2011年11月22日(火)
新作旧作問わず、さまざまなミステリー・ホラー・サスペンス系のアドベンチャーゲームを紹介していく“まり蔵探偵事務所”。今回は、PSP用ソフト『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生(以下、ダンガンロンパ)』の開発スタッフインタビューを、所長のまり蔵がお届けします。
『ダンガンロンパ』は、2010年11月にスパイクから発売された、推理アドベンチャーとアクションが融合した“ハイスピード推理アクション”ゲーム。不条理に満ちた世界観をポップなイラストと2.5Dモーショングラフィックという斬新な表現で描き、10万本以上を売り上げるヒットとなりました。11月23日にPSP the best版の発売が控えており、続編にあたる『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』も制作されています。
発売から1年がたち、グッズ、イベント、廉価版、続編とさまざまな展開を見せる『ダンガンロンパ』。本作について、プロデューサー・寺澤善徳さん、アシスタントプロデューサー・齊藤祐一郎さん、シナリオライター・小高和剛さんの3名に、改めてお話を伺いました。ここで初めて明かされる続編に関する情報もありますので、『ダンガンロンパ』のファンはぜひご覧ください!(インタビュー中は敬称略)
▲プロデュースグループ シニアプロデューサー・寺澤善徳さん。 | ▲プロデュースグループ アシスタントプロデューサー・齊藤祐一郎さん。 | ▲R&D プランニンググループ シナリオライター・小高和剛さん。 |
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
▲2010年11月に発売された『ダンガンロンパ』。10万本以上を売り上げるヒットとなった。 |
――『ダンガンロンパ』の発売から1年がたちましたが、この1年間のユーザーからの反応はいかがでしたか?
寺澤:今までのスパイクファンにはあまりいなかった方々に興味を持っていただきました。特にたくさんの女性ユーザーさんに遊んでいただけて、うれしい限りです。
小高:僕が尊敬しているクリエイターの方に反応していただけたのも、うれしかったですね。あと、ユーザーさんが口コミで広げてくださったのが、本当にありがたかったです。
寺澤:何を言ってもネタバレになるという勧めにくい作品にもかかわらず、ありがとうございました。
――販売本数10万本(ダウンロード版含む)を達成したとのことですが、当初の目標は何本くらいを想定されていましたか?
寺澤:当初の目標も10万本でした。ただ、オリジナルのアドベンチャーゲームということで、現実的には難しいと思っていました。ですから、時間はかかりましたが目標を達成できて感無量です。
小高:僕としては、実のところ数は気にしていなかったんです。スタッフとよく「3~4年くらいたって、あのゲームすごくおもしろかったよねって語り継がれる作品になりたいね」と話していまして。そんな“伝説のカルトゲーム”を目指していたんですが、自分たちがおもしろいと思ったものをおもしろがってくれる人が意外とたくさんいたんだなと、そこにビックリしましたね。
寺澤:開発の人間は、小高みたいな考え方でいいと思うんですよ。人を喜ばせたいとか、感動させたいとか、楽しませたいとか、語り継がれる作品を作りたいとか、そういう思いでゲームを作ってくれたらいいと思うんです。でも、プロデューサーはそういうわけにはいかないので、商品として売っていくためにどうすればいいのかすごく考えましたね。
――『ダンガンロンパ』を作り上げるために注力したことは?
齊藤:企画のコンセプトが“アドベンチャーを越えるゲームを作ろう”だったというのもありまして、開発から上がってくるものがとにかくすごかったんです。斬新といいますか、とがっているといいますか(笑)。それをより多くの人に手にとってもらうため、とがった部分を殺さないようにしつつ、柔らかくしていくことに注力しました。
寺澤:そうですね、ぼこぼこ枠からはみ出していくのをどう回収していくか悩みました。でも、とがった部分をなくしたら『ダンガンロンパ』ではなくなってしまうので、そこは開発スタッフに自由に作ってもらいました。
――発売後に、ユーザーから評判のよかったキャラクターは誰ですか?
小高:モノクマは別格として、腐川冬子の評判が高かったですね。声優の沢城みゆきさんの演技と相まって。
齊藤:圧倒的に人気を集めたキャラクターはいなかったと思います。意外と分散していましたね。しいて言うなら腐川ですが。
寺澤:大神さくらの人気も高かったですね。あんなに人気が出るとは思いませんでした。
▲腐川冬子(CV:沢城みゆき) | ▲大神さくら(CV:くじら) |
→次のページでは、『ダンガンロンパ』のイベント・グッズ展開について伺いました!
(2ページ目へ)
(C)Spike All Rights Reserved.
データ