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2011年6月14日(火)

『フォルツァ4』はどこまで進化する? キーマン谷口さんにインタビュー

文:電撃オンライン

 日本国内では10月13日に発売が予定されている、Xbox 360用RCG『フォルツァ モータースポーツ 4』。『3』でも非常にクオリティの高い作品に仕上がっていたが、はたして『4』はどこまで進化しているのだろうか。開発を担当するTURN 10 STUDIOS(ターン・テン・スタジオ)シニアゲームデザイナーの谷口潤さんに、E3 2011の会場でお話を聞いた。

『フォルツァ モータースポーツ 4』
▲最高のレースゲームを作るべく飽くなきチャレンジを続ける谷口さん。『フォルツァ4』なので『4』のポーズ!

――『フォルツァ3』でやることはほとんどやってしまったのでは? と思うほどクオリティが高かったですが、『4』ではどんなところが進化しているのでしょうか。

 まず『3』を作った後、もし次回作を作るとしたらどんなことを入れたいか、という質問をスタッフたちに聞いてみたところ、1,000を超えるアイデアが集まりました。まだ進化の余地がたくさんあると確信して制作を始めました。

――実際はどのようなものを盛り込むことになったのでしょうか。

 今作は大きく分けて、グラフィックの強化、Xbox Liveの充実、Kinectへの対応、レースシーンの強化といった4つのコンセプトを掲げています。それぞれをお話ししていくと、まずグラフィックですが、より自然な感じが出るような、人間が実際見ている色あいに近い雰囲気を出せるよう改良しました。特に後で説明するオートビスタモードでは、一見CGとは思えないような高精細なグラフィックを実現しています。

『フォルツァ モータースポーツ 4』 『フォルツァ モータースポーツ 4』
『フォルツァ モータースポーツ 4』 『フォルツァ モータースポーツ 4』
▲写真? CG? あまりのリアルさに、とっさには判別がつかないほどだ。

――なるほど。2番目の、Xbox Liveの充実はどうですか?

 まず、オンライン同時プレイ数が8人から16人に増えました。かなり迫力のあるレースを楽しむことができますよ。また、フレンドが集まって作る“カークラブ”という機能が追加されています。クラブでガレージを持つことができ、そこに車をおいておけばクラブメンバーが使えるようになるとか、その他データなどもクラブ内で共有できるようになります。

 それとライバルモードというものがあり、自分とタイムが近いプレイヤーをライバルとして設定しておくと、ライバルがいいタイムを出した時に通知が来ます。それを見て、こちらもそのタイムを抜いてやろうと熱くなれるというわけです。ライバルのゴーストも見られますので、自分の走りと比べてどのセクションが速いのかを研究することもできますよ。

――オンラインを通じて他のプレイヤーと楽しめる要素が大きく増えたということですね。

 そうですね。プレイヤー同士の活発な交流をしてほしかったので、ソーシャルな部分を手軽に楽しめるような要素を盛り込みました。

 そして3番目のKinectへの対応ですが、ご覧になった方も多いと思いますがステアリングなしでレースを楽しめるモードが1点。アクセルやブレーキはオートマチックなので、初心者の方でもすぐに楽しめるようになっています。

 2点目はオートビスタという、車をじっくり眺められるモードです。Kinectによって、歩き回ったりのぞき込んだり手を伸ばしたりといったプレイヤーの体の動きを検知して、車がそこにあるかのように観察できます。このオートビスタで見ることのできる車は細部までこだわって作ってあります。たとえばエンジンルームやコクピットなど、顔を寄せて拡大させてもまったくそん色がありませんし、光の反射なども車が最もかっこよく見えるよう光源を研究して作っています。手をかざしてドアを開けたり、エンジンをかけたりすることもできます。

――車のディーラーっぽいイメージですか?

 高級スポーツカーだと中を見るくらいはできるかもしれませんが、エンジンをかけるところまではさせてくれないと思うんです。それが、このモードだとコクピットに収まってエンジンをかけ、エンジン音を楽しむこともできるんです。

――車好きにはたまらないですね。

 ええ、これはぜひ体験してもらいたいですね。あと小技ですが、Kinectをつないで顔の位置を設定しておくと、レース中に顔を左右に動かすことで視界も左右に動かすことができます。これはヘッドトラッキングと呼んでいるのですが、コーナーの先を見るという動作をより自然にできるようになるんですよ。

――Kinectでできることが結構多くてびっくりしました。

 せっかく対応するならとことんやろうということで、いろいろ盛り込みました。レースゲームという枠組みだけではなくて、車とどう親しんで、どう楽しんでいくかを考えた時に、これは新しいイノベーションなんじゃないかなと思います。オートビスタ1つ取っても車の色やパーツも変えられますから。実際のショールームはすべての色の車を用意しているわけではないので、他のパターンを確認することはできないのですが、これならいろいろなパターンをチェックすることができるんです。

――ここまででもかなりのボリュームですが、4つめのレースシーンの強化についてはいかがですか?

 登場するメーカーが大幅に増えて80社になりました。これはかなり多いんじゃないかと思います。車種についてはまだ決まっていませんが、それなりの数になると思います。

 レース中では、たとえばコースのバンプ(凹凸)が走っていてわかるようになったり、スピードを上げた時の視覚的な効果を表現したりしています。現実世界だと、スピードが上がるとちょっと怖いなと思ったりしますが、それを自然に体感できるようになっています。

 他にはリプレイのカメラワークにも力を入れていますね。TVのレース中継みたいなものだけでなく、ゲームでしか表現できないような凝ったカメラワークも入れ込もうと思っています。

――お話を聞いて、発売が楽しみになってきました。本日はありがとうございました。

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