【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.8：記念本制作秘話（4）】数千点の画面写真をガチで撮影した日々

文：電撃オンライン

日本ファルコムの30周年を記念する特別企画の第8回。『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』（11月8日発売）の制作スタッフが、50タイトル以上のゲームのストーリーやシステムの紹介が詰まった“ゲーム回想録”の見どころを熱く語ります！

▲とにかくたくさんのシナリオを遊ぶことができた『ソーサリアン』の思い出も振り返ります！

■座談会参加メンバー

■床や足場を壊すボスは日本ファルコムの伝統かも？

そみん　今回は“ゲーム回想録”のコーナーを見ながら思い出話などをしていこうと思います。このコーナーはゲームのシステムやストーリーを振り返るもので、50タイトル以上のゲームについて紹介をしています。

編集Y　1983年に発売された『デーモンズリング』以降のタイトルを、ほぼ全部紹介しているんだな。ほとんどのゲームについてエンディングまで紹介しているけど、これってやっぱり、自力でクリアしたんだよね？

おぬ　ええ、もちろん。おかげでとんでもない時間がかかりました……。

そみん　以前の座談会でも話しましたが、『ザナドゥ』の担当ライターはエンディングの画面写真を撮影するのに1週間くらいかかってました。かくいう自分も、ゲーム内容を確認するために『スタートレーダー』をプレイした際、最終ボスを倒せなくて3日くらい詰まってました……。

おぬ　あれは、そみんさんのプレイの仕方が悪かったからですよ。初プレイなのに変なルートを進んだせいで資金が稼げないうえに、弱い武器ばかり買っていたから詰まったんですって。もちろん、そみんさんはゲームがヘタだからっていうのもありますけど（笑）。

▲日本ファルコム作品としては珍しい、宇宙を舞台にしたSTG『スタートレーダー』。

編集Y　PC時代のゲームは、力押しでクリアできないものが多かったからな。『ドラゴンスレイヤー』にせよ、『ザナドゥ』にせよ、ボスと初めて戦った際はほぼ必ず負けていたし。『ザナドゥ』のボスとか、相手のHPの高さを見て絶望することも多々あったよ。

おぬ　本当に今回の仕事は、僕を含めてライター陣からは悲鳴があがりまくってましたよ（苦笑）。昔のゲームほど、“強くてニューゲーム”みたいな要素がないわけですし、ガチで攻略しながら記事を作っていったわけですからね。PC版『ぽっぷるメイル』の最終ボスであるガイストレイスもめちゃくちゃ強くて、担当ライターが毎日のように数時間ぶっ続けで挑戦してました。本に掲載していない予備のものも含めて、確実に数千点の画面写真を撮影したと思います。

そみん　そんなに強いんだっけ？

おぬ　敵が床を破壊してくるから、戦いが長引くと足場がなくなってしまい、落下して死ぬんですよ。担当ライターいわく、最初は体当たりで戦っていたけど、それじゃ絶対に倒せないと作戦を練り直して、飛び道具であるブーメランを使うことに気付いたそうです。それでも全然倒せなかったんですが、何日も挑戦していたところ、投げたブーメランの軌道を任意に操作できることに気付いて、ぼう然としてましたね。誰か、もっと早く教えてくれよと（笑）。

編集Y　ああ、そこにオレがいたら教えてあげたのに（笑）。そういう細かい部分って、一度見落としちゃうとなかなか気付きにくいよな。

おぬ　結局、最終ボスの攻撃パターンをほぼ完全に読みきれるようになって、最終的にはノーダメージに近い感じで圧勝したそうです。

編集Y　その感覚はわかるなあ。オレも『イース』のダルク＝ファクト相手に、そんな状況になった覚えがあるよ。それにしても、『ぽっぷるメイル』の最終ボスといい、『イース』のダルク＝ファクトといい、日本ファルコムのゲームのボスって、なんだか床を壊す印象があるな。

そみん　『軌跡』シリーズのボスにも、床を壊して一撃死を狙ってくるのがいますよね。そう考えると、ある意味で日本ファルコムの伝統なのかもしれませんね。

▲左は『イースの』ダルク＝ファクトで、右は『ぽっぷるメイル』のガイストレイス。どちらも床を壊して攻撃してくる。

とにかくガチで担当ライターがゲームをプレイ！→（2ページ目へ）

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