ということで売りだそうとしていたので、コラボしない理由がありませんでした。ターゲットとしているユーザー層や発売時期は少し違いますが、他の弊社タイトルを遊んだ人がちょっと喜ぶ仕組みを用意したいと思ったんです。『ダンガンロンパ』と『ガチトラ！』は僕がプロデューサーなので、早い段階から「ガチトラ！」用にモノクマモデルを作ってもらっていました。

――他にも社外コラボを採用していますが、こちらはなぜ行ったのでしょう？

寺澤：他社さんもそうだと思いますが、ゲームの世界にリアリティを与えたいというところと、話題作りのためです。『ガチトラ！』はオリジナルタイトルですから、コラボしていただける企業さんもご判断が難しかったかと思いますが、その中で、賛同してくださったメーカーさんと一緒にコラボさせていただきました。

――店頭体験会をやったり、体験版を配信したりしましたが、評判はどうでしたか？

松本：店頭体験会の会場に行ってきたのですが、さわっていただいた方の評判はよかったです。体験版は、声が届いている範囲ですが、好評ですね。ただ、ちょっとバカすぎてノリについていけないという声もありました（笑）。僕もシナリオを書いていてちょっとバカすぎたかなと思ったのですが、作品全体の雰囲気を伝えたかったので体験版ああなりました。体験版を遊んだ人が製品版を遊ぶと、「製品版の方が断然おもしろい」という人が多いみたいですね。

――ブログで開発作業が難航したことを公開していますが、改めて振り返ってみてどうでしたか？

松本：本当に苦労はしましたが、終わりよければすべてよし。最後は一丸となって、苦しいながらも楽しく終えられたので、本当にまた同じチームで作りたいという気持ちです。

寺澤：オリジナルタイトルを作る大変さはありましたね。続編だと、ベースがあるので楽ですが、オリジナルタイトルはよりどころがないので、自分を信じてやるしかないというのは、精神的にきついんです。ただその分、新しいものを作るという刺激や充足感は何にも代えがたいもので、やっぱりオリジナルタイトルは作っていてホントおもしろいんです。

――『ダンガンロンパ』を意識したということですね。

松本：同じくらいの時期に立ち上がっているので、社内のタイトルなんですがライバルのような感じでした。『ダンガンロンパ』が好調だったので、『ガチトラ！』も続けるように頑張りました。

寺澤：この2タイトルは、ほぼ同時期に動き出したオリジナルタイトル。開発中は『ガチトラ！』の社内評価が高い時もあれば、『ダンガンロンパ』がそれを追い抜くという時期もあり、互いに刺激があってよかったと思います。発売は『ダンガンロンパ』が先なんですが、実はゲームとして形になったものは『ガチトラ！』が先に出てきたので、『ダンガンロンパ』チームが焦ったこともありましたね。

松本：『ダンガンロンパ』がなければ、今のクオリティには到達していなかったと思います。本当にいい関係だったと思いますね。

――では最後に、まだ購入していない方へメッセージをお願いします。

寺澤：『ガチトラ！』はドラマ性が強いタイトルで、遊んでもらえばついつい先が見たくなると思います。インパクトのあるソウルヌードバトルやちょっとエッチなミニゲームを押し出したPR施策が多かったため、バカゲーと思われている方もいるかもしれません。もちろん、そういう要素もあるんですが（笑）、それだけではない本作の根底に流れる熱い部分を楽しんでもらえればと思います。

松本：真心を込めて、一生懸命作ったのでとにかく多くの方に遊んでほしいです。ゲーム業界で10年以上ゲーム制作に携わっていますが、『ガチトラ！』ほどいろいろ考えられた作品は初めてと言ってもいいくらいです。ぜひよろしくお願いします。

▲さまざまなところまでこだわって制作したという『ガチトラ！』。まだ遊んでいない人は、チェックしてみては？

(C)Spike All Rights Reserved.

• 『ガチトラ！ ～暴れん坊教師 in High School～』公式サイト