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2011年7月22日(金)

丹精込めて育てた悪魔たちと強敵を倒す快感! 『デビルサバイバー2』プレイレポ

文:電撃オンライン

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■殺るか殺られるか!? サバイバーなバトルは緊張感全開

 戦闘システムは、リーダーとなる悪魔使い1人+使役する仲魔2体で構成されているチーム4つをマップ上にうまく配置し、敵チームに攻撃を仕掛けていくというのが基本的な流れになります。攻撃を仕掛けるとコマンドバトルに突入します。バトル時は、それぞれのキャラクターが1回ずつ行動すれば終了。ただし、戦闘でイニシアチブを取っているキャラには、エクストラターンという余分に1回行動できるターンが設けられることもあるという寸法です。『真・女神転生3』に近い感じですね。

 こう書くと、シリーズ未経験の人には複雑そうに見えるシステムですが、実際に1回プレイしてみるとすんなり頭に入ってくるぐらいシンプルなので、その辺りの心配は無用です。『メガテン』シリーズといえば、玄人向けともいえるような難易度の高さで知られていますが、『デビルサバイバー2』もその例に漏れません。序盤こそ適当にプレイしていても敵チームを撃破しまくれるのですが、中盤以降になると敵が悪魔のような強さを発揮してきます(実際に悪魔なんですけど)。敵の弱点を的確に突かなければ有効打を与えられませんし、逆に相手がこちらの弱点をガンガン突いてエクストラターンを狙ってきたりします。エクストラターンの発生で攻守入り乱れるテンポの良いバトルが楽しめます。テンポといえば、1つのバトルも10~15分程度でサクサク遊べるところもポイント。

『デビルサバイバー2』 『デビルサバイバー2』

 また、弱点を突いたからといって安心できないのもこのゲームの特徴。「今なら仕留められるぜ! ヒャッハー!」と攻撃を仕掛けたら、ランダムで2~5回攻撃の“氷の乱舞”で全員動けなくなって一方的に殴られたり、リーダーを狙った“暗殺拳”を連発されてチームが瓦解したり、“ペトラアイ(石化)+ザンダイン”のコンボでメンバーがガンガン即死したり。とにかく相手の特徴を見極めてないと、キャラクターが簡単に死んでいきます。「どうせなら“死に顔動画”でその辺りまで見させてくれよ!」と言いたくなることも少なくないはず……。

 そして、ボスキャラに関してはさらにデンジャラス! 前述のセプテントリオンは、長距離射程を持っていたり、攻撃をすると分裂したり、複数体でセットだったり……とそれぞれがさまざまな特徴を持っており、戦術をしっかり練っておかなければ苦戦は必至。場合によっては、ボスの弱点属性を持った悪魔を作るといった下準備も必要になってくるでしょう。

 幸い、本作ではフリーバトルを利用すれば経験値を稼いでチームを強化することができます。初心者の方でもフリーバトルでレベルを上げれば必ず勝利できるのです。逆にいえば、フリーバトルを使わないで進めるのはなかなかハードなので、ここはじっくりと戦術を練りながらマッカを稼ぎ、オークションで買った悪魔を合体に駆りだしてほしいという開発者の愛(?)をくんでおきましょう。育てまくって愛着のある悪魔たちと強敵を倒した時の喜びはひとしおですよ~!

 中盤以降でマッカに余裕が出てきた人には、本作からの新システム“悪魔全書”の利用もオススメ。やや高額ですが、育成した状態で登録しておけば、成長した状態の悪魔をいつでも呼び出せるので、合体の材料や臨時の戦力が欲しい時に重宝します。登録した悪魔の説明も見られるので、出典元に興味がある人にもうれしいはず!

『デビルサバイバー2』 『デビルサバイバー2』

■今描くには困難なテーマ──だからこそ感じられる意欲

 今まで語ってきた要素以外で注目のポイントを挙げるとすれば、やっぱり楽曲。デザインや演出の面でも従来の『メガテン』シリーズにないチャレンジを感じさせる『デビルサバイバー2』ですが、BGMで伊藤賢治さんを起用したのもその1つだと思います。伊藤さんといえば『ロマンシングサ・ガ』シリーズや『聖剣伝説』シリーズでの“イトケン節”漂う戦闘曲が印象的ですが、同時に「『メガテン』にマッチするのか?」と疑問を抱いている方もいるかもしれません。ですが、これが予想以上にピッタリでビックリするはず! 特にオープニングの歌曲はどことなく憂いを帯びた、それでいて疾走感のあるメロディで必聴の価値アリです。

 演出、デザイン、楽曲と旧来の『メガテン』シリーズとは一味違ったアレンジを加えつつも、本流からは外れないハードな内容で楽しませてくれる『デビルサバイバー2』。最後になってしまいましたが、“未曾有の大惨事から生き延びる”というテーマで作られた本作を発表するのは、スタッフにとってもいろいろと葛藤があったのではないかと思います。架空世界の災害とはいえ、目を覆うようなリアルな描写も出てきますし、ライフラインが断絶し、極限状態に陥った日本の様子は、人によっては刺激が強いかもしれません。ですが、あえてそういった惨状を美化せずに描き、最終的には“希望を持って前向きに生きる人間の姿”へと導いているのがこの作品のポイントでしょう。迫りくる危機を乗り越えて立ち向かっていかなければならないのは、ゲームも現実も一緒なんですよね。

 もっともゲームの世界で戦い過ぎると大変なことになる恐れがあります。ただ今、僕も未曾有の大惨事(原稿の締め切り)に襲われて大ピンチ(苦笑)。難しいがゆえにハマりやすく、しかもマルチエンディング……とスルメ要素の存分に詰まった本作ですが、現実を見失わない程度に悪魔たちとヨロシクやっていきたいものです!

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