News

2012年4月5日(木)

『ルートダブル』キャラ紹介その10――夏彦の母親・美夜子などサブキャラを紹介! 正体が不明な謎の少女の情報も

文:ごえモン

 イエティから2012年春に発売されるXbox 360用AVG『ルートダブル -Before Crime * After Days-(以下、ルートダブル)』。その登場キャラクターたちを紹介していく連載企画の第10回をお届けする。

 『ルートダブル』は、“infinity”シリーズや『I/O』などを手掛けたクリエイター・中澤工さんが原案・監督・プロデューサーを務める新作サスペンスアドベンチャーゲーム。重大な事故が発生し、9人の人間が閉じ込められた巨大研究所“ラボ”を舞台に、救助に奔走するレスキュー隊員と閉じ込められた高校生の少年の2つの視点で物語が進行していく。

 連載企画の第10回では、Bルートの主人公・天川夏彦の母親である天川美夜子など、サブキャラクターを紹介する。これまで、グラフィックなどが不明だった謎の少女2人についても紹介するので、ぜひチェックしてほしい。

→第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回第8回第9回

【天川美夜子(てんかわ みよこ)】

『ルートダブル -Before Crime * After Days-』

「そう、これは決定事項よ」

 夏彦の母親。ラボに勤める研究員(役職的には部長クラス)。世界的に権威のある物理学博士でもある(専門:素粒子物理学)。

 仕事人間で、研究が忙しくなると平気で何日も家を空ける(それゆえ、夏彦はほとんど1人暮らし状態である)。Bルート序盤で、サリュを居候として連れてくる。

CV

大原 さやか

年齢

36歳

誕生日

1994年10月28日(山羊座)

血液型

A型

職業

原子力生物学機構・第6研究所(ラボ)所員/シニアフェロー(上級研究員)

性格

冷静。論理的。あまり感情を表に出さず、冷たそうな印象を与える。

知力

極めて高い

体力

やや低い

趣味

研究

好き

研究、物理学、心理に近づくこと、E=mc^2、夏彦

嫌い

家事全般、仕事を邪魔されること、感情を露わにすること

エニアグラム

――

キャラクター
デザイン

おおたか鳴海

■中澤工さんのコメント

 ラボに閉じ込められない人間――つまり、蚊帳の外におかれた人物にして、物語のキーパーソン。それが、天川美夜子博士です。

 ストーリーを実質的に動かしていくのは閉じ込められる9名ですが、彼女は“外側”から物語に深く深く絡んできます。

 物語の舞台は“ラボ=原子力生物学機構・第6研究所”ということで、物理学と生物学が今回のシナリオに絡むことは容易に想像できると思います。そして、天川博士の専門は“素粒子物理学”、それも世界的な権威。うーん、見るからに“事故”の秘密を知っている感じですね。

 天川美夜子という人物は、超が付くほどの仕事人間で、国家機密だらけのラボの研究に一生を捧げる覚悟で望んでいる人です。さらには、論理的な言動を常として、感情を露わにすることを恥じらいとする性格。ようするに、腹の中で何を考えているか見せられない立場であり、見せたがらない気性の持ち主であるということ。宇喜多以上に“明かせない秘密”を抱えていて、サリュ以上に“心の内が謎で覆われている”人物だと言えるかもしれません。

 先程から、“蚊帳の外”とか“外側から”とか、そんな表現を多用していますが、まさに彼女は“外”からの観測者的立場にいます。

 事故後のラボ――中で何が起きているのか、再び出入口が開かれるまで外から認識できない閉ざされた世界。天川美夜子にとって、渡瀬や夏彦が生きているのか死んでいるのかは、ラボの中に入って確認するまで“確率”の状態でしかありません。

 生きている状態と、死んでいる状態が、重ね合わさった状態。
 情報エントロピー(情報の不確実さ)が、最大の状態。

 さながらそれは、あなたがこの『ルートダブル』をプレイする前の状態のようではないでしょうか。ストーリーの結末が、グッドエンドになるか、バッドエンドになるか、まだ決まっていないのですから。

 謎の真相にもっとも近いはずの人物が、(情報不足ゆえに)もっとも真相解明から遠い立ち位置にいる……なんとも皮肉な話です。彼女の知識や、彼女と会話した人物の記憶――そういった中に、きっと謎を解き明かす鍵が隠されているはずなのに。ラボに閉じ込められた9名個々人の知識だけでは、謎を解くことも、生きて脱出することも叶わないかもしれません。

 では、どうしたらいいのか?

 その解決策は、あなたが『ルートダブル』をプレイし、物語を読み解いていくうちに、徐々に見えてくることでしょう。

 余談。
 天川美夜子のビジュアルが36歳にしては若すぎる、という声をチラホラ聞きます。

 ふむ。確かに、悠里やましろたちに混じっても違和感がありません。高校生といっても通用するかもです。あれですね、俗に言う“美魔女”ですね。博士の若さの秘訣は、“好きなこと(彼女の場合は、研究)に没頭していること”ではないかと思います。

 とはいっても、お気楽に過ごしているわけではありません。彼女には、彼女にしか知り得ない気苦労を抱えているのです。その上で、なお若々しいのは、今の研究対象に尋常ならざるエネルギーを注ぎ、活力に満ちあふれているからなのでしょう。

 ……と、いろいろと講釈を垂れましたが、お母さんが若くてかわいいって、いいと思いません? だから、これでいいんです(笑)。

■月島総記さんのコメント

 夏彦・宇喜多・恵那に続く第4のメガネキャラ――それが天川美夜子です。サブキャラながら、メガネっ子好きの方には見逃せない人物ですね。高校生の息子がいるとは思えないほど、若々しく美しい女科学者である彼女は、同時にラボの上級研究員でもあります。

 素粒子物理学の世界的権威であり、実力も実績もラボ内で随一です。かくも彩色兼備な彼女には、同僚たちの中にもファンが多く、若いころはラボ内にファンクラブまであったとか……。

 しかし当の本人は、そんなこと気にもかけていません。なぜなら彼女は、度を越したワーカーホリックなのです。

 仕事が彼女のすべてであり、それ以外のことはどうでもいい。自分の容姿に対する評価など、むろん気にも留めません。当然オシャレもせず、男性の視線も気にせず、一年中白衣を着て暮らしています。

 そんな彼女だからこそ、30代半ばにして今の地位まで上り詰められたのでしょう。ではなぜ彼女はそこまでして、仕事に打ち込んできたのでしょうか?

 行動にはすべて理由があります。人格は過去の経験の集積によって構築されます。彼女の仕事にかける思いにも、何か理由があるはずです。

 しかし彼女は己の思いを、決して他人に語ることはありません。機密だらけのラボで仕事をしている以上、隠しごとはどうしても多くなりがちです。

 故に普段から彼女は、理想や目的を大っぴらに語ったりはしません。胸の内にすべてを収め、黙々と己の掲げた目標に向けて突き進む、鉄の女なのです。

 そうして常に感情を覆い隠してきた彼女は、冷たい人間だと思われることも多々あります。今までは彼女自身も、別にそれで構わないと思ってきました。

 ……だけどそんな超クールな彼女も、今回ばかりは感情を動かされるかもしれません。何しろ実の息子が、災害現場と化した自分の職場に閉じ込められてしまったのですから。

 息子との連絡は不可能。生死も不明。いま息子がどんな状況におかれているか、怪我してるのか無事なのか、まったく調べる術がない……!

 想像を絶する不安感が、彼女を襲っていることでしょう。さすがに今回ばかりは、彼女の鉄面皮も崩れるかもしれません。そうして普段は語らない本音を、吐露してしまうなんてことも……。

 そこには間違いなく、重要なメッセージが隠されているはずです。他人に隠し続けてきた彼女の本音が聞けた時、ラボの謎もいくつか解けるかもしれません。

 サブキャラと侮るなかれ。彼女もまた、この物語を読み解く上で、重要なキーパーソンなのです。

→次のページでは、おおたか鳴海さんとeco*さんのコメントをお届け!

(C)イエティ/Regista

1 2 3 4 5

データ

関連サイト