“ゲーム屋さんがえらんだ良作！”9月は『謎惑館 ～音の間に間に～』!!

文：電撃オンライン

　全国のゲーム屋さんが毎月1本、実際に遊んでみて「これはおもしろい」というゲームを選ぶ“ゲーム屋さんが選んだ良作！”。9月の良作に選ばれたのは、立体音響をアドベンチャーに取り入れた3DSの意欲作『謎惑館 ～音の間に間に～』でした。今回も本作について、ライター・田下広夢氏が語ります。

●思わず後ろを振り返る
　立体音響のゲームが3DSに登場

　ニンテンドー3DSと言えば裸眼立体視が特徴のゲームハードですが、今回ご紹介する『謎惑館』は、目で見る映像だけでなく、耳から聴く音も立体的に感じられるという不思議なゲームです。立体音響というものがどういうように聞こえるのか、文字で表現するのはなかなかに難しいのですが、思わず後ろを振り返る、というのが一番わかりやすいかもしれません。普通ゲームをプレイしていて、キャラクターの後ろで何かガタッと物音がしても、それはゲームの中の出来事だとわかります。しかし『謎惑館』では、ガタッと音がした時に、思わず家の中で何か物音がしたんじゃないかと勘違いして、振り返ってしまうことがある、そんなリアリティを、音に持たせているんです。

●膝枕（ひざまくら）で耳もとの声？　後ろから迫る化物の気配？
　ちょっとエロくて結構コワイ、大人の絵本

　『謎惑館』は、基本的には攻略的な要素はほとんどなく、お話を楽しみながら、ときどきタッチペンやマイクを使って、そのお話に干渉できるというゲームです。ジャンルは立体音響アドベンチャーとなっていますが、インタラクティブな絵本、と言った方がしっくりくるかもしれません。

　絵本、と言いましたが、子ども向けの内容かというとそうではなく、むしろどちらかと言えば大人向けのストーリーがかなり入っています。例えば、ちょっとエッチなお話や、それから思わずゾクゾクっとするようなコワイお話。というのも、立体音響の演出というのはそういうのに向いているんですね。

　例として、膝枕をして、耳かきをしてくれるお姉さんがいるんです。画面は主観視点、つまりお姉さんの膝の上です、3DSに内蔵されているモーションセンサーのおかげで本体を傾けると視点も動いて、下を除くとそこにはあらわな太ももと、際どい部分がチラッ……というところで、耳もとで聴こえるお姉さんの「んもうっ」というセリフ。立体音響の素晴らしさを存分に堪能できるというわけです。

　他にも、コワイシナリオもかなり入っていまして。恐怖の演出というのも、やっぱり音って大事ですよね。暗闇の中、得体の知れない化物が後ろから追ってくる、言葉で書いてもそんなに怖くないですけど、視界のない中で音だけがリアルに迫ってくる感じはかなりゾクゾクッとくるものがあります。

　もちろんエロいとか、コワイだけじゃなく、線香花火を楽しむとか、子どもと音楽のレッスンとか、いろいろ入っていますので、その点はご安心を。

●まずは、ニンテンドーeショップで
　1話だけも試してみては？

　謎惑館は、意欲作ではありますが、攻略要素的なものがあまりなかったり、シナリオも尖っていて本当に怖かったりするものもあり、かなり人を選ぶソフトだと思います。立体音響で楽しむ大人の絵本という、今までにないゲーム体験に大満足の人もいれば、もうすこし自分で謎を解き明かすような要素を期待していてがっかりしてしまった、なんて人もいるかもしれません。

　興味はあるけど、自分には合うかな、と思った方にぜひオススメしたいのが、ニンテンドーeショップの利用です。実は、謎惑館の第1話だけが200円でダウンロード販売されているんですね。実際に遊んで、ゲームのテイストが気に入ったらソフトを購入してみてはいかがでしょうか。万が一ソフトが気に入らなくても、立体音響を使ったゲームがどんな風になるのか、200円で試せるのはなかなかいいんじゃないかと思います。

実際の販売店での“良作ゲーム”コーナー例

　販売店での展開の一例。各お店の写真は8月の良作『inFAMOUS（インファマス） 2』（PS3）の店頭展開のもの。

▲【神奈川県/TVパニック 鶴見駅前店】18歳未満には販売しないというZ指定の意味をPOPで解説。販売促進と同時にこういう地道な周知活動をしていくことも、大事です。		▲【岡山県/メディオ！ 沖新店】『inFAMOUS 2』の魅力が凝縮した簡潔な1枚。ガッツリプレイした人が書いているって感じがします。

▲【愛知都/ふぁみーず 西尾シャオ店】カオスな電撃ネタで攻めたコーナー。巨大なZ指定のマークも含めて、なんとも言い難い迫力。		▲【愛知県/ファミーズ 笠寺店】多彩なキャラクター、深みのあるシナリオまでしっかりと伝わる、実に丁寧なコーナーになっています。

(C)CAPCOM CO., LTD. 2011 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)2011 Sony Computer Entertainment America LLC. Developed by Sucker Punch Productions LLC.

データ