2012年3月2日(金)
――前作の反省でシステムを変えたとのことですが、他にも前作の反省が生かされているところはありますか?
伏見:原作者が制作にどう関わっていくのかという部分が変わっています。前作では書き下ろしルートを1本+α。さらにシナリオを総監修という形でした。
二見:今回は書き下ろしルートに力を入れてもらった形ですよね。
伏見:はい。今回は主立った監修を担当編集である三木さんと小原さん(小原一哲編集)にお任せし、浮いた時間でひたすら書き下ろしルートを増やすことに専念しました。三木さんと小原さんには大きな負担をかけたと思います。
三木:考えてみると、それが作品をおもしろくするためには一番効率的ですからね。絶対に、僕らも1.8倍以上の仕事はしていると思います(笑)。
二見:ありがとうございます(笑)。
――ゲームのかかわり方をこういう形に変えた理由はなんですか?
伏見:書いていただいたシナリオを監修して修正するのと、自分でゼロから書くのとでは、労力が変わらないことがわかったからです。それなら、書き下ろしテキストを増やした方がユーザーさんに喜んでいただけるだろうと考えました。
三木:ゲームを1本やったおかげで、こちらもなんとなくコツがつかめましたね。ゲーム制作に割ける時間自体は変わりませんから、どこに時間と労力をかけるべきか、どうすればより原作のテイストが出るのかを考えて、こういう形になったんですよ。
二見:前作では、例えば桐乃をはじめキャラクターの性格を伏見先生に講義していただいたこともありましたが、今回は理解したつもりでしたので、そうした部分がスムーズに進みました。
――その結果として、今回は伏見先生が5本(桐乃、加奈子、沙織、闇猫、隠しルート他)のシナリオを書き下ろすことができたんですね。
二見:ええ。どれもおもしろいシナリオに仕上がっていると断言できます!
――中でも皆さんオススメのシナリオはどれでしょうか?
伏見:う~ん……。全部好きですね! どのシナリオも苦労せずに書くことができました。ゲームシナリオって、原作小説ほど編集のお2人がうるさいこと言ってこないし(笑)。
三木:派生ルートですから、そこは伏見さんの書きたいように書いてもらったほうがいいんじゃないかと。手を抜いているワケではないです。
伏見:ですから前作もそうでしたけれど、産みの苦しみはまったくなくて、ただ単純に楽しかったです。書きたいものを書きたいように書いたので、感覚的にはゲームシナリオを書いていた1カ月半ほどは、遊んでるようなものでした。
――三木さんはどのシナリオが好きですか?
三木:僕も全部ですね。どのヒロインのファンにもオススメできる作品になったな、と思います。これはシナリオというよりも、作品のカラーの話になります。今作では、ヒロインそれぞれの“付き合ったその後”が描かれていくのですが、どのヒロインのシナリオを比べてみても見劣りしないクオリティになんですよ。だから“隣の芝生は青い”状態にならずに済むようになっています。
――なるほど。桐乃役の竹達彩奈さんもインタビューで「前作では桐乃だけ恋人としていちゃいちゃするようなシーンがなかったんですよ。(中略)それが今作ではバカップルと言っていい状態になっています」とおっしゃっていましたね。
三木:確かに桐乃はいちゃいちゃしていますね。竹達さんがインタビューで言っていた"妹の壁"は壊されました(笑)。二見さんはどのシナリオが好きですか?
二見:伏見先生のシナリオはどれもラブ的な意味で破壊力高いし、おもしろかったですね。全部です。
――3人とも同じ答えですね(笑)。
二見:いや、本当におもしろいんですよ! その他には共通ルート部分についても伏見先生からアイデアをいただいて、それが本当におもしろいアイデアだったのでゲームにに反映させました。
伏見:共通ルートについては、二見さんと「恋人になったところから始まるのだから共通ルートは不要。いきなり"彼女"を出すべし!」「ゲーム性がなくなるから共通ルートは絶対必要!」という議論を戦わせた結果、キャラメイク的な冒頭ショートイベントを用意することになりました。いろいろなギミックが仕込まれている部分なのでご期待ください。話は変わりますが、赤城ルートのCGがどれも素晴らしいですね!
二見:赤城ルート……ひょっとして瀬菜ルートのことですか?
伏見:あっ、そうですそうです! ついつい赤城ルートと言ってしまうんですよね。赤城兄がとても目立っているので(笑)。まだシナリオを読んでいないのですが、サンプルCGを見ていると「これは何が起きているんだろう!?」と思うことが多いです。特にゲー研の部室で真壁に絡んでいる赤城兄は最高ですね! これがまたいい表情をしているんですよ……。ここは早くゲームで遊んでみたいです。
二見:このルートについては、いろいろとまだ言えない部分があるので、これくらいで(笑)。
▲伏見先生が「いい表情をしている」という赤城兄。作中ではどんな活躍を見せてくれるのだろうか? |
→座談会第2回に続く
今週到着した映像は、前回の記事で紹介した大学生になった麻奈実との会話パート。外見はオトナっぽくなってしまった麻奈実だが、のんびりとした雰囲気はそのまま。成長した京介と麻奈実がどのような会話をしているのか、チェックしてもらいたい。
※こちらの映像は開発中のものです。
【次回予告】次回も引き続き、伏見先生、二見プロデューサー、三木副編集長の3人による座談会をお届けします。第2回では、読者の皆さんから寄せられた質問を中心に、それぞれの立場からいろいろなお話をしていただきました。質問を送ってくださった皆様、ありがとうございました! それでは、次回もお楽しみに!
(C)伏見つかさ/アスキー・メディアワークス/OIP
(C)2012 NBGI
※記事中のゲーム画像は開発中のものです。
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