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2012年1月25日(水)

天才という表現はアレなので、あえて奇才と呼ぼう。そんなRucKyGAMESの最新作『Freedom Fishing』は、いつもと違う本格派?

文:電撃オンライン

【インタビュー】開発時の苦労をぶっちゃけ気味に聞いてみた!


――今日は、いろいろバリバリ聞いていこうと思いますが、一応、インタビューのお約束的なことから(笑)。『FF』って、そもそもなんで作ろうと思ったんですか?

RucKyGAMES 3~4年前にモバゲーとかGREEで釣りゲーのブームがあって、なんとなく釣りゲーを作りたいなと思ってました。で、自分はiPhoneのゲームを作っているわけだから、iPhoneの釣りゲーを作っちゃおうと。こうして作ることにしたんですけど、普通に釣りゲーを作ってもつまらないよ、魚を釣ったってさ……。今の時代、もっといいものがたくさん出てるんで、だったら釣れるものを魚じゃない何かにしちゃおうと。最初は魚が釣れないというか、まったく手に入らない仕様だったんですよ(笑)。でも、開発を進めていくうちに、魚が手に入ったほうがおもしろいのかなと思い始めて。だったら、ソーシャルゲームがよくやっている手法がいいかなと、フィッシュポンというガチャガチャで魚を入手する形にしました。最終的には、釣りをすることでアイテムやコインが手に入り、そのコインを使うことで魚を入手するという流れができました。徐々にそうなっていったというのが正しいですね。

――開発は3年ぐらいのんびりと?

RucKyGAMES 実際に形にし始めたのは、1年半前くらいからです。

――となると、普段のゲームよりも長い時間、開発していますよね?

RucKyGAMES 結構長かった。

――相当作り込んでますもんね。

RucKyGAMES 作り込みというか、アイテムや魚のグラフィックを用意するのが大変で。グラフィッカーさんにお願いして、徐々にグラフィックを揃えていったら、かなり時間がかかりました。

――長いスパンですね!

RucKyGAMES そこはまったりと。その間に何十本も別のゲームを作りつつ。

――ゲームを作るときって、グラフィックはグラフィッカーに発注しているんですか?

RucKyGAMES そうですね。基本的に外の人にお願いしています。今回は、いつもお願いしている人とは別の人に、もう完全に『FF』だけのために作業をしてもらいました。だから水面下で徐々に進めていった感じです。

――水面下と開発期間の長さが理由なのかもしれないけど、今までのRucKyGAMES作品が『FF』内にかなり収録されていますよね?

RucKyGAMES 釣りの部分(戦闘)は最初、1つだけだったんですよ。でも、それだけだと自分でプレイしていて飽きちゃって。簡単な戦闘というか、ミニゲームみたいなものってないかなーと考えたら、自分はミニゲームしか作っていないことに気づき、じゃあ、それを入れればいいやということで、ミニゲームを複数入れました。そのまま今までのソースを持ってくればいいので、すごく楽だったから、通常戦闘を含むと結果的に8つも入れちゃいました。

――収録するミニゲームの選定は、どういった基準で?

RucKyGAMES 魚とのバトルなんで、成功と失敗がしっかりあることが第一。それから、ゲームのルールが一瞬でわかるもの。あとは、非オリジナル系というか、「大富豪」や「七並べ」みたいなものは省いて、一発ネタ系をチョイス。あと、グラフィックを流用しやすいのと……簡単に作れるやつ(笑)。そんな感じ。

――簡単に作れるやつ(笑)。

RucKyGAMES そんなに難しいことをしていないんで。

――戦闘扱いになるわけだから、遊ぶ時間とかも考慮したのでは?

RucKyGAMES あんまり長いとキツイんで、そのあたりももちろん。あと、時期とかも一応。

――時期?

RucKyGAMES 最新のものは入ってないんですよ。あとは知名度かな。

――メジャーどころをなるべく多めに?

RucKyGAMES そう、多めにして。

――なるほど。ちょっと話を戻すんですけど、アイテムのグラフィックも、今までのソースからかなり引っぱってきてますよね?

RucKyGAMES 新規で作ったのが半分ぐらい。後半になると出てくるアイテムでは、ゲーム中のグラフィックをそのまま使っていたりもします。

――知ってます(笑)。

RucKyGAMES それが20~30%ぐらい。

――「ふつうのウキ」とか(笑)。

RucKyGAMES ゲーム中に何度も出てるじゃんってやつも積極的に(笑)。そういうものを使ってアイテムの数を増やして、残りはRucKyGAMES作品の過去素材から持ってきたり。ただ、ここでしか見られないグラフィックもいくつかあります。ちくアレイ系とか。実はこれ、ハドソンの人が趣味で描いたもので、元々のゲームでは使われていないグラフィックだったりします。もしかしたら、どこかで使ったかもしれないけど、『FF』ほどガッツリと使ってはいないんで。

――そんな細いレアなものも入っているとは(笑)。これらの解説文は自身で執筆されたのですか?

RucKyGAMES そうですね。じんわり。

――じんわり(笑)。

RucKyGAMES 書くのに困る。ボールペン系とか、書くことないですから。

――すごくがんばってるのと、ちょっとツラそうなものがありますね(笑)。

RucKyGAMES ツラいですよ(笑)。アイテムは結構気が楽なんですけど、魚とか、実在するものが一番ツラかったです。嘘をつけないんですよ、あんまり。

――ああ、そうですよね。

RucKyGAMES 間違ってるっていわれちゃうんで。1つ1つWikipediaでチェックしながら、これってこういう魚なんだって調べて、かなり面倒くさかったですね。

――面倒くさい(笑)。ちなみに、アイテムや魚の種類は「GALLERY」または「FISH」に表示されているものが全部ですか?

RucKyGAMES 現時点では全部になります。いずれ増やしていきたいとは思ってますけど、グラフィックが大変。

――そういえば、ステージは何種類あるんですか?

RucKyGAMES 4+1って表現してます。実際は5種類ですけど、5つめの「宇宙」は、おまけ的な感じなので。今までのステージで釣れるものが全部出るよっていう、手抜きな感じのステージです。

――手抜き(笑)。

RucKyGAMES 正直、ステージとそこで釣れるアイテムって、あまり関連させて考えてなかったんですよ。最初のほうはまだよかったんですけど、後半のステージでは、そこで釣れるものがそもそもなかったんです。牛丼チェーン店は、牛丼系が釣れるからステージとアイテムのつながりがあったんですけど、そういえば、火口って何もないなあと。宇宙も同様に何も考えてなかったんですが、グラフィックは作ってもらっちゃったんで、じゃあ入れようと。

――ゆるーい感じで(笑)。

RucKyGAMES ゆるーい感じで!

→ぶっちゃけ気味にゲームシステムの裏話を聞く!(6ページ目へ)

(C)RucKy

データ

■『Freedom Fishing』
■開発者:RucKyGAMES
■対応機種:iPhone(ダウンロード専用)
■ジャンル:ETC
■配信日:2011年12月16日
■価格:無料
 
『Freedom Fishing』のダウンロードはこちら(iTunesが必要)

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