2012年4月26日(木)
ネクソンは、ネクソン開発者カンファレンス(以下、NDC)を、4月23日~25日にかけて韓国ソウルのCOEX Conference Roomで開催した。
2007年にネクソンの社員のみを対象に始まったこのカンファレンス。例年セッション数が増加した結果、昨年から一般応募者も無料で参加できる公開開催となっている。今年のスローガンは“Go Together”。共存と共生を通じて、ますます激化する国内外事業環境を乗り越え、お互いに知識と経験を共有して成長していくことを目的に、NDC2012は幕を開けた。
▲NDC2012の会場となったCOEX。カンファレンスには多くの若者も来場しており、韓国の若者のゲームに対する関心の高さが伺い知れた。 |
NDC2012では、日本にも多くのファンを持つPC用オンラインA・RPG『マビノギ英雄伝』のセッションも行われた。セッションでは、同作の企画チームからイム・ドックビン氏と、プログラマーのパク・ヨンジュン氏がそれぞれ講演を担当。
第1部ではイム氏が弓使いの“カイ”という新キャラクターを設計するにあたり、外見や能力を作り込んでいった経緯が語られた。例えばカイの外見は、世界各国で展開されることを考慮し、どの地域の人にも嫌われにくいワイルドなイメージのキャラクターにしたそうだ。
▲新キャラクターのカイ。どの地域の人にも受け入れられるように強く意識してデザインされている。 |
休憩を挟んだ後の第2部では、パク氏がステージに登壇。『マビノギ英雄伝』において、弓使いというキャラクターを作り出すのがいかに大変であったかを明かした。移動しながら射撃するという基本的な動作にしても、射撃する方向に動く上半身と移動する方向に動く下半身を、いかに違和感なく見せられるか考え抜かれて設計されている。
また、弓での攻撃はゲームのキモである打撃感が薄いという問題が発生したが、弓矢がヒットしたときにヒットした場所を揺らすことで、打撃感のある演出を生み出していったそうだ。こういった苦労話の多くが、会場のファンには好評の様子。こだわり抜いたという必殺技も迫力満点なので、カイの実装を心待ちにしているファンは楽しみにしてほしい。
▲『マビノギ英雄伝』のプログラマーのパク氏。 |
カンファレンスのセッションには、大人気コミック『NARUTO -ナルト-』を題材にした対戦ACT『ナルティメット』シリーズを手掛けていることで知られる、日本のサイバーコネクトツーも参加。同社の下田星児さんがプロデューサーが、PS3/Xbox 360用ソフト『アスラズ ラース』において、サードパーティのゲームエンジン“Unreal Engine3”を導入した経緯などを講演した。
『アスラズ ラース』は、アクションパートと映像演出が交互に展開されながら物語が進んでいくのが大きな特徴だ。そのため、アニメーションを手掛けるアーティストの映像を演出する感覚が重要になってくる。そこで、ゲームプログラムのスクリプトを視覚的に組みやすい“Unreal Engine3”を導入し、アーティストが演出部分のプログラムにもかかわれるようにしたそうだ。
下田さんはセッションで、“Unreal Engine3”を扱うにあたっての工夫などを語り、他社のゲームエンジンを扱う難しさに触れた上で、タイトルが完成した後に残る経験やノウハウは財産になると語っていた。
▲サイバーコネクトツーの下田星児さん。 |
NDC2012では、NDC ART EXHIBITIONと題したイラストの展示会も行われた。会場には、ネクソンのデザイナーが手掛けた作品や、過去に一般公募した作品などが多数展示されており、飲み物を手に作品を鑑賞できるようになっていた。
展示されたイラストの中には、『マビノギ英雄伝』の新キャラクター・カイに関するものや、同作品のイメージボード。その他、日本でも長年親しまている『テイルズウィーバー』に関するものなども多く見受けられた。ここでしか閲覧できない貴重なイラストも展示されており、会場に足を運んだファンは熱心に見入っていた。
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