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2012年1月25日(水)

チームから裏切り者が出現! 対戦中にルールが変わることも――劇的な状況変化が駆け引きと刺激を生む『NINJA GAIDEN 3』のオンライン対戦を体験

文:電撃オンライン

 コーエーテクモゲームスは、3月22日に発売するPS3/Xbox 360用ソフト『NINJA GAIDEN 3』のマルチプレイヤーバトル試遊会を、1月24日に開催した。

『NINJA GAIDEN 3』

『NINJA GAIDEN 3』

 『NINJA GAIDEN 3』は、2008年にXbox 360でリリースされた『NINJA GAIDEN 2』以来、久々となるナンバリング最新作。今作では、シリーズおなじみの主人公リュウ・ハヤブサの生き様を、アクションとストーリーの両面で表現するアクションゲームになるという。ストーリー面は、リュウ・ハヤブサの“人殺しの業”や“忍びの宿命”に悩む姿が描かれていくのが特徴。アクション面では人を斬り抜く感覚にこだわり、刀で骨を絶つ感覚の味わえる“断骨”アクションなど、プレイヤーが“刀で斬る”ことを体感できるような作品になっている。

 会場で試遊できたのは、マルチプレイヤーバトルが楽しめる“SHADOWS OF THE WORLD(シャドウ オブ ザ ワールド)”のクランバトルというゲームモードだ。クランバトルでは、基本的に4対4のチーム戦をプレイできるのだが、“忍者”の世界観を反映したさまざまな遊びが盛り込まれ、一般的な作品のチーム戦とは違ったプレイが体験できた。

 ディレクターの安田文彦さんとプロジェクトマネジャーの植田慶徳さんから話を聞くこともできたので、それとあわせてクランバトルをプレイした感想を掲載する。試遊には、キャナ☆メンが参加してきた。

『NINJA GAIDEN 3』
▲「他のゲームにないマルチプレイとして、要素をいろいろ詰め込んでいます(植田さん・写真左)」「マルチプレイを入れてほしいという声は多かったですが、恥ずかしくないものを入れることができたと思います(安田さん・写真右)」と会の終了時にそれぞれ話していた。

■“シャドウ オブ ザ ワールド”とは?

 “シャドウ オブ ザ ワールド”は、プレイヤーそれぞれが無名の忍者となり、リュウ・ハヤブサのような忍者になることを目指して戦うオンラインマルチプレイヤーバトルのモード。このモードを始めると、プレイヤーキャラクターはレベル1の状態から始まり、プレイを重ねてカルマ(経験値)をためることによって、さまざまなアクションを習得していく。それによってプレイの幅が広がり、最終的にはリュウ・ハヤブサ同士が斬り合うかのような激しくスピーディなバトルが展開するという。ちなみにクランバトル試遊会では、最初から全アクションが開放された状態でプレイすることができた。なお、プレイしたのはPS3版だ。

『NINJA GAIDEN 3』 『NINJA GAIDEN 3』
▲装束(服)、鉢金(はちがね)、防具(腕当て)、漢字といったパーツでプレイヤーキャラクターのカスタマイズが可能。鉢金は、額当てに限らず、お面や笠など、さまざまな種類がある。▲キャラクターの背中に描かれる漢字は、大きく描かれるだけでなく、リスポーンした際の演出にも使われる象徴的なパーツだ。植田さんによると、漢字にはかなりこだわっていて、種類が豊富でコレクション要素にもなるという。
『NINJA GAIDEN 3』 『NINJA GAIDEN 3』
▲クランバトルの対戦が始まるまでの待ち時間に、技表を見ながら操作テストが行えるのもうれしいポイントだ。

■裏切りもハラキリもある“忍者同士”だからこそのチーム戦!

『NINJA GAIDEN 3』

 ここからは、プレイの感想を交えてお伝えしていく。クランバトルをプレイしていて衝撃的だったのは、チーム内に裏切り者が発生したり、ハラキリという自殺アクションが行えたりしたことだ。クランバトルでは、画面右下に“密命”というプレイヤーごとに異なるミッションが表示されている。通常は特定のアクションで敵を倒せといった命令がくだされるのだが、時としてチームを裏切るようにと密命がくだされることがある。チーム戦といえば、仲間同士で息を合わせたチームプレイが勝利のカギだというのに、しかもボイスチャットにも対応しているゲームなのに、チームを裏切れと……? そんな命令、誰が聞くか!

 と思いきや、「裏切ればカルマが稼ぎやすくなります」という安田さん。試遊会ではレベルMAXなので関係ないものの、実際に自分が製品版をプレイしていたらこれは悩む……チームを取るか、レベル上げを取るか。“魔が差す”なんて言葉もあるし、見ず知らずのプレイヤーと一緒に遊んでいたら、構わずレベル上げを取る気もする。チームを裏切れば5対3の戦いとなって、勝ちやすくもなるし。

『NINJA GAIDEN 3』 『NINJA GAIDEN 3』

 ただ、裏切り者を倒せばキルポイントは通常の倍の2ポイントとなり、3人チームのみんなが裏切り者を狙うという状況が発生してしまう。5人チームにとっては、弁慶の泣き所といえる弱点なので、裏切り者はよくも悪くも戦いのキーマン。自然とチームの作戦も変化して、戦いの展開がガラッと変わるんじゃないだろうか。梟雄(きょうゆう)となるか英雄となるか、裏切ったプレイヤーにとってもかなり刺激的だろう。

 ちなみに密命の中には、“殺し合いの命”という、チーム戦が突然バトルロイヤルに変わる命令もある。「背中はまかせた!」と頼っていた仲間に、後ろからばっさり斬られるというわけだ。ルールさえ変わることがある諸行無常の中に、忍者の無情を感じる……。でも、チーム戦といえば最初から最後まで協力して戦うのが一般的な中で、時として状況が劇的に変化する“密命”はかなり新鮮。フレンド同士でプレイする際などは、密命のON/OFFを切り替えられるそうだ。

 ハラキリは、プレイヤーがひん死になった時に繰り出せるアクションで、切腹して自ら命を絶つ。その代わりに相手にキルポイントは渡らず、評価プレイの対象にもなる。相手に殺されてキルポイントを取られるより、チームのためにも自分のためにもなり、まさに“主(チーム)のためには死をいとわぬ”という忍者の誇りを表したアクションだ。ただし切腹が終わるまでのモーションが長く、その間に攻撃されればあっさりキルポイントを取られる。“あきらめ”には、それ相応のリスクがあるというわけだ。最後まであがくか、チームのためにハラキリするか、実際にプレイして死ぬ間際の駆け引きはかなり熱かった。

『NINJA GAIDEN 3』 『NINJA GAIDEN 3』
▲『NINJA GAIDEN 3』の特徴でもある“断骨”は、オンライン対戦時はボタン連打勝負となる。斬った側が勝てばそのまま斬り抜き、斬られた側が勝てばひん死で生き延びる。
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▲クランバトルは基本的に5分勝負。ひん死になった時点で残り数秒ならともかく、そうでなければ相手にキルポイントを渡さざるを得ないだろう。タイミングを見つけられればハラキリは有効だ。
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▲安田さんや植田さんによれば、密命による劇的な状況変化やハラキリといったアクションは、駆け引きを奥深くするだけでなく、“忍びの厳しさ”の世界観も表現しているという。

■一撃必殺の爽快感と駆け引き

 トランプでいえばジョーカーのような要素を先に挙げたが、クランバトル中に特別な状況が発生しなくても、アクションだけで十分に駆け引きは楽しい。今回プレイした“隠れ里”というマップは、道が狭く曲がり角が多い場所で、上れる建物が多い立体的なステージなのだが、そこで生かせるのがステルスやムササビダイブといったアクションだ。

『NINJA GAIDEN 3』 『NINJA GAIDEN 3』
▲隠れ里の風景。建物の屋根の上に登れるので、空中からの奇襲も有効。斬り合いが主体となるので、乱戦が起こりやすく、遠距離からの仕掛けは不意打ちになりやすいように思えた。

 ステージ中、弱めにスティックを倒すとキャラクターが歩き、ステルス状態となる。この状態から相手に気付かれず接近して△ボタンを押せば、一撃で相手を葬るゴーストキルが繰り出せる。歩くので相手に接近すること自体が難しいものの、曲がり角が多い隠れ里では、あわよくば一撃必殺を狙うこともできた。これは、決まればまさに忍者の醍醐味を味わえるような感じで、かなり気持ちがいい。

『NINJA GAIDEN 3』

 ムササビダイブは、空中を滑空(かっくう)して敵に迫るアクションで、すれ違いざまに△ボタンを押せれば、やはり一撃必殺ができる。非常にかっこよく、決められれば最高に爽快そうに見えたが、建物が多くて狭い隠れ里だと、ちょっと当てるのが難しかった……というか一度も当てられなかった。単にヘタなだけかもしれない。ただ安田さんによると、「広くて見通しがいい、ムササビダイブをバンバン決められるようなマップもありますよ」とのことだ。また、マップはいろいろな地形があるが、忍者アクションが生かせるような立体的なマップが多いという。

『NINJA GAIDEN 3』
▲一撃必殺ができるアクションはいくつかあるが、どれも決まれば気持ちいい。しかし、狙いに行って簡単に成功するわけでもないので、しつこく一撃必殺を狙うとかえってスキが生まれる。

 ゲージがたまれば、正面の敵をまとめて一掃するような“忍法”を使うこともできる。見ていて「おもしろそう!」と思ったのが、密命でバトルロイヤルが発生した時、それまで敵味方だったプレイヤーが密集して大乱戦が起きているところへ、忍法を叩き込むというプレイ。そのプレイヤーは一気にキル数を稼いで、一躍トップに立っていた。さぞ気持ちよかったはずだ。

 武器は刀だけでなく、弓矢や手裏剣もある。弓矢は自動で敵をロックするが、R3ボタンを押し込めばズームして、自由に照準することも可能だ。この時にヘッドショットを狙うことも可能で、頭に当てれば一撃で相手を倒せる。ただ、基本的にスピーディなアクションゲームなので、目視で敵を狙うというのはなかなか難しい。また弓矢を構えると、ステルス中の敵を発見できるといったメリットもある。

『NINJA GAIDEN 3』 『NINJA GAIDEN 3』
▲弓矢はロック状態で射てもあまり有効なダメージを与えられない。ただ、接近戦主体で乱戦になりやすいためか、不意打ちはしやすい印象があった。

■初心者も楽しめる遊びの幅広さ

『NINJA GAIDEN 3』

 これまで挙げてきたおもしろさ以外にも、最終的にはかなりの数のアクションが使えるようになるので、本作ならではのスピーディなアクションで真っ向から斬り合って戦う楽しさもある。むしろ基本的には、斬って、防御して、斬ってという正攻法による斬り合いが主体だった。それを多人数で行うので、引き際の判断が重要なわけだが、ついつい熱くなって斬り合ってはスキを作ることもしばしば……とこれは余談だけれども。

 ただ個人的に、開発者と真っ向から斬りあうと歯が立たなかったので、「ストーリーをプレイせず、いきなり“シャドウ オブ ザ ワールド”をプレイしても操作の腕は上達しますか?」と安田さんに質問してみた。すると、“シャドウ オブ ザ ワールド”はレベルを上げることによって段階的に使えるアクションが増えるため、階段を上るように徐々に操作を覚えられて、むしろ初心者には操作を覚えやすいかもしれないという答え。ゲームが発売されたら、ストーリーと並行して“シャドウ オブ ザ ワールド”をプレイしてみようかなと思った。

 プレイしてみての感想をまとめると、密命による多彩なシチュエーションと、立体的なマップゆえの一撃必殺をつい狙いたくなる駆け引き、ハラキリの斬新さが魅力的に感じられた。やり込めば、もっと深いおもしろさも見えてくるだろうし、技の数も多彩なので、戦術研究はかなり奥深いものになると思う。ただ、突然の裏切りやバトルロイヤル発生などのお祭り感や、真っ向勝負をしなくても相手を殺せる一撃必殺アクションの豊富さなど、オンライン対戦の初心者にも入りやすい間口の広さも感じたので、FPSやTPSにはなかなか手が出ない、といった人にもオススメの“シャドウ オブ ザ ワールド”だ。(キャナ☆メン)

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