2011年10月27日(木)
東方国家群『オリエンス』を舞台にしたクリスタルをめぐる国家間の争いを、若者たちの視点で描くRPG『ファイナルファンタジー零式』。まずストーリー部分の感想ですが、1人の主人公にスポットを当てた成長物語ではなく、国家間の戦争に巻き込まれた若者たちの生き様を描く群像劇、という作風がとっても新鮮でしたね。
クール、マジメ、積極的、消極的、努力家、自信家、天然さんなどなど、物語の中心で活躍する14人の若者たちの性格も個性豊かで、プレイしてみると自分に似たキャラが見つけられるかも! キャラといえば、それぞれの声を担当する声優さんが超豪華な点も見逃せないところ。
性格で選ぶか、声で選ぶか、武器やアクションで選ぶか……? かなりの悩みどころになりますし、誰が好みかを友だちと話し始めると止まらなくなりそうです。
▲豪華声優さんたちの熱演もあって、緊張感のあるストーリーが楽しめます。もちろんイベントはすべてフルボイス! | ▲戦闘によって命を落とすキャラも……。ストーリーの内容については言えませんがとにかく波乱の連続で、最後の最後まで目が離せない展開です。 |
ゲームは魔導院を拠点とし、与えられたミッションをこなしていく形で進行します。魔導院には0組(クラスゼロ)の教室をはじめ、敵国の攻略作戦の立案をする軍令部、武器や防具が購入できる武装第六研究所、魔法の強化が行えるアルトクリスタリウム、院生たちが休息をとるリフレッシュルーム、それにチョコボを飼育しているチョコボ牧場などがあり、自由に移動することができます。
内部を歩き回ると1人の学生として魔導院で生活しているような雰囲気が味わえてイイ感じ。ですが作戦当日になるとサイレンが鳴り響いてBGMが変わり、緊迫感が急上昇します。平穏な時間から戦争へ……、この切り替わりの演出が好印象です。
あと魔導院の出口からアクティブワールドマップ(戦場)に出撃するとき、通路にいるサブキャラとすれ違うと「がんばれよ!」とか声をかけてくれるんですよ。このひとことで、ヤル気が出るから不思議。細かい演出ですがこちらも新鮮でした。
▲頭上に『係』『!』『頼』といったキャラに話しかけると、アイテムが購入できたりイベントが発生します。見逃すことはないでしょう。 | ▲アルトクリスタリウムでは、戦場で入手したファントマを消費して魔法を強化することが可能。これによって、魔法がより扱いやすくなります。 |
戦闘は3Dフィールドを舞台にしたリアルタイムのアクションで展開。全14人のプレイヤーキャラから3人を選んでパーティを編成し、そのうちの1人を操作して戦いを繰り広げていきます。
14人のプレイヤーキャラはそれぞれ使用する武器が異なり、それによってアクションパターンもまったく違います。遠距離攻撃タイプと近距離攻撃タイプがいますので、ひと通り触ってみて自分に合ったキャラを選びましょう。
そのほか戦闘関連の要素のなかで注目なのが『キルサイトシステム』。これは敵のスキをサイト(照準)で表示するので、キルサイトが表示されたときに攻撃を当てると敵を一撃で倒すことができます。この爽快感はマジでクセになりますね!
もちろん手数で押して倒すこともできますが、キルサイトなら武器の攻撃力が低くても一撃なのがうれしいところです。攻撃前だったり攻撃後だったり、キルサイトが表示されるタイミングは敵によって違いますので、それを見つけるのも楽しみの1つになっています。
▲赤色の照準がキルサイト。出現する時間は短いですが、それを予測して攻撃するのが楽しい。連続で決まるとサクサク戦闘が進みます。 | ▲キャラごとに武器、アクション、得意な魔法などが異なります。ケイトはファントマの吸収時などに靴下を直すんですけど、この仕草にドキッ! としたり。 |
そのほか戦闘関連の要素では『S.O..(スペシャルオーダー)』が見どころですね。これは魔導院から送られてくる特別な指令で、引き受けて失敗すると戦闘不能になるというキビシイもの。
この要素があるおかげで、戦闘にまったく別の緊張感が生まれ、よりスリリングに楽しめるようになっています。成功すれば特別報酬がもらえますので、尻込みせず、ガンガン挑戦してみてください。
もう1つ戦闘関連では『軍神(召喚獣)』が魅力的ですね。実行すると召喚したキャラは戦闘不能になってしまうんですけど、1人分の命を使うだけあって、軍神たちの戦闘能力はかなり凄まじいです! プレイヤーが操作して攻撃できたり、成長要素もありますので、1つの攻撃手段として利用してみてください。
▲大事な場面では受けないほうが無難!? いやいや大事な場面で送られてくるS.O.だからこそ、報酬はイイものが? ぜひ引き受けて成功させてほしい。 | ▲アクション形式で召喚獣を自分で操作できるのがウレシイですね。使用する技もダイナミックに仕上がっているので見どころたっぷりです! |
14人のプレイヤーキャラを極めるだけでも楽しいですし、それぞれの要素も遊びごたえたっぷり! さらに2周目以降のプレイで体験できる要素も用意されていますので、PSPの作品ながらも腰を据えて遊べる充実ぶりです。
また最大3人でマルチプレイもできますので、友だちと情報交換をしながら隅々まで楽しんでください(電撃PlayStation 担当ライター Z佐藤)
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