2011年6月9日(木)
現在、ロサンゼルスで開催中のE3 2011に出展しているベセスダ・ソフトワークス。そんなベセスダのタイトルで、日本語版ローカライズを担当するのがゼニマックス・アジアだ。
今回、ゼニマックス・アジア代表の高橋徹氏に、PS3/Xbox 360用ソフト『The Elder Scrolls V:Skyrim(ザ エルダースクロールズ V:スカイリム)』についてインタビューを行った。
▲英語が堪能な高橋氏。今回はベセスダとのさまざまな調整や打ち合わせを兼ねて、E3に参加したとのこと。ちなみに背景の『Rage』も注目のFPSタイトルですよ! |
――E3会場での皆さんの注目具合、すごいですね。みんな大型ビジョンの前で釘付けでした。
そりゃもう、うちの看板タイトルですからね! この前の“Bethesda Gamers Day 2011”以降、注目度もかなりのものになっているみたいです。
――ちなみに、開発はどれくらい進んでるんですか?
北米版については、すでに盛り込む要素についてはすべて完成している状態ですよ。あとは細かいチューニングをしたり、最適化をしたりという段階ですね。完成版に近いベータ版といった感じです。
――『Fallout:New Vegas(以下、FONV)』のような“ハードコアモード”などの実装はありますか?
いや、ないです。『スカイリム』ではプレイ中、いつでも難易度設定の変更ができるので、好きな時に好きな難易度でプレイしてもらえます。
――シアターでも見て気になったのですが、今回武器の二刀流ができますよね。利き手の概念もあるのでしょうか?
いい質問ですね。たぶんないと思います!(苦笑) どちらの手で武器を持っても、同じダメージになるんじゃないですかね。あ、でも開発陣に確認していないので確定情報じゃないですが!
――では、今作でもPerk(特殊能力)の取得はレベルアップごとになるのでしょうか?
そうですね。前作でできたことは、基本的に同じような仕様で、同じようにできたりします。もちろんPerkの内容などは変わっていますけどね。あ、スキルの数は減ったと言っていましたね。同じようなものを整理統合して、スリム化が図られています。
――ニルンルートやボブルヘッドのような、この世界に散らばるアイテムを探すというやり込み要素は本作でもありますか?
もちろん、ありますよ。どんなものかは内緒ですが。
――そういえば、シアター上映では『スカイリム』の世界のバックグラウンドを記した本がかなりの数登場すると言っていたようですが。
300冊ですね。ただ本は本で、集め物というよりは、本当に『スカイリム』の世界のバックグラウンドを楽しんでもらうためのものですね。
――作品世界に1つしかないような、“ユニークアイテム”は登場しますか?
登場しますよ。どういったもので何種類くらいかはまだわかりませんが、開発陣からはあると聞いています。
――各機種で、インストールに必要な容量などはすでにわかっているのですか?
いえいえ、まだこれからですね。これから最適化を行って、それでどうなるかという感じです。ただ、PS3版もXbox 360版でもディスク1枚に収まるようにはなるので、ディスクの入れ替えはないですよ。
――PC版のクリエイションキットについてですが、以前すべてのコンソールで動かしたいという希望をおっしゃっていましたね。それは実現しそうですか?
なかなか難しいですね……。希望としてはもちろん変わっていませんが、いろいろと各ハードメーカーさんの考え方もありますので。でも、いつかできたらいいですよね!
――ちなみに、ダウンロードコンテンツについてはすでに開発も動いているのですか?
いや、まだ全然です。今はとにかく、本編を作り込むことに注力している段階なので。ですから、まずは本編をきっちり仕上げることに全力を傾けています。
――日本版についても、すでにローカライズは進んでいるのですか?
もちろん、動いてますよ。いつも通り、米国開発と同時進行で行っています。
――北米では2011年11月11日発売とのことですが、日本では?
今のところ2011年内という状況に変わりはないですね。
――プロデューサーは、いつもの岩本さんですか?
はい、そうです。
――ということは、いつも通りのクオリティは期待できると。
いつも通りでは困りますね。常にさらによいものを目指していくべきなので、いつも以上のデキとなるはずです!
――非常にお聞きしづらいのですが、『FONV』ではけっこう重大なバグが多数ありましたよね。もちろんローカライズ以前の開発の問題なのですが、今回は大丈夫でしょうか……?
そうですね、そういった部分に関しては、正直『FONV』とは比較してほしくないという思いはあります。今回は『Fallout 3』を制作した、ベセスダの中心となる本体開発陣が作っているので。『FONV』は、もちろん言い訳にはなってしまうのですが、いわば外注制作でしたので。
ただ『FONV』にバグが多すぎて……かなりユーザーの皆さんにご迷惑をおかけしたというのは日米ともに会社全体としてかなり強く反省をしました。なので逆に『スカイリム』のデキに関しては、あまり心配していません。『Fallout 3』よりもいいデキになるんじゃないでしょうか。
――ちなみに、今回もローカライズに際して有名声優さんを数多く起用するということはありますか?
最終的には岩本の判断になると思うのですが、たぶんないでしょうね。あ、北米版では、かなり有名な俳優さんの起用はありますよ。ただ、日本語版に関しては、今のところなさそうです。もちろん、日本語版での吹き替えは行います。
――日本語版では、表現の規制などの違いはありますか?
まだわからないですね……。CEROの審査次第なので。ただ、たぶんないと思っています。身体欠損表現はもともと入っていませんし。……って、僕は結構なんでも別にいいんじゃないかなって言っちゃうので、あてになりませんよね(笑)。ただ、もし規制があるとしたら「最低限これをやらないと発売できないよ!」と言われた場合だと思います。
――今回も『FONV』の時のように、話題になりそうな広告展開は予定していますか?
いや、まったくないです。もちろんこれも、最終的には岩本判断になると思いますが。ただ、『スカイリム』は本当にうちの王道タイトルなので、もう直球な展開でいこうかなと。その代わり、広告展開のボリュームを増やしていければと思っています。
――では最後に、日本のユーザーの皆さんにコメントをお願いします。
『スカイリム』に関しては、何度も言っていますがうちの王道、看板タイトルなので、アメリカの開発スタッフに話を聞いていても、内容面でかなり自信を持っているようですし、日本でもローカライズには相当力を入れていますので、オンタイムで出せるように頑張っています。ぜひ期待していてください。
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