2011年6月10日(金)
米国で開催されていたE3 2011のネクソンブースで、PC用オンラインゲーム『マビノギ英雄伝』の開発陣にインタビューを行った。
『マビノギ英雄伝』は、現在サービス中のPC用MMORPG『マビノギ』と共通の世界観で展開するアクションゲーム。インタビューに答えてくれたのは、本作のディレクターを務めるハン・ジェホさん、韓国内ライブサービス総括チーム長のジョン・スンウさん、企画パート長のイ・ギュドンさんの3人。今回主にインタビューに答えてくれたのはハンさんだ。『マビノギ』とのつながりや、日本でのサービス予定などについて聞いてきたので、ぜひチェックしてみてほしい。
▲画像左から、イさん、ハンさん、ジョンさん。インタビューでは、本作の大きな特徴であるアクションの部分をユーザーにアピールしていた。 |
――まず、本作の特徴を教えてください。
本作は、『マビノギ』と共通の世界が舞台のアクションゲームです。PCゲームながら、世界で初めてソースエンジンという物理エンジンを搭載し、グラフィックもとてもきれいなのが特徴です。
――『マビノギ英雄伝』の世界は、『マビノギ』の世界とはどういった関連性があるのでしょうか?
本作は、『マビノギ』以前の物語になっています。『マビノギ』はケルト神話をもとにした世界になっていますが、『マビノギ英雄伝』ではより神話に近い物語が展開します。
――サービスインしている韓国と米国での反響を教えてください。
韓国では、1カ月に5万人がプレイした記録があります。また韓国には大韓民国ゲーム賞という賞があるのですが、去年大賞を含めて賞を6つもらいました。米国では、さまざまな媒体などから“コンソール機と比較しても劣らない、アクション性の高いゲーム”と評価をいただいています。
――米国では、タイトルが『Vindictus』となっており『マビノギ』の文字がありませんが、こういった点も含めて、ローカライズする際に配慮した点などを教えてください。
『マビノギ』という名前が、米国では少し読みにくいんです。なので、親しみやすいタイトルに変更しました。また、キャラクターの名前や特徴なども変えています。『マビノギ英雄伝』も、『マビノギ』と同じくストーリーに重きを置いているタイトルでもあるので、セリフのローカライズなどは、ユーザーが自然に感じられるように力を入れました。
また、“カロック”というキャラクターがいるのですが、これは開発段階から、米国向けにデザインしたものなんです。イラストも韓国でのサービス時にはなかったのですが、米国でのサービスに合わせて新しく用意しました。またイベントなども、米国用にハロウィンや、独立記念日などを準備しています。あとはキャラクターのカスタマイズも、アメリカ人向けに調整しています。セクシーな下着とか(笑)。
――なるほど(笑)。今後の海外展開についてはいかがですか?
ヨーロッパでサービスをする予定です。ヨーロッパの人は米国の人と趣向が似ているので、今から期待しています。また中国でも、4月にPPCBT(クローズドベータテストの前の前の段階)を実施したのですが、私たちが最大で想定していた人数を上回る人にプレイしてもらえまして、こちらもいい結果が出ています。また日本でも、年内にサービスを開始する予定です。
――日本のユーザーに、ここを楽しんでもらいたいというポイントはどこですか?
アクションゲームが好きな日本の方に、ハイクオリティなアクションを楽しんでほしいです。『マビノギ』が好きな人にも『マビノギ』より前のストーリーが展開しますので、そこを見てほしいですね。
――『マビノギ』をプレイしていなくても、『マビノギ英雄伝』のストーリーは楽しめますか?
世界は同じですが、ストーリーは独立しているので『マビノギ英雄伝』だけでも問題なく楽しめます。ただ、『マビノギ』と共通で登場するキャラクターがいたり、『マビノギ』のアイテムなどがオマージュという形で本作に登場したりするので、『マビノギ』を遊んでいるとより楽しめると思います。
――以前ネクソンの元社長のデイヴィット氏は、「日本のユーザーはアクションゲームに対して目が肥えている」とコメントしていました。
私たちも、日本がアクションゲームの聖地だと認識しています。『マビノギ英雄伝』は、『マビノギ』のオンラインゲームの特徴と、コンソール機のアクション要素のいいところをあわせ持ったタイトルになっています。先ほども言いましたが、ソースエンジンを使うことで動きも非常にリアルなものになっていて、たとえば攻撃時のエフェクトなども爽快感のあるようなものに仕上げています。
――具体的に意識した、コンソール機のアクションゲームはありますか?
いろいろなアクションゲームを参考にしましたが、中でもボスモンスターとのバトルは『モンスターハンター』を、ザコ戦は『無双』シリーズですね。『ゴッド オブ ウォー』の残虐なシーンも参考にしています。
――残虐なシーンもあるということですが、やはり『マビノギ』とはまったく雰囲気が違いますよね。
『マビノギ』はほのぼのとしたファンタジーですが、『マビノギ英雄伝』は、アクションシーンに力を入れています。なので、ストーリーもハードな感じがあります。
――メインターゲットにしているのはどのようなユーザーですか?
メインに考えているのは、やはり10代後半~20代前半の男性です。ですが、韓国での状況を見ると、若いユーザーや年配のユーザー、女性のユーザーもいますね。
――アクションゲームが苦手な人に向けたフォローなどはありますか?
アクションゲーム初心者の方でも楽しめるように、難易度を調整しています。
――韓国でのサービスインからこれまでに、どのようなアップデートが行われましたか?
本作はストーリーが重要なオンラインゲームで、現在エピソード8までストーリーをリリースしています。今秋にエピソード10がリリースされて、それでシーズン1が終わります。その後、今冬ごろからシーズン2が始まるという流れになっています。シーズン2では、かなり大きく変化する予定です。
――今冬に大型アップデートがあるということですか?
そういうことです。内容はまだ秘密ですが。
――それでは最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。
ジョン・ソンウさん 『マビノギ英雄伝』は、今までのオンラインゲームでは楽しめない特徴を持っているタイトルなので、ぜひ楽しみにしていてください!
イ・ギュドンさん 日本のユーザーはバトルバランスに厳しい方が多いので、そういった方にも満足してもらえるよう、現在頑張って調整しているところです。楽しみに待っていてください。
ハンさん 『マビノギ』もそうなのですが、『マビノギ英雄伝』も英雄たちの特徴がよく出ていると思いますので、そういった部分をチェックしてみてください。また、コンシューマタイトルとは違い、オンラインゲームの要素を強く持っているタイトルですので、期待していてください!