2011年6月27日(月)
6月26日、都内のシネマート新宿でOVA『戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡(じゅうそう)』のプレミア上映イベントが開催された。
『戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡』は、セガから今年1月に発売されたPSP用ソフト『戦場のヴァルキュリア3』をアニメ化したもの。ゲーム本編では描かれなかった、懲罰部隊“ネームレス”のエピソードが収録されている。全2巻構成となっており、イベントでは6月29日に発売される前編に加えて、8月31日発売予定の後編も上映された。
イベントでは、OVA上映に加えて出演声優陣や制作スタッフによるトークも行われた。この記事では、上映前と上映後に行われたトークコーナーの模様をメインにお届けする。
上映前のトークコーナーでは、中村悠一さん(クルト・アーヴィング役)、遠藤綾さん(リエラ・マルセリス役)、浅野真澄さん(イムカ役)がステージに登壇した。
▲中村さん | ▲遠藤さん | ▲浅野さん |
最初に中村さんが、「こういう大きなスクリーンといい音響でこの作品を見てもらえるのはうれしいですね」と話すと、遠藤さんも「こんなに大きなスクリーンで見られるチャンスは、今日しかないんですよね。本当にうれしいです」とコメント。浅野さんは「後編が完成したのは4日前と聞きました。本当にできたてホヤホヤなんですよ。戦闘も迫力あるのできっと楽しんでもらえると思います」と続けた。
浅野さんの発言を受けて、作品の注目ポイントについて話していくことに。中村さんは、「『戦場のヴァルキュリア3』よりも前の作品のキャラクターたちも登場しますので、シリーズをずっとプレイしていた人には楽しんで見ていただけると思います」と、これまでの『戦場のヴァルキュリア』シリーズをプレイしてきたファンにアピール。遠藤さんは、浅野さんと同じく戦闘シーンを推していた。浅野さんは自身が演じるイムカの“デレシーン”を注目ポイントに挙げつつ、「音声が入っていないシーンにも注目してください。いろいろとこだわって作られています」と話していた。
続いて、ファンから寄せられた“お気に入りのセリフ・シーンは?”という質問に答えていくことに。遠藤さんは、前編でリエラが恋愛に関する迷信ではしゃいでいるところで、クルトに水を差されるシーンをチョイス。「リエラが「クルトって、そういう人だもんね」と、ちょっとオトナの余裕を見せるシーンです」と笑いながら言うと、浅野さんが「え? リエラめっちゃ怒ってたよね!?」とすかさずツッコミ! うなずく中村さんを横目に、遠藤さんは「だって、あれはクルトが悪いじゃないですか!」と、クルト攻撃に転じていた。
次に中村さんが「クルトが「作戦を説明する!」と言うシーンですね。とても『戦場のヴァルキュリア』らしいセリフでしたので」と言うと、会場からは納得するような声が。「あのセリフは、言った瞬間とても気持ちよかったですね~。先輩の皆さんに対してとても偉そうでしたが(笑)」と続けると、今度は会場から笑いが起こっていた。
浅野さんが選んだのは、イムカの「セブン(※クルトのこと)が言うことに間違いはない」というセリフ。「隊員に心を開いていなかったイムカの成長が見られるシーンなんですよ。これを聞いたクルトが何か反応してくれるかと思ったんですが、特に何もありませんでした!(笑)」と浅野さんが言うと、隣から台本をのぞきこんでいた中村さんも「クルトじゃなくてグロリアが反応してますね(笑)」と言いつつグロリアのマネをして、会場を笑わせていた。
残念ながら、ここで会場を後にすることになった中村さんは、来場したファンに「こうして皆さんの前に立つのは東京ゲームショウのステージ以来だと思いますが、これも皆さんのおかげです! ありがとうございました。今日は楽しんで帰ってください!!」とあいさつ。拍手に包まれながら声優陣がステージを降り、OVAの前編&後編が上映された。
ここからは遠藤さんと浅野さんに加えて、近藤信宏監督と演出を担当した三好正人さんが登壇。後編の感想や制作にまつわるウラ話を話していくことに。
▲左から遠藤さん、浅野さん、近藤監督、三好さん。 |
最初に感想を聞かれた近藤監督は「感無量ですね。でも続きが見たいなと思っちゃいました。今言うと制作スタッフがひっくり返っちゃうかもしれませんが(笑)」と笑いながらコメントした。
続いて遠藤さんは「リエラがヴァルキュリアの力を発揮するシーンがよかったですね。ゲームで見た時にもスゴイと思いましたが、これだけ大きなスクリーンで見ると、迫力が違います!」とうれしそうに感想を述べていた。浅野さんも「イムカがヴァールに砲弾を装てんするアクションがよかったですね。構えてダダダッと撃つだけじゃないところが、とてもリアルに感じました」など、戦闘のシーンにこだわりを感じたことを話していた。
2人の感想を聞いていた三好さんは、「リエラについては、ヴァルキュリアの力を出すまでの盛り上げ方と、力に対する葛藤をどう見せるかに注意しました。イムカの場合は、アクションもそうですが、笑顔の見せ方に苦労しましたね。完全に心を開ききっているわけではないので、セガさんとやりとりをしつつ今の形にしていきました」と振り返っていた。
またアフレコについてのエピソードも飛び出した。遠藤さんは「今回のアフレコを通して、『戦場のヴァルキュリア』というシリーズに参加する一員になれたと実感しました」と言い、実際に演技した時のことについては「緊張感よりも、ネームレスの皆とかけあいできるうれしさのほうが強かったです」とコメントした。
浅野さんはアフレコについて「ゲームでは1人でアフレコしていましたが、OVAのアフレコ現場はスタジオがぎゅうぎゅうになるくらいの人数でした。ネームレスの空気感や、各キャラクターの距離感を感じられたことが興味深かったですね」と語っていた。
ここで近藤監督たちに制作時に苦労したポイントやウラ話を聞くことに。「思っていた以上に爆発が多くて苦労しました。こんなに爆発している作品は近年では少ないでしょう」と、爆発シーンが大変だったと明かした。なぜ爆発シーンが大変なのかという疑問に、監督は「爆発って、描いても描いても終わらないんですよ。申し訳ないと思いながらもアニメーターさんに「もっと破片入れてくれ」と注文したり」と説明。また「すまなく思う一方で、おかげでこれだけ爆発している作品になったので、それはそれでよかったと思います(笑)」とにこやかに語っていた。
続いて三好さんは、「本作には、自分の好きな兵器のことを“娘”と呼ぶキャラクターが登場しますが、実はこれ、監督と話し合っている時に生まれた設定なんです」というウラ話を披露してくれた。
その後、ここでもファンからの質問に答えていくことに。遠藤さんと浅野さんに向けた“クルトのような男性はどうですか?”という質問に、遠藤さんは言いにくそうにしながら「声が……ステキ……です」と解答。どうやらこれは中村さんにお願いされた答えだったようで、浅野さんも一緒になって「コエガ、ステキ、デス」と機械音声のようにクルトの魅力を語り、会場を笑わせていた。
笑いがひとしきり収まったところで、遠藤さんはクルトについて「寡黙(かもく)だけど、実はみんなのことをいろいろなことを考えてくれていて、評価は高いです。好きなタイプですね」とまじめにコメント。浅野さんは最初クルトの魅力を語っていたのだが、最終的に「ダハウがカッコイイです!!」という結論に落ち着き、またも会場を笑わせていた。
遠藤さんと浅野さんがクルトをどう思っているかが明らかになったところでトークは終了。プレゼントの抽選会を行い、イベントは幕を閉じた。
(C)SEGA/PROJECT VALKYRIA3
■OVA『戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡(じゅうそう)』
【スタッフ】(※敬称略)
原作:セガ
監督:近藤信宏
脚本:大野木寛
キャラクター・デザイン:只野和子
音楽:崎元仁
制作:A-1 Pictures
制作協力:ブリッジ
【キャラクター&キャスト】(※敬称略)
クルト・アーヴィング:中村悠一
リエラ・マルセリス:遠藤綾
イムカ:浅野真澄
グスルグ:桐本琢也
ダハウ:山寺 宏一
リディア・アグーテ:久川綾
ジグ:入野自由
ウェルキン・ギュンター:千葉進歩
アリシア・メルキオット:井上麻里奈
イサラ・ギュンター:桑島法子
ラルゴ・ポッテル:江川央生
ロージー:豊口めぐみ
マクシミリアン:福山潤
セルベリア・ブレス:大原さやか
他