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2012年4月26日(木)

PCオンラインゲームとスマートフォンの共存とは――キム・テゴン氏が“スマートフォン時代のPCオンライン”を語る

文:電撃オンライン

 ネクソンは、4月23日~25日のネクソン開発者カンファレンス(NDC2012)の初日に、“スマートフォンが普及する中でのオンラインゲームのあり方を語る”セッションを実施した。

 NDC2012初日の4月23日、MMORPG『アトランティカ』などを手掛けたことで知られる、Ndoors社の常任理事キム・テゴン氏のセッションが行われた。テーマは、“スマートフォン時代のPCオンラインゲーム”。

 スマートフォンが全世界で爆発的に普及し続ける中、PCゲームを基盤にサービスを展開してきたオンラインゲームは、どのような生存戦略を取らなければならないのか? 生存方法を模索する中で生まれた問題点を共有すべく、セッションはスタートした。

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▲Ndoors社で常任理事を務めるキム・テゴン氏。

■PCオンラインゲームとスマートフォンが共存する道

 キム氏はセッションの中で、PCオンラインゲームの優位性を説く一方、「スマートフォンの普及やブラウザゲームの登場などにより、PCオンラインゲームの新規タイトルが開発しにくい状況である」と語った。

 これはPCオンラインゲームの開発者にとってはまさに危機的状況だが、キム氏はスマートフォンと敵対するのではなく、PCとスマートフォンのハイブリッド化を進める道を提案。スマートフォン版とPC版に同じ機能を持たせることで幅広いユーザーにアピールでき、自宅にいるときはPC、外出するときはスマートフォンといった、新たなプレイスタイルを提供できるのだという。

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▲セッションでは、キム氏が現在手掛けている『三国史を抱く』の開発エピソードも明かされた。

 だが、同じ機能を持たせるためにはスペックの差、通信環境、バッテリー容量といったさまざまな問題がある。キム氏はこれらの問題を解決するために、グラフィックのコンパクト化や、新たなシステムを開発するなどして柔軟に対応していったそうだ。キム氏は、PCとスマートフォンのハイブリッドゲームはこれからの時代の有効な対応策の1つになるとして、このアイデアを生かしてほしいと来場者にメッセージを送った。

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 ここからは、セッション終了後に行われたキム氏への合同インタビューをお届けする。インタビューでは、前述のセッションについて触れつつ、現在開発が進められている『三国志を抱く』のことを主に伺った。サービス開始を心待ちにしているファンは、ぜひチェックしてほしい。

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――韓国において、PCオンラインゲームの開発に影響を与えるほど、スマートフォンが普及しているのでしょうか?

 これほどの短期間で、韓国のスマートフォンユーザーが増えるとは思いませんでした。正確なデータはありませんが、普及率は他の国と比べても高いと思います。

――そんな中、どのような経緯で『三国志を抱く』のハイブリット化に踏み切ったのでしょうか?

 以前からブラウザゲームの最適化を課題にしてきたこともあって、スマートフォンでの展開にあたっても、直接ではなくブラウザゲームから段階的に行うことが非常に効果的だったんです。

――PC版とスマートフォン版の開発スケジュールはどうなっていますか?

 どちらも開発はほぼ終わっています。テスト次第ですが、韓国では上半期、日本では下半期のリリースを予定していますね。

――日本のカルチャライズは行われるのでしょうか?

 詳細は未定ですが、日本のユーザーに合ったものにするつもりです。(日本での)三国志のイメージ、キャラクター愛、モラル意識といった部分については特に気を付けたいです。

――スマートフォンで快適に遊ぶための工夫を教えてください。

 10分程度で終わる短いクエストを用意しています。短い時間に集中してゲームが楽しめますし、長い時間じっくりプレイすることもできます。また、仲間が襲われたときにリアルタイムで警告が出せるので、救助しやすいといった利点があります。もちろん、スマートフォン版しか遊ばない人も取り込めるように、PC版と変わらないゲームを提供します。

――最後に、メッセージをお願いします。

スマートフォンの普及にあわせて、これまでとは違うゲームを作りますので、関心を持って見守っていただければと思います。

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