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2012年2月3日(金)

『ルートダブル』キャラ紹介その4――Aルート3人目のヒロイン・椿山恵那は勝ち気な女教師!

文:ごえモン

 イエティから3月29日に発売されるXbox 360用AVG『ルートダブル -Before Crime * After Days-(以下、ルートダブル)』。その登場キャラクターたちを毎週紹介していく連載企画の第4回をお届けする。

 『ルートダブル』は、“infinity”シリーズや『I/O』などを手掛けたクリエイター・中澤工さんが原案・監督・プロデューサーを務める新作サスペンスアドベンチャーゲーム。重大な事故が発生し、9人の人間が閉じ込められた巨大研究所“ラボ”を舞台に、救助に奔走するレスキュー隊員と閉じ込められた高校生の少年の2つの視点で物語が進行していく。

 連載企画の第4回ではAルートのヒロインの1人、椿山恵那をピックアップ。開発スタッフのコメントやラフ画、色彩設定などとともに、彼女のキャラクター性を紐解いていく。

→第1回第2回第3回

【椿山恵那(つばきやま えな)】

椿山恵那(つばきやま えな)

「教師というのはね、意外に懐疑的なものよ」

 夏彦の通う高校の教師。 我が強くクセのある女性だが、頭の回転が速く、弁も立ち、率先して模範を示す行動力も持ち合わせているので、周囲からの信頼は高い。

 教育者としてはまだまだ未熟だが、彼女の熱意は多くの生徒たちを惹きつけ、やる気を引き出す。ただアグレッシブすぎて、しばしば目的のために手段を選ばなくなることが玉にキズ……。

 9月16日に、なぜかラボに閉じ込められる。相性が悪いのか、レスキュー隊の面々とはそりが合わず、意見の衝突が多い。

CV

豊口 めぐみ(インタビュー記事はこちら

年齢

24歳

誕生日

2006年1月20日(水瓶座)

血液型

B型

職業

教師(担当教科:超心理学)

性格

ポジティブでエネルギッシュ。自立心が強くてワーカホリック。
自尊心が強く、かなりの負けず嫌い。

知力

高い

体力

標準

趣味

仕事

好き

授業、生徒たち、討論、目的達成、車、ジャズ

嫌い

時間を無駄に過ごすこと、何もしない休日、敗北、馬鹿正直

エニアグラム

Type3“遂行者”

キャラクター
デザイン

みけおう

■中澤工さんのコメント

 恵み与える者。刹那の尊さを知る者。

 恵那は、本企画でもっとも設定が二転三転したキャラかもしれません。

 キャラ設定の根幹(知的で有能で、バイタリティがあり、勝ち気な性格)は、あまり当初から変わっていないのですが、所属……と言いますか、職業の設定がコロコロ変わりました。初期企画では、会社経営者。その後、僕が記憶しているだけでも、女子大生、教育実習生、それからようやく教師に。教育者と決まってからも、受け持ちの教科が“超心理学”(もちろん、現代では正式な学問と認められていませんが)に決まるまで、右往左往した印象が強く残っています。

 キャラクターデザインや色設定もFIXするまでに時間がかかったキャラで、髪型をどうするのか、メガネはかけるのか、スーツのデザインは? 配色は? ……などなど、最終的な意見がまとまるまで、なかなか完成形が見えない時期があったのです。ちなみにメガネについては、Bルートではかけていて、Aルートで閉じ込められてからは外す(なくす)、という扱いにしました。

 設定の概要やキャラデザも固まって、月島さんにシナリオ執筆に入ってもらってからも、その口調や、どこまで“勝ち気さ”を前面に出すのかを、何度も議論し、試行錯誤を繰り返しながら、書き進めてもらいました。

 今の“恵那”に至るまでには、長い長い道のりがあったわけです。そのおかげもあってか、非常に味わいのあるいいキャラに仕上がったと思います。むろん、味わいだけでなく、シナリオ上の役割もとても洗練されたものになっています。

 『ルートダブル』においては、AルートとBルートとで、キャラの見え方がだいぶ異なってきます。日常と非日常、余裕のある状態と極限状態、という環境面の違いがあるせいでもあるのですが……はたして理由は、それだけでしょうか。

 この恵那というキャラは、その差──ギャップが、もっとも著しい人物です。Bルートの“寛大で頼りがいのある先生”と、Aルートの“攻撃的で挑発的で手のかかる要救助者”。両方、間違いなく恵那自身なのですが、なぜ、こうまで二極化した言動を見せるのでしょうか?

 どちらが“仮面”で、どちらが“素顔”なのでしょう? ひょっとしたら……このどちらも、彼女の“素顔”ではないのかもしれません。彼女の“真の顔”は、ぜひあなた自身の目で確かめてみてください。

■月島総記さんのコメント

 眼鏡美女です。しかしこの作品、眼鏡キャラ多いですね。天川美夜子を含めれば、10人中4人が眼鏡。つまり眼鏡率40%! この数字はなかなかですよ。ある種のこだわりが感じられます。

 ところで眼鏡というものは重要です。萌え要素的にも、キャラ描写的にも。しばしば眼鏡というものは、キャラクターの内面を描写する上で、様々な要素の象徴として描かれます。

 知性、理性、あるいは“他人に対する心の壁”など……。そう考えると、この多数の人間の思惑が絡み合う物語にやたら眼鏡キャラが多いのは、偶然ではない気がします。(単に中澤監督が眼鏡好きなだけかもしれないけど)

 ところで恵那は、Aルートのヒロインの中では、とりわけ厄介な女性です。何かあれば不満を漏らし、危険な目に合えばわめいたり怯えたり、大変騒がしいです。

 そんな彼女は、渡瀬を含む周囲の人と衝突することもしばしばです。(渡瀬は『Ever17』の武を参考にしましたが、恵那は『Remember11』の黛を参考にしました)

 しかしだからと言って倦厭(けんえん)しないでください。その厄介な恵那が、本来の彼女とは限らないのです。Bルートでは、災害とは無縁の、平和な日常の中にいる恵那が描かれます。そして普段の恵那は、Aルートの恵那とはまるで別人の、優しくお茶目な先生なのです。

 では、どちらが彼女の本質なのか?
 それを知りたい方は、厄介な態度にもめげず、恵那を護ってやってください。そうして大切に思い続けていれば、やがて彼女も渡瀬の優しさにほだされ、己の本心を明かしてくれるはずです。もっともそうして知った恵那の本当の姿が、渡瀬や皆様の望むようなものとは限りませんが……。

→次のページでは、みけおうさん、eco*さんのコメントをお届け!

(C)イエティ/Regista

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