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2012年1月11日(水)

『ルートダブル』キャラ紹介その1――開発陣のコメントとともにAルートの主人公・笠鷺渡瀬を紹介!

文:ごえモン

 イエティから3月29日に発売されるXbox 360用AVG『ルートダブル -Before Crime * After Days-(以下、ルートダブル)』。その登場キャラクターたちをピックアップして、毎週紹介していく。

 『ルートダブル』は、“infinity”シリーズや『I/O』などを手掛けたクリエイター・中澤工さんが原案・監督・プロデューサーを務める新作サスペンスアドベンチャーゲーム。重大な事故が発生し、9人の人間が閉じ込められた巨大研究所“ラボ”を舞台に、救助に奔走するレスキュー隊員と閉じ込められた高校生の少年の2つの視点で物語が進行していく。

 そんな本作に登場するキャラクターを、開発スタッフ数名のコメントとともに紹介する。第1回は、Aルートの主人公・笠鷺渡瀬をピックアップ! 中澤工さんやシナリオを担当した月島総記さん、キャラクターデザイン・みけおうさん、色彩設計・eco*さんのコメントや、設定画などをお届けする。

【笠鷺 渡瀬(かささぎ わたせ)】

『ルートダブル』笠鷺 渡瀬(かささぎ わたせ)

「命に換えても、オレは子どもたちとお前を助けるからな」

 市の依頼により、“事故”の現場・ラボへ急行したレスキュー隊の隊長。……だったらしいのだが、なんらかのトラブルに遭ったらしく記憶喪失中。記憶を失う前は、冷静で理性的な(悪く言えばドライな)性格だったらしいが、もちろん本人に覚えはない。

 Aルートは、ラボ内で彼が目が覚めるところから物語が始まる。状況は考えた以上に最悪だった。脱出路は閉ざされ、彼ら自身も絶体絶命のピンチ。決死の覚悟で、要救助者の捜索と脱出を試みるが、刻一刻と状況は悪化していく……。彼はこの超極限状態を切り抜けることができるか? そして、彼の記憶は……?

CV

新垣 樽助(インタビュー記事はこちら

年齢

32歳

誕生日

1997年9月22日(乙女座)

血液型

A型

職業

鹿鳴市消防局・特別高度救助隊“SIRIUS(シリウス)”
Aチーム隊長(階級:消防指令補)

性格

感情的でアクティブ。考えるよりも、まず行動。ロマンチスト。好奇心旺盛。仲間思い。前向きで楽観的。発想力に富むが、場当たり的。

知力

高い(ただし記憶喪失のため、知識は不足している)

体力

極めて高い

趣味

不明

好き

身内、有言実行、命の尊さ、ブラックコーヒー

嫌い

口先だけの人間、卑劣な行為、命を軽んじる言動、病院

エニアグラム

Type5“観察者”

キャラクターデザイン

みけおう

■中澤工さんのコメント

 カッコよくて頼りがいがあって、ガッツに満ちあふれているエネルギッシュなヒーローがほしくて設定を起こしました。インタビューでは「『Ever17』の倉成武みたいに」とコメントしましたが、レスキュー隊ならではのヒーロー像として、『め組の大吾』の主人公・大吾も参考にしています。『ポセイドンアドベンチャー』『タワーリングインフェルノ』『海猿』などなど、ディザスター作品に出てくるヒーローは非常にタフでカッコいいです。月島さんには、そういった“不屈のヒーロー像”を目指して渡瀬を描いてもらいました。どんなに過酷で絶望的な状況でも最後の最後まで諦めない、誰かのために死力を尽くして頑張る鋼鉄の男――それが笠鷺渡瀬です。

 笠鷺渡瀬。なんだかヘンテコな名前だなあ、と思われる方も多いと思いますが、きちんと意図があって命名しています。前髪に混じった一房の白髪も同様です。彼の役割……使命を暗示しています。それが何なのかは、ぜひプレイして確認してください。

 古い書類をひっくり返してみたら、みけおうさんに最初にお見せした企画案(※1)から、このキャラの原型は存在していました。設定は若干違っていて、隊長ではなく新人隊員でした。企画草案から引用すると、“レスキュー隊の新人隊員。体育会系。人情味あふれる熱血漢。バカではないが、すぐに感情に左右されて暴走しがち。若さ故の過ち多き人間。まだまだ経験こそ浅いが、人命救助にかける意気込みは誰にも負けない。今回の“ダブルユー(※2)”事故の救助チームに抜擢され、やる気に燃えている。”……渡瀬っていうか洵っぽいですね。これが企画内容とともにいろいろ変わっていって、今の渡瀬の設定へと練り込まれていきました。

※1……初期の企画案は2009年5月作成。内容が今と結構違うのですが、タイトルだけはすでに『ルート・ダブル(仮題)』になっていました(笑)。ほぼ現行の企画内容になったのは2009年11月ごろ。

※2……初期企画バージョンでの“事故が発生する舞台”の名称です。超々高層のインテリジェントビルに閉じ込められる設定でした。

■月島総記さんのコメント

 この物語を書くにあたって、中澤監督からこんなオーダーを受けました。

 「どんなに絶望的な状況下でも、人は諦めず、前に進む意思を持つことができる。
 隣にいる誰かを救うために、命を懸けることができる。
 そんな人間の尊い姿こそが、絶望を打開する、希望の光だと思います。
 それをこの物語の中に描いてください」と。

 この言葉は、『ルートダブル』という作品全体を貫くテーマとなりました。
 そしてそれを命がけで体現するのが、この笠鷺渡瀬という男です。

 渡瀬はおそらくこの物語の中で、もっとも過酷な運命を背負った男です。彼は記憶を失い、自分が何者かも忘れてしまったのに、レスキュー隊の隊長として“人命救助”の使命を与えられました。身に覚えのない使命ですが、渡瀬はそれを貫こうとします。記憶を失ってもなお、消えずに残ったその使命感は、彼の魂に刻まれた本能のようなものです。

 他人のために、己の身も顧みずに戦える男。“人の命を救いたい”という思いだけをよりどころに、傷ついた肉体を引きずり、歩み続ける孤高の英雄。それが鹿鳴市特別高度救助隊隊長・笠鷺渡瀬です。

 そんな気高く強い男を、私なりに全力で描きました。この作品をプレイしてくださった皆様の目にも、彼の姿が“希望”として映ることを、切に願っております。

→次のページでは、キャラデザラフやみけおうさん&eco*さんのコメントをお届け!

(C)イエティ/Regista

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