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2012年2月10日(金)

【No Game, No Life Vol.6】濃密なプレイ感覚に脳がだまされる『VANQUISH』

文:電撃Xbox

 世にシューターと呼ばれるゲームは数あれど、とりわけ本作『VANQUISH(ヴァンキッシュ)』をプレイしたときに得られるスピード感は、他に類を見ない体験であった!

ハイスピードな展開がプレイヤーの体内時計を加速させる!

 『VANQUISH』をクリアし、トータルクリアタイム(イベントやリトライを含まない総プレイ時間)を見て思ったこと。それは「思いのほか短いな」でした。ファーストプレイでのトータルクリアタイムは、難しい場面で何度かミスをしつつ、5時間強といったところでした。この手のタイプのゲームでクリアにかかる時間としては、長いとまではいかなくとも、決して短くはないと思います。

 では、なぜ筆者は「短い」と感じてしまったのか? その理由は、体感的にはもっと長い時間プレイしていたような気がしていたからです。

 プレイ中の体感時間が長く感じる理由。それは、戦闘の流れの速さと密度にあります。簡単に言うと、短時間のなかでいろいろなことが起きて、いろいろと対応を迫られるということです。

▲「息もつかせぬ~」という表現がぴったりなラッシュ状態が続く戦闘。

 本作のゲーム展開は、全体のストーリーを大きく区切った5つのACTがあり、ACTを進めていく中で発生する一連のMISSION(戦闘)をクリアしていくというものです。

 全部で30のMISSIONの中には、数分でクリアできるものもあるのですが、実際にプレイしていると10分以上戦っていたかのように感じることが多々あります。

 目の前にいる敵集団を片づけ、奥の機銃に貼りついている敵をスナイプ。機銃で撃たれて瀕死状態に陥った仲間を救助していたら敵増援が現れたので、グレネードを投げつつ下がり、カバーポジションから攻撃……といったところで、体感的には数分ぐらい経ったかなと思いきや、実際には1分も経過していない。こんなスピーディな展開が本作では当たり前で、いわゆる中休みといった状況がほとんどありません。

▲増援をあらかた片づけたと思いきや、次の増援でレーダーが赤い点(敵)でいっぱいに! 大型の敵や戦車を含む計18体もの敵と戦ったのに、MISSIONクリアにかかった時間はたったの3分ちょい。

 さらに、『VANQUISH』の大きな特徴である“ARモード”が、プレイヤーの時間経過の感覚を狂わせます。このモードの発動中は、敵を含めた周囲の動きがスローになる(設定としては、集中力の上昇により時間の流れがスローに感じられる状態)のですが、このたった数秒の程度の発動時間が、状況によって長く感じたり、短く感じたりします。

 また、“ARモード”の発動には制限があるため、敵と戦いつつこれをどのタイミングで使うかなどとあれこれ考えていると、時間あたりで頭を働かせることの密度がどんどん上がっていくわけです。

▲通常時の展開がスピーディなだけに、“ARモード”発動中のスロー状態とのギャップはものすごく大きい。▲“ARモード”を使いすぎてオーバーヒートしてしまったときの回復待ち時間も、体感的には実時間よりも長く感じる。

 この感覚を、何か別のもので例えるのなら、ボクシングの試合で壮絶な打ち合いになった時、1ラウンドの3分間がとても長く感じられるようなものでしょうか。

 前述したとおり、筆者の初のトータルクリアタイムは5時間強。全体を通して6時間程度といったところですが、体感時間では、その倍ぐらいはかかったように思います。

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