News

2011年6月16日(木)

名古屋で開催された『MTG』イベント“マジック・ウィークエンド”をレポ!

文:電撃オンライン

前へ 1 2

■ 世界最高峰の戦いの結末は!? ■

 今回のイベント“マジック・ウィークエンド”のメインとなるもの――それが“プロツアー名古屋”だ。プロツアーは、数ある『MTG』のトーナメントの中でも“世界選手権”に並ぶ最高レベルの大会で、参加権が与えられるのは世界ランキング上位のプレイヤーと厳しい予選を勝ち抜いたプレイヤーのみ。優勝者には数万ドルの賞金が与えられるとあって、チェスやポーカーなどと同じく頭脳スポーツと呼ばれる『MTG』の競技性が前面に押し出される大会となっている。

 このプロツアー名古屋では、2日間にわたって16ラウンドを戦い、最終日となる日曜日に上位8名による決勝ラウンドが行われる。今回は日本人プレイヤーの躍進が目覚ましく、16ラウンド終了時に藤田剛史選手(1位)、角岡利幸選手(6位)と2人の日本人プレイヤーが決勝ラウンドへとコマを進めた。

マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド
▲決勝ラウンドは“ミラディンの傷跡”ブロックの3つのパックを使ったドラフトで行われた。日本人では藤田選手(左)、角岡選手(右)が決勝ラウンドへと勝ち進んだ。藤田選手は古参の強豪で『MTG』の殿堂入りも果たしている、伝説的なプレイヤーだ。
マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド
▲ドラフトの様子は会場に設置された大型モニターで中継される。今回のトップ8には“最強のアメリカ人”とも呼ばれるLuis Scott-Vargas選手も残っており、下馬評では優勝にもっとも近いともささやかれていた。

 決勝ラウンドでは、藤田選手がアメリカのDavid Sharfman選手に敗れ姿を消す。一方で、角岡選手が超強豪プレイヤー“LSV”ことLuis Scott-Vargas選手を撃破!! 大金星を上げ、準決勝へと勝ち進んだ。さらに角岡選手は準決勝でも見事に勝利をおさめ、準々決勝で藤田選手を破ったDavid Sharfman選手と決勝を戦うこととなった。

マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド
マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド

 決勝に残った2人のデッキは、角岡選手が緑黒青、David Sharfman選手が赤青というもの。角岡選手のデッキには爆弾カードである《飛行機械の組立工》があり、それをサーチできる《宝物の魔道士》も投入されている。さらに《納墓の総督》や《呪文滑り》といった《飛行機械の組立工》を回収する、守りのカードもあるため、デッキの回りがやや遅いことを除けばかなりの戦闘力を持つデッキになっている。

 一方、David Sharfman選手のデッキは“スピードこそ命”といった内容。《燃えさし鍛冶》や《火膨れ杖のシャーマン》といったテンポを取るカードに加えて、ブロックされにくい《回転エンジン》や《コスの急使》などで一気にライフを削り取っていくタイプのデッキだ。

 1ゲーム目は、David Sharfman選手がブロックされない《コスの急使》を早々に展開し、ライフをけずっていこうとする。それに対し、角岡選手は必殺の《飛行機械の組立工》をプレイし、ダメージレースを挑もうとする。しかし、これをタイミングよく《鋼の妨害》で打ち消されてしまい、一番の攻め手を失ってしまう。角岡選手はその遅れを取り戻せないまま《コスの急使》と《回転エンジン》によってライフを0にされてしまった。

 2ゲーム目でもDavid Sharfman選手のプレイが光った。1ゲーム目同様にブロックされない《コスの急使》が登場! これに対して角岡選手は3ターンかけて《漸増爆弾》にカウンターを乗せ《コスの急使》を破壊しようとする。しかし3つ目のカウンターを乗せた瞬間、David Sharfmanが《粉砕》を唱え《漸増爆弾》を破壊する。《コスの急使》への回答をつぶされてしまった角岡選手はまたしても破れてしまう。

 迎えた3ゲーム目。またしても《コスの急使》が現れ、序盤から角岡選手のライフを奪っていく。さらに角岡選手は十分な枚数の土地を引けず、ゲームは一方的な展開となってしまう。それでも《漸増爆弾》にたどりつき、David Sharfmanのクリーチャーを破壊する機会を得るが……カウンターがたまったところで無情にも《鋼の妨害》。完璧なゲーム運びを見せたDavid Sharfman選手に角岡選手は右手を差し出し、プロツアー名古屋の優勝者が決定した。

マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド
マジック・ウィークエンド マジック・ウィークエンド
▲3日間にわたる激闘を制したDavid Sharfman選手と、日本人最高位をマークした角岡選手。今後のビッグイベントでの活躍が期待される。

 こうしてプロツアー名古屋は閉幕した。今回お伝えしたように『MTG』のイベントは、興味があれば誰でも楽しむことができるようになっている。今『MTG』が好きなプレイヤーだけでなく、昔『MTG』をやっていた人、これから『MTG』を始めてみようと思っている人は、近くでイベントが開催されることがあれば、積極的に参加してほしい。『MTG』の魅力、熱さを肌で感じることができるだろう。

 なお日本では、7月16日~18日にかけて“日本選手権”が、10月29日と30日には“グランプリ広島”が開催される。どちらも楽しめるイベントになることは間違いないので、機会があれば会場に足を運んでみてはいかがだろうか?

(C)1995-2011 Wizards of the Coast LLC, a subsidiary of Hasbro, Inc. All Rights Reserved.
[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]

データ

▼『マジック:ザ・ギャザリング 新たなるファイレクシア』ブースターパック日本語版
■メーカー:タカラトミー
■発売日:2011年5月13日
■価格:15,876円(税込)
 
■『マジック:ザ・ギャザリング 新たなるファイレクシア』ブースターパック日本語版の購入はこちら
Amazon.co.jp

関連サイト

前へ 1 2