「抜け殻になるぐらい頑張りました」──ドラマCD『零の軌跡 レン物語』出演陣にインタビュー！

文：電撃PlayStation

　ドラマCD『英雄伝説 零の軌跡 レン物語 ～陽光のぬくもりに抱かれて～』が、12月14日に3,150円（税込）でキャラアニから発売されます。

　このドラマCDは日本ファルコムのPSP用RPG『英雄伝説 零の軌跡』をもとにしたもので、『空の軌跡』シリーズからの登場キャラクターであるレンを中心に物語が描かれていくことに。

　今回、本作の主要キャストにインタビューさせていただいたので、その模様をさっそくお伝えします！　お話しいただいたのはレン役の西原久美子さん、エステル役の神田朱未さん、ヨシュア役の斎賀みつきさん、エリィ役の遠藤綾さん、ティオ役の水橋かおりさん（以下、敬称略）。

　なおスケジュールの都合上、ロイド役の柿原徹也さんとランディ役の三木眞一郎さんは今回の取材には参加されていません。ですが作品にはバッチリ出演されていますので、ファンのみなさんはご安心を。

▲前列左から、遠藤綾さん、斎賀みつきさん、西原久美子さん、神田朱未さん、水橋かおりさん。後列左から、村上京さん、研出恵太さん、安西英美さん、佐藤朱さん、山本圭一郎さん、金子英彦さん、遠藤智佳さん、陰山真寿美さん、鎌田梢さん、大越多佳子さん。

――収録を終えた率直なお気持ちを教えてください。

西原：率直に言うと、抜け殻になっている……という気分です。

神田：じわーっとしたものが体の中に残っているようです。とにかく長い時間をかけてここまでたどり着いているので、（レンに）やっと出会えたその余韻が体の中に残っているという感じですね。

斎賀：とにかく全員に対して、よかったねという想いが強くて。小悪魔的な笑顔はあっても本当の笑顔を見せなかったレンですが、これから3人で暮らしていくことによって、きっと彼女が心から笑えるところを見られるんだと思うととてもうれしい気持ちで一杯です。

遠藤：私も見ていて聞いていてホッとしたというか、自分もうれしいなって思いました。キャストのみなさんにも長い月日があって、「こうして完結することができてよかった」とおっしゃっているのを見て、本当に長い時間をかけて作り上げてきたものがここにあるんだなと感じて素敵でした。

水橋：『軌跡』シリーズのファン代表です（笑）。『零の軌跡』のゲームをプレイしてレンちゃんの話に区切りがついたときに、ここは音で聞きたいと思っていたので非常にうれしかったです。

　やっぱりボイスがついて、実際に目の前で展開されると、私も演者として出ているはずなのにお客さんの気持ちといいましょうか、すごくホッとしました。

――レン役の西原さんにおうかがいします。今回の『レン物語』は、どのような内容なのでしょうか。

西原：とてつもなく深いですね。私は、ゲームをプレイしないので、レンにこんなに辛く重い過去があったということを全く知らなかったんです。今回の台本を読んで初めて知って、かなりショックでした。

　そこから、2人に出会ってだんだんと幸せになっていく過程をうまく出せたらなと……。その暗い部分をしっかり演じられなければ、その感動も伝わらないと思いますので、そのあたりを苦労しながら演じました。レンの暗い過去から未来へとつながっていく、そんなお話です。

――それぞれ印象に残ったシーン、もしくはセリフをひとことずつお願いいたします。

西原：最初、中盤、最後……全部です。

神田：最後の、手をつないで「離さないよ」と言うシーンが好きです。

斎賀：これに尽きると思うのですが、エステルが言った「捕まえた」。ずっと捕まらないって言っていたけど、じつは捕まえていたとか、そういったことを集約したひとことが、やっぱり「捕まえた」なのかなと。そこはやっぱり重要なんじゃないかと思います。

遠藤：難しいですけど、今までこうやって他のキャラクターとかけ合うということがあまりなかったんです。今回レンがしゃべったのを初めて聞いたんですけれども、すごく大人っぽい感じの子供という印象だったんですけど、マセてて。でも、泣き出しちゃうところとかはすごく子供で、やっぱり小さい子なんだなというところがたまらなく愛おしいと思いました。

水橋：レンちゃんって長い間誤解をしていて、「自分は捨てられた」と思っていて……。そして自分がいなくなった後に、親に新しい子供がいるってわかった時ってすごく複雑だったと思うんですよ。

　だけどやっぱりお姉ちゃんだったんだなというか、なんだかんだ言いつつ体が勝手に動いている。弟を守るほうへ守るほうへ動いていくっていうのが、この子は本当はすごく優しい子だったんだなっていう……そしてそれをエステルは最初からわかっていて。

　本当は優しい子なんだというのをエステルに見抜いてもらって、レンはあの結果になれて……。ずっと『軌跡』シリーズをプレイしていて、この結果に落ち着いて本当にホッとしました。よかったなと思います。言いたいことはまだまだありますけど、このへんにしておきます（笑）。

――最後にファンのみなさんへメッセージをお願いします。

水橋：ちょうど特務支援課と遊撃士の方たちがからむあたりの話ということで、そういう意味でもこのへんの話は前後がつながっているのでおもしろいなと思いました。

　あと、カシウスさんがヨシュアを拾って見つけて育てたのと同じで、エステルもレンのことを拾って見つけて育ててということはですよ？　今度はレンが誰かを見つけて拾って育ててあげる番なんだと思って、それが誰なのかというところまで追いかけてほしいななんて。

一同：おお～（感心）。

水橋：（笑）。そういう期待をさせる出来になっていると思いますので、みなさんもいろいろ考えてみてください。よろしくお願いします。

遠藤：『空』があって、『零』があって、『碧』があってと、繋がっている作品に出られるというのがすごくうれしかったです。広がれば広がるほどいろいろな、1人1人が広がっていって、いろいろな物語があるんだって、今日あらためて思いました。あと、（水橋さんを見つつ）このシリーズが好きな人は本当に好きなんだなというのも（笑）。

　見たい物語がいっぱい詰まっている作品なんだなというふうに思ったので、どんどん続けばいいなと思いました。そして、どんどん出演し続けられたらなとも思いました。

斎賀：レンのことをずっと見てきたみなさまにとっては本当に待ち焦がれた、そんな物語だと思います。これを聞いたら泣いたりもするでしょうけど、最後には必ず笑顔になれる作品になっていると思います。

　このシリーズは本当に長いスパンでやっていますけれども、お話がとてもしっかりしているので、どこを切り取っても素敵なお話が出てくるというそんな作品です。これからも『軌跡』シリーズということで、我々古参チームも出演し続けていきたいななんていうふうに野望を抱いております。

　新しいチームとともに頑張っていけたらなと思っておりますので、これからも応援をよろしくお願いします。とにかく『レン物語』、いいお話です。聴いてください。

神田：いつもインタビューを受けるたびに、このシリーズは何枚も何枚もCDを出してきたので、パズルが1ピース1ピースはまっていくような気持ちですというのを言ってきました。

　今回は『零の軌跡』シリーズではあるんですが、『軌跡』シリーズの最後の1ピースがはまって次の『零』につながっていったような、そんな気がします。私の中ではストンと落ちるものがあるというか、このレンの結末というのは完成形みたいな感じなんです。

　なので、とても気がかりだったことがやっと1つ埋まって、バトンを次のチームに渡すような気持ちで、すごく大切なドラマCDになったなという気持ちです。私も、今とてもホッとしています。素敵な1枚になったと思いますので、ぜひ聴いてください。

西原：私が抜け殻になってしまった作品です。本当に深い内容で、演じきれたかどうか自分ではわかりませんが、できることなら舞台の芝居のように……もっと熟考して、深く深く掘り下げて演じてみたかったと考えずにいられない内容でした。

　演じた私が内容をうまく生かせたか……とても心配ですが、抜け殻になるぐらい頑張ったので、とてもいい作品に仕上がっていると思います。ぜひみなさんに聴いていただきたいです！

――本日はありがとうございました。

⇒次ページにはさらなる新作ドラマCDの情報が!!

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