2011年6月7日(火)
米国現地時間6月6日に発表された、SCEの新ハード・PS Vita。SCEのカンファレンス直後、そのPS Vitaに触ることができた。
残念ながら撮影はNGだったので写真は紹介できないが、PS Vitaの使用感と、プレイすることができたPS Vita用ソフト5本の体験レポートをお届けする。
まず実機を見た際に感じたのは、非常にディスプレイが大きいということだった。スペック上では4.3インチ→5インチと、PSPとは0.7インチしか違わないPS Vitaだが、筆者が想像していたよりもずっと大きい印象を受けた。またディスプレイが大きくなったことに加えて、本体自体の横幅もしっかり大きくなっている。
十字ボタンと△○×□ボタンは、ともにPSPの半分~7割程度の大きさになっていて、ポチポチといった押し心地だったものが“カチカチ”のような押し心地に変わり、ボタンがしっかりとした印象を受ける。その反面、L/Rボタンは若干やわらかくなっており、押した時の“カチカチ”という音も減少しているように感じた。
アナログスティック2本の使用感だが、アナログパッドからスティックへと変わったため、位置が高くなり操作がしやすい。親指をスティックに当てた時の感覚はパッドよりも若干硬めで、倒す時に必要な力はPS3とさほど変わらないか、短い分ちょっと硬さを感じるかもしれない。なお、いわゆる“モンハン持ち”と呼ばれる操作方法を試してみたが、それほど違和感は感じなかった。PS Vitaでも“モンハン持ち”は問題なく使用できるだろう。
ここからは、1本あたり3~4分ほどの短い時間ではあるが、以下でPS Vita用ソフト5本のレポートをお届けする。
最初に体験できたのは『リトルビッグプラネット』。一度PS3で発売されているタイトルなので、グラフィック面が気になるところ。しかし、PS Vitaで本作をプレイしても、グラフィック面はそん色なく感じられた。
操作面では、左のアナログスティックを使ってリビッツを動かし、タッチパネルで画面上の物体を動かしていくことになる。たとえば、下方向に沈むバネ板があれば、指で板を下にドラッグしてから離してやると、上に乗ったリビッツを高く飛ばすことができる。また、水車のような円状の物体にリビッツがぶら下がり、それを指で回転させてやれば、リビッツを円状に移動させることができるなど、指先ひとつで直感的にプレイができるので、よりプレイしやすくなっている。
なお会場では、本作でのみ背面タッチパッドを体験することができた。筆者が体験したステージでは、奥行きにあるブロックを背面タッチパッドでポンと叩いてやることで、ブロックを手前側に押し出すことができるようになっていた。
セガがアーケードやコンシューマなどで展開しているリアルテニスゲームのPS Vita版。左のアナログスティックで選手を移動させ、タッチパネルをタッチすることで打つ動作を行うことができた。また、タッチの仕方によって回転のかけ方が変わり、上方向にドラッグするとトップスピン、下方向でカットになる。サーブ時も同様で、普通にタッチしただけだはストレートサーブなのだが、タッチの仕方によっては回転をかけてボールを曲げることができる。
本作はジャイロ機能を使ったミニゲーム集。筆者が最初にプレイしたのは、カメラ機能を使って写した映像が背景になり、その映像上を敵が現れて、それを撃って倒していくシューティングゲーム。
ジャイロセンサーを使ってPS Vitaを傾けると、照準をあわせることができる。後はR1ボタンを押して攻撃を出し、敵を倒していく単純なゲームだ。ただし、筆者の操作がヘタなのか、まったく敵に照準を合わせられずに10秒ほどでゲームオーバーとなってしまったので、あまり詳しいことを書くことができない……。一緒に体験した電撃オンラインのスタッフによると、ステージをクリアしていくことで、ボス敵なども登場するとのこと。
次に体験したのは、上から下に落ちていくキャラクターを、PS Vitaのジャイロ機能を使ってゴールまで導くというもの。PS Vitaを床から水平に持ち上げ、上部、下部、左右を斜め下に傾けて、キャラクターの移動を制御していくことになる。操作は単純だが意外とおもしろい。単純な移動ゲームではなくて、障害物なども設置してあるのもよいスパイスになっている。ただ、筆者がノーミスでステージをクリアし続け、外国人のスタッフに「Great!」とほめられたため、よりおもしろく感じられたのかもしれない。
こちらはタイトル通り“音”がうまくゲーム中に使われている横スクロールACT。丸い体に尺取虫の足をつけたようなキャラクターを操作し、ジャンプして敵をよけたり、道から落ちた先や天井にある針(のようなもの)に当たらないように、画面右を目指していく。道中にあるコインを取ることで、ステージ上で音が鳴り始め、うまくつなげ合わせると1つの音楽になる。
また、ステージエディットもあるようで、自分で自由に障害物を作ったり、ギターやピアノ、ハープ、ドラムなどさまざまな楽器の音を設置することができる。これがテキトーに設置していても意外といいリズムになったりして、さらに前で解説してくれたスタッフも、筆者が作った音にあわせてリズムをとって体を揺らしてくれたので、非常に楽しめた。
最後はA・AVG『アンチャーテッド』の新作を体験。E3 2011版では、タッチパネルを使った敵への攻撃や、壁を伝っていくアクションシーンを中心にプレイできた。素手での敵への攻撃は、敵の近くに移動して画面に“攻撃”と表示された時に敵をタッチするだけで行える。
また、ハリを伝っていく『アンチャーテッド』のアクション部分でも、タッチパネルは大活躍する。以前のシリーズの場合、ハリが途切れていた場合はそのつど×ボタンを押してジャンプしなければいけなかった。しかしPS Vita版では、行き先までの経路をドラッグして離すだけで、自動でネイトが移動してくれるのだ。しかも、ガケからガケへのジャンプ時にも使え、着地地点をタッチすれば自動で飛んでくれるので、誤動作で落ちてしまうこともなくなるだろう。個人的には、視点によってジャンプしたい方向にうまく飛べなかったこともあったので、この機能があると非常にありがたい。