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2012年4月21日(土)

米軍の元エリートがフルタイムで開発に携わる『Medal of Honor Warfighter』とは?

文:電撃オンライン

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■今作のすべてにTier1オペレーターがかかわっている

▲開発を担当しているDanger Closeのシニアクリエイティブディレクター・Rich Farrelly氏。残念ながら元Tier1オペレーターのTylor Grey氏は写真撮影NG。

 イベントでは、本作のシニアクリエイティブディレクターを務めるRich Farrelly氏と、実際のTier1オペレーターを約10年務め、現在は退役して本作のアドバイザーとしてかかわっているTylor Grey氏にお話を伺うことができた。

 Rich氏によると、今作にはともに登場したTylor氏がフルタイムで開発にもかかわっており、スタジオ内ではTylor氏に相談に訪れるメンバーが後を絶たないほど多忙な日々を送っているという。Tylor氏は、古くは『DOOM』や『Golden Eye』、『Halo』などのFPSをプレイしてきており、元軍事従事者としても、ゲーマーとしても適任であるとのこと。

 Tylor氏は今作の開発における自分の役割について、「ゲームはプレイヤーにとって、楽しいと思えるものを作るのが重要です。しかし、私の役割はそこだけではなく、そのゲーム内の出来事が、軍事的に正しいかどうか、現実に忠実かどうかというのを見極めるのが私の最大の役割となっています」と語った。

 Rich氏は、Tylor氏および元Tier1オペレーターによる今作へのかかわりについて、「ゲームのすべての部分において、彼らからのアドバイスが生かされている」と述べ、そうすることで、よりリアルに近づけることができるのだという。過去には、作成したシーンが、実際の状況に似すぎてしまったため、Tier1オペレーターからのNGがあったそうだが、Tylor氏がそういったことも取りまとめているため、そういった状況はなくなったようだ。


■描きたかったのはリアル、そして戦士たちへの尊敬

 今作の特徴は、これまで何度もお伝えしているように、専任の元Tier1オペレーター、さらに多数の元Tier1オペレーターのアドバイスによる、リアルさの追求だ。ただ、このリアルというのを追求しすぎてしまうと、ゲームとして非常にシビアなものになってしまい、ゲームを進行させるのが難しくなってしまう。このリアルと快適なゲーム性の両立は、今後も課題となってくることだろう。

 そしてもう1つの特徴が、実際に戦地へと赴く戦士たちへの尊敬が含まれていることだ。リアルを追求するということは、非現実的な超能力や兵器が存在しないということ。そこには人ができる範囲でやれること描くという信念があり、実際に戦場で戦ってきた人への尊敬が含まれている。また、戦場に行って戦えばそれで戦士としての人生は終わりというわけではなく、戦いが終われば家族の元に戻り、一時の平和が待っている。そういった面も描ききることで、戦士たちの視点で、物語を語ることができるという。

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 前作で舞台をそれまでの第二次世界大戦から、Tier1オペレーターを前面に出した現代戦へと変更した『メダル オブ オナー』シリーズ。前作ではTier1オペレーターがそれほどアピールにはつながっていなかったが、今作ではTier1オペレーターが開発に深くかかわることで、“リアル”という路線で大きくアピールできるのではないかと思う。

 なお、FPSといえば気になるマルチプレイについては、今回のイベントでは一切言及されなかった。しかし、6月に開催されるE3ではマルチプレイの概要も明らかになるとのことなので、FPSファンは期待してほしい。ちなみに今作のマルチプレイの開発はDICEではなく、シングルプレイを開発しているDanger Closeが担当する。

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