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2012年3月3日(土)

カワイイねんどろいどたちの姿に心が癒されていく……そんな感覚を『ねんどろいど じぇねれ~しょん』で味わってみませんか?

文:電撃オンライン

 世の中が灰色に見える──そんな中二病ちっくな書き出しからレビューを始めるぐらい、ブルーな出来事が連続しているライター・原常樹です。

 昨日もちょっぴりエッチな雑誌を持ち歩いていた際に、警察官に職務質問されて路上で広げるハメになったり。そんな荒みまくった僕を見かねてか(?)、編集さんがレビューをさせてくれたのが、バンダイナムコゲームスから2月23日に発売されたPSP用RPG『ねんどろいど じぇねれ~しょん』でした。

 “ねんどろいど”は、アニメやゲームのキャラクターを2.5頭身ほどにデフォルメしたキュートなフィギュアシリーズとして有名ですが、本作はそんな美少女ねんどろいどたちが“ゆるかわ”な冒険を繰り広げてしまうという、なんともほのぼのとしたRPGです。まさに“癒し系”というキャッチフレーズがピッタリ! 潤いが足りないパッサパサな自分にとっては恵みの雨のような作品でした。

■ 作品の知識がなくても大丈夫! 夢のパラレルワールド ■

 ねんどろいどとひと口に言ってもさまざまな種類があるわけですが、本作に登場するのはまさに業界(?)でも最ラブリークラスなこちらのラインナップ!

・『ブラック★ロックシューター』
・『Fate/stay night』
・『涼宮ハルヒの憂鬱』
・『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』
・『東方Project』
・『ゼロの使い魔~三美姫(プリンセッセ)の輪舞(ロンド)~』
・『シュタインズ・ゲート』
・『DOG DAYS』
・グッドスマイルカンパニー マスコットキャラクター ぐま子

 これら有名アニメ、ゲームのキャラクターが一堂に会するとは……正直ビックリしました。グッドスマイルカンパニーのマスコットキャラ“ぐま子”がいるのも個人的にはうれしいところ!

『ねんどろいど じぇねれ~しょん』 『ねんどろいど じぇねれ~しょん』 『ねんどろいど じぇねれ~しょん』
▲絢爛豪華かつ個性的なラインナップ。ねんどろいどファンはもちろん、そうでない人も注目です!

 「これだけ個性の強い作品がクロスオーバーするとストーリーはどうなっちゃうの……?」と思う方も多いでしょうが、これはあくまで“ねんどろいどな彼女たち”によるパラレルワールドのお話。彼女たちが出会ってどうこうしていく――わけではなく、すでに仲よしな彼女たちがともに手を取り合いつつ、世界の危機に立ち上がるストーリーが描かれていきます。まぁ、世界の危機とはいっても、そこまで緊張感はなく、ほんわかした内容なのですが(笑)。

 もちろんストーリーはオリジナルですので、登場作品をまったく知らない人でも存分に楽しむことができます。その流れで「このコ、カワイイ!」と思ったら、そのまま原作をチェックしてみるという“逆輸入”的な楽しみができるのもポイントですね。ただ、本作でのキャラクター像はギャグテイストが強めになっているので、あまりに原作のストーリーがシリアスすぎて驚くものもあるかもしれません。そこはギャップも込みで楽しむ方向で!

 ちなみにファンはご存じだと思いますが、『東方Project』のキャラクターがコンシューマ機に登場するのは本作が初! 夏と冬に某所に行くたびに、そのジャンルの大きさ&熱さを感じさせてくれる『東方』がまた新たな可能性を見せてくれたわけです。ファンにはうれしいところではないでしょうか。

『ねんどろいど じぇねれ~しょん』 『ねんどろいど じぇねれ~しょん』
▲作品の枠を超えたねんどろいどたちは息もピッタリ! 見事なボケ&ツッコミが見られるような組み合わせも。

■ ゆるかわな世界観でもバトルで気を抜くと大変なことに!? ■

 さて、RPGの華といえば“バトル”! 本作では各キャラクターごとに“あたっかー”と“ぱふぉーまー”の2種類に分かれ、謎の生命体たちとバトルを繰り広げます。ちなみに、読んで字のごとく体を張って敵と直接戦うのがあたっかーで、そんなあたっかーを様々なパフォーマースキルで支援するのがぱふぉーまーです。

 キャラクターにはそれぞれ“クリスタル(精神力)”が与えられていて、これを消費して行動することで戦闘を進めていきます。本作では、このクリスタルが非常に重要です。強力な固有技を出すと一気にクリスタルを消費してしまいますが、一番ベーシックな攻撃を出すだけでもクリスタルを消費してしまうので油断は禁物。クリスタルは3.0個が基準となり、毎ターンその値に近づくように0.5個きざみで自然変動。0.5個で通常攻撃1回分と考えるとしっくり来ると思います。

 また、クリスタルは、少なければ少ないほどキャラクターの能力が下がってしまう点も覚えておきたいところです! クリスタルの数は戦闘終了後に基準値に戻るわけではないので、バトルに突入するたびにひたすら攻撃を続けているだけだと、キャラクターのクリスタルが枯渇して大変な事態になることも十分にありえます。

 ただ、クリスタルの管理をすることはそこまで難しくなく、特にぱふぉーまーを有効活用すれば枯渇してしまうこともないでしょう。あたっかーのクリスタルに影響を与えるスキルを使えるキャラクターもいますし、何よりぱふぉーまーは専用コマンドである“ためる”を使うことでクリスタルの回復が容易にできてしまうんです。このあたりを考慮しつつ、パーティに応じた効率的なクリスタルの運用を考えるのが戦闘のカギとなるわけですね。残念ながら、闇雲にボタンを押しているだけでは、ねんどろいどの世界を救うことはできないんです……。

『ねんどろいど じぇねれ~しょん』 『ねんどろいど じぇねれ~しょん』
▲燃費は悪いものの、固有技の威力は絶大! ボス戦では固有技を出すためのクリスタルをどう確保するのかが重要です。“クリスタルを制するものは世界を制す”なのですよ。

 このようにクリスタルのシステムの影響で、連続した戦闘(レベル上げ)をしづらいのは皆さんにもすぐにわかっていただけるかと思いますが、移動中の敵とのエンカウント率は少し高く感じました。人によってはこういった部分でフラストレーションを覚える人もいるかもしれません。しかし、バトルシーンにねんどろいどたちが見せてくれるキュートな動きのおかげで、少しずつ気にならなくなっていく点が本作のよくできているところ(笑)。あたっかーはクールにアクションを繰り出し、ぱふぉーまーはそのキャラクターを象徴する応援で魅せる! 見ているだけで、こちらの心のクリスタルが回復していく気がします。

『ねんどろいど じぇねれ~しょん』
▲治癒系のスキルが得意な朝比奈みくるは優秀なぱふぉーまー。プレイヤー自身もいろんな意味で回復しちゃうハズ。

■ やりこみ要素もあります! 愛でる楽しさ、ここに極まれり ■

 コアなRPGユーザー向けの要素として“衣装収集”があります。敵キャラクターに女の子が登場した場合、あたっかー全員で“集中攻撃”をすることで、その女の子の衣装をゲットできる確率が生まれます! 攻撃の最中にタイミングよくボタンを入力することで、この確率はさらに上昇しますし、それぞれの敵キャラクターからゲットできる衣装も1種類ではありません(例えば、スカートだったり、髪飾りだったり)。ただし、“集中攻撃”を行うためには敵に通常の攻撃を当てるなどしてテンションゲージをためなければいけません。このあたり、ゲーマー魂と衣装コレクション魂に火が付いちゃう人も多いかもしれませんね。実際、僕もセーラー服を集めるのに夢中になりました(笑)。

 なお、衣装は装備品でもあるため、各キャラクターに装備することで見た目もパラメータも変わります。ガチガチな装備で固めるもよし、自分の好きなコーディネートでキャラクターを彩るもよし。まさに自由な楽しみ方ができるゲームなんですね。メガネなどの小物もしっかり用意されていますので、細かいフェチズムを抱えている人でも満足するはず。メガネスキーだったら、まずは売店でメガネをしっかり購入するのが必然でしょう!

 ゲームを進めていくと、そんな彼女たちと“コミュニケーション”を取ったり、”ダンスモード”で踊りを好きなだけながめたりすることができるように。いずれもミニゲームというよりは、直接キャラクターと触れ合う感覚が楽しめるモードです。しかも複雑な準備は一切必要なし! シンプルに彼女たちを感じ、愛でることができるわけです。

『ねんどろいど じぇねれ~しょん』 『ねんどろいど じぇねれ~しょん』 『ねんどろいど じぇねれ~しょん』
▲自分好みの衣装に着飾らせたねんどろいどたちを“コミュニケーション”でたっぷりと愛でる。これぞ、このゲームならではの楽しみ方!

 このようにRPGという形態を取りつつ、我々の心をそっとホクホクさせてくれる……。そういうねんどろいどたちのキュートさこそが本作の最大の魅力であることは間違いありません。殺伐とした現代社会に疲れた方は、フィギュアを愛でる感覚で彼女たちの世界に触れてみてください。きっと、そこには至高の癒しがあるハズですから!

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