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2011年11月4日(金)

【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.3:メモリアル座談会(2) 1986~90年編】『イース』や『英雄伝説』が誕生したPC-8800シリーズの黄金期

文:電撃オンライン

■PCを持っていないのにPCゲーム雑誌を買っていた時代

そみん この時代の僕は中学生くらいでしたが、自分の家にPCがなかったので、ファミコンやPCエンジンでゲームを遊びまくってましたね。PCゲームは、友人の家で『ソーサリアン』を遊ばせてもらってました。でも、実はまだ日本ファルコムというゲームメーカー名は意識してなかったんですけどね。ファミコンの『イース』もクリアしてましたが、それも開発会社は意識しておらず、単純に音楽がかっこいいゲームだと思ったぐらいで。

編集Y じゃあ、そみんが日本ファルコムというメーカー名を意識し始めたきっかけはなんなんだ?

そみん 『英雄伝説I』なんですけど、そこに至るまでの説明はちょっと長くなります。

編集Y なんで長くなるの(笑)。

そみん PCを持っていなかった僕が、なんでPCゲームに興味を持ち始めたのかという説明が必要じゃないですか。先ほど『ソーサリアン』を持っている友人の話をしましたけど、それはあくまで友人の家でゲームを遊んでいただけで、PCに興味を持っていたわけじゃないんですよ。

おぬ じゃあ、何がきっかけだったんですか。

そみん それは小説の『ロードス島戦記』にハマったから。当時はまだ本格的なファンタジー小説は珍しくて、ゲームの世界を小説にしたような『ロードス島戦記』には、僕を含めた学校の友人は大ハマリ。この作品をきっかけにテーブルトークRPGという存在を知って、そのリプレイが連載されているPCゲーム雑誌の『コンプティーク』を買って、その『コンプティーク』に載っているPCゲーム情報を読むうちに興味が湧いてきたんです。

編集Y 当時のPCゲーム雑誌といえば、『コンプティーク』や『ログイン』、『ポプコム』や『Beep』を毎月買ってたな。

そみん こっそりと、ちょっぴりHな『テクノポリス』も買ってましたが(笑)。さておき、『コンプティーク』ではリプレイ感覚の攻略記事が多かったんですけど、『英雄伝説I』の記事がめちゃくちゃおもしろかったんですよ。追い詰めても追い詰めても逃げていくアクダムとか、ゲイルとローのケンカ腰の絡み合いとか、ストーリーを紹介するテンポがよくて、まるで自分がプレイしているかのようにストーリーを追っていったんですが、さすがにエンディングまでは載せてくれなかった(笑)。それでもう、結末が気になって気になって……。

編集Y 戦国SLGのリプレイもおもしろかったんだよなあ。『信長の野望』での四谷博士と秋葉原の対決とか、腹を抱えて笑い転げながら読んでたよ。

そみん 『戦国秋葉原伝』というゲームにまでなってましたよね(笑)。ええと、話を戻すと、そんなわけでとにかく『英雄伝説I』を遊びたいけどPCは高いということで、父親を拝み倒して比較的リーズナブルだったMSX2を買ってもらったんです。そのあたりのタイミングで、日本ファルコムという会社名をちゃんと意識するようになりましたね。

編集Y ということは、時期的に、そみんは『コンプティーク』で行われた『ソーサリアン』のシナリオ募集とかは読んでいないのか。

そみん 残念ながら、そうなんですよね。雑誌で追加シナリオを募集して、それを実際に『セレクテッド・ソーサリアン』としてゲーム化しちゃうんなんて、すごいですよね。後でバックナンバーを読んで、とても悔しく思いました。

▲『英雄伝説I』のストーリーを紹介するゲーム回想録。エンディングまで追ってます!

当時のPCゲーマーが振り返る“難しすぎるゲーム”の思い出→(3ページ目へ)

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データ

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