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2011年11月1日(火)

【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.1:メモリアル座談会(1) 1981~85年編】フロッピーディスクがカセットテープより高かった時代のお話です

文:電撃オンライン

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■隠された大宇宙の力を召喚して行う『ザナドゥ』のセーブ!?

おぬ 『ドラゴンスレイヤー』と『ザナドゥ』は、僕も名前を聞いたことがある超有名作品ですよね。

そみん 実はどちらもリアルタイムで遊んだことがないんですけど、どこがそんなにおもしろかったんですか?

編集Y そうだねえ、『ドラゴンスレイヤー』については、そもそもRPGというジャンル自体が珍しかったこともあって、キャラクターを成長させていくのがおもしろかったかな。昔のことすぎて、ちょっと覚えていないけど(笑)。当時はまだ“A・RPG”という言葉もなかったくらいだからね。

そみん 記念本のP.234に載っている『ドラゴンスレイヤー』の広告によると、“ロールプレイングゲームとアクションゲームがクロスオーバーしました。”というキャッチコピーが使われてますね。

編集Y 懐かしいねえ。“ニュータイプ リアルタイム ロールプレイングゲーム”なんてキャッチフレーズも使われていた覚えがあるよ。

おぬ どんなジャンルなのか想像がつきません(笑)。

編集Y 個人的には、『ドラゴンスレイヤー』よりも『ザナドゥ』のほうが熱中したね。キャラクターの育成の自由度が高くて、装備品や魔法に熟練度の概念もあったりして、何回も何回もクリアしたもんだよ。

そみん ちなみに今回の記念本で『ザナドゥ』の記事を担当したライターは、エンディングの画面写真を撮影するために、1週間くらいかけてクリアしてました。

編集Y なんと(笑)。隠しネーム(主人公に特定の名前をつけると、強い状態や強い装備品を持った状態で遊べる隠し要素)を使ったんだよね?

そみん いえ、隠しネームを使ってクリアしたことが読者にばれると恥ずかしいと、自力でクリアしたとのことです。

編集Y このご時世にガチプレイ! いやあ、全盛期のオレならもっと早くクリアできたと思うけど、今はもうクリアできないかも(笑)。敵の出現数とかが決まっているから、適当に遊ぶと装備品の熟練度が上げられなくなってハマったりするし。あ、さすがにセーブは裏技を使ってやったのかな?

そみん ええ、さすがに裏技を使わないと厳しいと。

おぬ ? セーブが裏技なんですか?

編集Y 当時のゲームは、そう手軽にセーブできないものも多かったんだよ。今じゃ考えられないだろうけど。

そみん 記念本の設定用語集に掲載しているので、ちょっと引用しますね。まず、『ドラゴンスレイヤー』の“セーブ”ですが、「いわゆるデータセーブだが、本作ではそれが最高の魔法とされており、経験値が5万点必要となるうえに、セーブを行うと経験値を25%消費してしまう。なんとも時代を感じさせる設定だが、当時のゲーマーはこういった難易度のゲームをクリアしてきたのである。」とのことです。

おぬ うは。セーブが魔法扱いで、経験値が減るなんて!

そみん で、『ザナドゥ』のセーブは、FM-7版のマニュアルによると「隠された大宇宙の力を召喚し、キャラクターを絶対原子に分解し、ディスケットに封じ込める、最も偉大な魔法」らしい。なお、セーブ時には100ゴールドが必要だが、すぐにリセットして再開すればゴールドが減らない裏技がある。」となっています。

おぬ 大宇宙の力を召喚って、話がでかすぎです(笑)。セーブするだけでもひと苦労だったんですねえ。

編集Y ちなみに『ザナドゥ』は、ゲーム業界のメディアミックス展開の先がけとなった作品としても有名だったりする。

そみん 記念本のP.438のコラムでも書かれていますね。

▲人気シリーズの発売当時や、日本ファルコムの歴史を振り返るコラムも掲載。

編集Y 今では当たり前だけど、ゲームの音楽のサウンドトラックやコミック、アニメといったメディアミックス展開は、すべて『ザナドゥ』が初めてだったわけだからね。

おぬ 『ドラゴンスレイヤー』が初めてじゃないんですか?

編集Y 『ドラゴンスレイヤー』の時はゲームブックだね。サウンドトラックやコミック化の流れは『ザナドゥ』の時に初めてできて、それを機に広まっていった感じだね。

そみん 子どものころに『イース』や『ソーサリアン』のコミックを読みました。ちなみに、今回の記念本には、かつて『イース』のコミックを描いていた羽衣翔先生の記念イラストも掲載しています。

編集Y 懐かしすぎる!

そみん さて、次回の座談会は1986~1990年を振り返る予定です。1987年には『イース』や『ソーサリアン』、1989年には『ドラゴンスレイヤー 英雄伝説』が発売されるなど、人気作品が次々と発売された5年間となるので、今回以上に長くなりそうな気が……。

編集Y 1980年代後半の日本ファルコムは、特に神ゲーを連発していた黄金時代だと思うからなあ。座談会の前に記念本を読んで、いろいろ思い出してくるよ。

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データ

▼『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』
■発売:アスキー・メディアワークス
■発売日:2011年11月8日
■定価:4,935円(税込)
※B5判640ページ
 
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