2012年2月13日(月)
前回の記事に引き続き、1月26日に発売されたばかりのニンテンドー3DS専用ソフト『バイオハザード リベレーションズ』の魅力を語っていきたいと思う。本作の物語や登場人物については前回の記事をご参照いただくとして、ここからは『リベレーションズ』の本質的なおもしろさ、その魅力についてプレイした感想を交えながら語っていくとしよう。また、2人で遊ぶことができるやり込み要素満載の“RAID MODE(レイドモード)”のおもしろさも解説していく。これは『リベレーションズ』を持っている友人とぜひ一緒に遊んでいただきたいモードで、筆者は本編を進めることを(一時)忘れて編集部員とのめり込んでしまったほど。その詳細を解説していこう。
■『リベレーションズ』をプレイしてみてわかった“ココがおもしろい!”
ここからは実際にプレイした感想を交えながら、『リベレーションズ』の魅力について語っていきたいと思う。そもそもこの記事は、『リベレーションズ』をプレイしてみて「このゲームの素晴らしさをもっとたくさんの人に知ってもらいたい!」という筆者の熱い思いから生まれたものだったりする(笑)。ニンテンドー3DSでこんなにおもしろい『バイオハザード』が遊べる幸せを、もっとたくさんの人と共有したいので、「文章が長い!」とか思わず、一読していただけたら幸いなのである。
さて、『バイオハザード』シリーズファンとしては、毎回練りに練られたストーリーに注目すると思うが、本作では前回説明したように、シナリオをストーリーライダーズの佐藤大氏が担当。ゴーストシップと化した豪華客船の中で起こる数々の事件、謎、惨劇を、決して単調にさせることなく収束させていく佐藤氏のテクニックが冴え渡っている。『バイオハザード』としての“根幹的な恐怖”という点においては、ゲーム的な演出もプラスされているので、一概にシナリオがすべてとは判断しにくいが、「この扉の先に何かいるかもしれない……」という、シリーズ共通のドキドキ感を生み出すのは、やはりその前後で起こる事象や行動の目的によるものが大きい。出口に行くだけが目的のお化け屋敷は、最初から明確な最終到達点がわかっているので、お化けに怯えつつ“ただドキドキするだけ”だが、そこにプラスして“行方不明者の捜索”や“正体不明の人物を追跡”という他の目的がプラスされた時、その恐怖感やドキドキ感は何倍にも膨れ上がるのだ。さらに異形の敵の出現、閉鎖された空間、謎解き、求められる正確な操作……これらが渾然一体となったものが『バイオハザード』であり、『バイオハザード』たらしめる魅力を形作るのではないだろうか。
▲先へ進むためには仕掛けられた謎を解く必要も! これは扉の電力を回復するために配線を指定された位置に直すという、パズル要素の強い謎解きになっている。 |
▲イカリの装飾が施されている扉。この扉を開けるためには、同じ装飾が施された鍵が必要になってくる。広い豪華客船の中から見つけ出そう。 | ▲ジルとパーカーの前に現れた謎の赤髪の男・レイモンド。豪華客船の中へ消えていった彼の目的とは? |
……と、なにやら難しいことを書いてしまったが、『リベレーションズ』は携帯ゲーム機でありながらも、これまでの『バイオハザード』シリーズにひけをとることなく、シナリオ、グラフィック、システムのどれも非常に完成度の高い作品となっている……ということが言いたかったのだが、なぜかとても回りくどい感じになってしまったという(苦笑)。
“原点回帰”という視点から見ても、物語冒頭でジルとパーカーがクイーン・ゼノビア号に潜入するところは、初代『バイオハザード』で洋館に逃げ込む時のドキドキ感と同じものを感じ、これからどんな恐怖体験をするのかと考えつつも、そこにはどこか懐かしさがあった。複雑な操作はなく、武器の切り替えやハーブの使用もタッチスクリーンで直感的に行えるわかりやすさ。また本作から登場した高性能バイオスキャナー“ジェネシス”という装備を使ったスキャン機能によって、アイテム探しというゲーム性の幅が増えたのもおもしろい。気付いたら至るところをジェネシスでスキャンしている自分がいた。詳しくは書かないが、それによる恩恵ももちろん用意されているのは嬉しいこだわりだ。
▲ジェネシスを使ってクリーチャーをスキャン! スキャンを行うことでデータを集めたり、アイテムを発見したり、見えない敵を発見することもできる。怪しいと感じた場所では、こまめに起動させてみよう。思わぬものを発見することも!? |
登場人物に対する思い入れもシリーズのファンなら共感していただけるかと思うが、これまでのシリーズでもメインキャストとして活躍してきたジルとクリスが登場するのはポイントとして大きかった。メインで操作するのはジルだが、エピソードが進むとクリスを操作できたり、他のキャラクターも操作するシチュエーションが用意されている。現在と過去、時間と場所を越えてさまざまなキャラクターがさまざまな目的を持って行動。それらをプレイヤーが操作して謎を解き明かしていく感覚は、原点回帰を感じさせつつも、新たな『バイオハザード』像を構築したのではないかと、そんな風に思った。
▲シナリオが進めば、シリーズではおなじみのキャラクター・クリスや、ジルの現在のパートナーのパーカーを操作することもできる。 |
やり込みが豊富なのも特筆すべき要素だろう。武器の改造ではさまざまなカスタムパーツを入手することで、自分好みの武器に強化することができる。武器と改造パーツは合計で100種類以上も存在するので、武器にあわせてどのような改造を施すかの楽しみが用意されているというわけだ。オーソドックスなハンドガンでさえ、入手したカスタムパーツによっては攻撃力を大幅にアップさせることができたり、攻撃に付加効果を与えたりと、攻略を助けるだけでなく自分なりのこだわりを武器に反映することができるので、俄然プレイが楽しくなっていく。また、武器は一度に3種類しか持って行くことができないという制約も、自分のプレイスタイルにあわせてチョイスする楽しみとして捉えることができ、どんどん違う種類を集めたくなってしまった。それに付け加えて、『リベレーションズ』の一番のやり込み要素として用意されている“MISSIONS(ミッション)”は、1つずつクリアしていく達成感に中毒性があり、これをクリアするために、敵を倒したり、さまざまな場所をスキャンしまくったりと、完全に時間泥棒(笑)。だが、これこそが『リベレーションズ』の楽しさをいい意味で底上げしている要素だと思う。すれちがい通信による救援物資も発想がおもしろく、「俺には仲間がいる!」と勇気付けられたこともしばしばあった(笑)。
と、『リベレーションズ』のココがおもしろいということで、筆者がプレイしていくなかで感じたことをまとめてみたが、今までのシリーズをプレイしていなくても、スムーズに入っていける親切な設計、簡単な操作でプレイヤーを選ばない作り、重厚なシナリオ、魅力的なキャラクター、豊富なやり込み要素と、携帯ゲーム機での『バイオハザード』として、すべてのプレイヤーにオススメしたい作品に仕上がっていると、太鼓判を押したい。
……締めみたいになってしまったが、もう1つ大事なことを忘れていた。本作の楽しみを伝えるには本編だけでなく、2人で協力して遊ぶことができる“RAID MODE(レイドモード)”について語る必要があるのだ。
■2人で協力して遊べるエクストラゲーム“RAID MODE(レイドモード)”
このモードは本編のエピソード3をクリアすることで、ミッションクリアとなり、遊ぶことができるようになる。見出しにも書いてあるとおり、2人で遊ぶことのできるモードで、ステージはこれまで通ってきたクイーン・ゼノビア号の中。レベルごとに移動できる範囲が異なり、目的を達成すると出現するコインを破壊することでクリアとなる。また、敵、味方ともにライフゲージが表示されており、よりバトル専用のモードとしての意味合いが強くなっている。ステージのレベルが上がっていくと出現する敵も強くなっていくので、弱い武器では進行するのも一苦労。そこで武器のカスタマイズが求められてくるのだが、本編とは異なり、武器にレベルが設定されており、より強い武器を入手していくことが急務となってくる。武器には威力、連射速度、装弾数などの数値が設定されているが、この数値がいい武器(レベルの高い武器)を見つけることが楽しく、強い武器を使いたいがために、きゃらくたーのレベルを上げたりと、やり込みがいのある仕様になっているのだ。筆者も武器を調達するために何度もショップに足を運び、強い武器が出るまで何度も繰り返しショップを出入りしたものだ(ショップは出入りするだけで売っている武器の種類が変化する)。そういったおみくじ的な要素にも遊び心を感じてしまい、時には他のプレイヤーをすっかり待たせてしまうことも。だが、そうやって強い武器を調達して、2人でステージをクリアしていく楽しみを覚えてしまったら、時間がいくらあっても足りないくらい。これも携帯ゲーム機ならではのコミュニケーション、そして遊び方なんだと思うわけだ。
▲RAID MODEでは、敵や味方の頭上に体力ゲージが表示され、さらにダメージの数値も視覚化される。ステージの目的を達成すると、最後にコインが出現。これを破壊するとクリアとなる。 |
ちなみに編集部員と一緒にプレイして、一番楽しかったのは2ステージ目。海岸に押し寄せてくるクリーチャーを退治するのがなぜか燃えました(笑)。標的が大きかったことと、次から次へと押し寄せてくる感じが、ほどよい緊迫感と少しの笑いを運んでくれたのかと思う(笑)。4ステージ目も、ラストの次から次へと湧き出てくる敵を倒していくところが最高に盛り上がり、個人的に3回もやられてしまった事に悔いが残る。他のプレイヤーと『バイオハザード』を楽しむことができるのは、携帯ゲーム機の『バイオハザード』として、新たな境地だと思うので、ぜひそういったところをより強化(特化)したシリーズを検討していただきたいなと、思った次第です。
2回に分けて『リベレーションズ』の魅力を語ってきたが、結局のところ一番言いたかったのは、もっといろいろな人と一緒にRAID MODEをやってみたいので、少しでも興味がある方は、ぜひともプレイをしてみていただきたい、ということなのだ。もちろん本編も『バイオハザード』の名に恥じない内容になっているので、シリーズのファンでまだプレイしていない方は、ぜひ! また、これを読んで興味が出てきた方はプレイしてみてほしい。また、4/26にはPS3とXbox 360で壮絶な三つ巴の戦いが繰り広げられるサバイバルシューター『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』が、さらに今年の秋にはナンバリングタイトルの『バイオハザード6』がPS3とXbox 360で発売予定。2012年はまさしく“バイオハザードイヤー”(なんだかちょっと物騒な感じだが(笑))になるので、まずは『リベレーションズ』をプレイしてみてはいかがだろうか。
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データ
2019年2月21日発売
特別定価:680円(税込)
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