2011年9月23日(金)
電撃文庫の作家陣によるメールインタビューをお届けしていく“Spot the 電撃文庫”。第6回となる今回は、『バベル』を執筆した中田明先生のインタビューをお届けしていく。
▲ひと和先生が描く『バベル』の表紙イラスト。 |
本作は、国家としての形を保てなくなり、連邦制が敷かれた日本を舞台に、ハッカーお嬢様や元マフィアの少年、キザな探偵、暴力治安官、不良シスターなど一筋縄でいかない人物たちの波乱に満ちた1日を描いたブラックコメディ群像劇だ。クリスマスの喧噪(けんそう)の裏で起こった国家規模の誘拐事件と盗難事件に、さまざまな理由で首を突っ込むことになった彼らの物語が展開していく。
そんな本作でデビューを飾った中田先生にさまざまな質問をぶつけてみたので、ぜひチェックしてもらいたい。
――『バベル』を書いたキッカケを教えてください。
設定だけで終わった某作品を自分なりに完成させたいとか、日本版の『ラム&クール』シリーズを書きたいとか、何かの賞に応募して賞金をもらいたいとか、他にもいろいろあったと思うのですが、すっかり忘れました。内容にも反映されていないと思います。賞金も取れなかったですし。
――『バベル』とはどんな作品なのか、説明していただけますか?
名探偵と女怪盗他、近未来という設定なわりにレトロな無頼派野郎がたくさん出る、にぎやかな話です。
――作品を書く上で悩んだところはありますか?
作中の時間調整です。
――執筆にかかった期間は?
長すぎて思い出したくありません。のんきに書いていて、できあがった時に何かの賞に応募しようと思っていたのですけれど、ついダラダラして何カ月も放っておいたりして。改稿期間もダラダラ長くなってしまいました。
――本作でお気に入りのシーンはどこですか?
ラストシーンですね。
――本作の主人公について聞かせてください。
改稿途中で、主人公ではなかったキャラクターが主人公に格上げとなりました。さらに途中で別人になりました。“クソメガネデブ”な男が、ショタっぽい少年に。ヒロインは年下ながらその少年の雇用主であります。
――小説を書く時に、特にこだわっているところは?
今作に関していえば“テンポの抜け具合”。意味がよくわからないかと思いますが、自分でもうまく説明できません。
――アイデアを出したり集中力を高めるためにやっていることはありますか?
締切ギリギリまで待つ。ただ失敗することもあり、その場合大変危険ですのでなるべくやらないようにしています。
――執筆中にあったおもしろいエピソードなどはありますか?
書く合間に小刻みに睡眠を取ることが多かったせいか、短い、なんでもないような夢をよく見ました。窓の外にクモが巣を張っていたので窓ガラスを叩く夢や、洗面台が汚れていたので掃除する夢とか。
――今後の予定について教えてください。
書く場があるのなら書きたいです。また、いつも“一行先は闇”という感じで書いていますので、どうなるやらわかりません。
――現在注目している作家・作品は?
最近の作家だと紺野キリフキさんなどです。
――高校生くらいのころに影響を受けた人物・作品は?
影響受けたかどうかはわかりませんが江戸川乱歩は高校生で全部読みました。
――小説を書こうと思ったキッカケはなんですか?
パソコンを買って、いろいろいじっているうちに。
――初の商業作品というところで、その感想は?
当然ながら自分の好き勝手にやるだけではダメなので大変でした。あと専門用語が覚えられない。
――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください
『パックマン』。しかしあれは同じミスを何度も繰り返してしまうタイプのゲームですね。敵の中では赤い奴が特にしつこい気がします。
――今後、どういった作品を発表していきたいですか?
取っつきやすく読みやすくなおかつディープなところもある作品を。
――それでは最後に、このインタビューを読んでいる皆さんへのコメントをお願いいたします。
ミステリー・サスペンスもどきな話ですが、どなたでも読めるかと思いますので、気軽に手に取って読んでもらえれば。
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表紙イラスト/ ひと和
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