2012年5月19日(土)
ネクソンが運営するPC用オンラインRPG『マビノギ』にて、“ジェネシス”アップデートが5月24日と6月14日の2回に分けて行なわれる。その内容について、韓国の開発者にインタビューを行った。
『マビノギ』は2005年4月に日本でサービスが開始されたMMORPG。デフォルメされたかわいらしいキャラクターが牧歌的な世界で生活するゲームで、サービス開始から丸6年経過した現在も高い人気を誇る長寿タイトルだ。
“ジェネシス”アップデートは、既存のコンテンツの改善を主軸にしたもので、これまでのアップデートとは毛色が異なるものになっている。今回のインタビューでは、その詳細から夏以降に予定されているアップデートについて、『マビノギ』開発スタッフにお話を伺った。
▲マビノギ室室長のファン・ソニョンさん。“ジェネシス”を含む今後の『マビノギ』の方向性を説明してくれた。 | ▲マビノギ室マビノギファン(FUN)チーム、チーム長のチェ・ソンウクさん。ファンさんに補足する形で、新コンテンツの詳細を語ってくれた。 |
▲マビノギ室マビノギファン(FUN)チーム、事業パートのシム・ギュヨンさん。今回は通訳を担当。 | ▲ネクソンの平原亮太さん。『マビノギ』日本サービスの運営を担当している。 |
※インタビュー中は敬称略。
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――まず“ジェネシス”というアップデートの狙いを教えてください。
ファン:『マビノギ』の日本サービスは今年で7周年を迎えます。その中では、いろいろな不具合や不便な点がありました。そこで、新しい『マビノギ』として生まれ変わるという意味を込めて、アップデートのタイトルに“創世記”を意味する“ジェネシス”と名付けました。これを出発点として、今年は新しい試みや挑戦をしていきます。
また新たな将来希望として“吟遊詩人”が追加されます。『マビノギ』というタイトルは“吟遊詩人たちの歌”という意味なので、このアップデートによって『マビノギ』というゲームが最初の姿に戻る、初期に意図した方向に戻るという意味があります。
――このタイミングで“吟遊詩人”を追加することになった経緯(いきさつ)を教えてください。
ファン:もともと『マビノギ』には楽器演奏がスキルとして存在しており、多くのプレイヤーに愛されています。しかし、本格的な将来希望として“吟遊詩人”が登場したことはなく、プレイヤーからもそのことに対する要望が多くありました。今回『マビノギ』の世界観を本格的に感じていただけるように、要望にお応えできることになりました。
――“吟遊詩人”にはどういった特徴があるのですか?
ファン:直接攻撃よりも、パーティプレイで他のプレイヤーのステータスを上げるなどの補助をする役割になっています。どんな役割を与えるか悩んだのですが、歌や演奏を生かして味方を助ける役目にしようということになりました。また、補助だけでなく攻撃でも役割を持てるようにしています。
――本人はどのような方法で攻撃するのでしょうか?
ファン:“吟遊詩人”とはいえ攻撃手段がないのは寂しいので、“メロディーショック”というスキルを使えるようにしました。これは楽器を振り回して出た音がモンスターにダメージを与えるスキルで、持っている楽器がマンドリンなら、マンドリンの音がします。楽器によって効果音が違うので、いろんな楽器の音を楽しんでほしいですね。
またこの攻撃はスプラッシュ攻撃なので、範囲内のすべてのモンスターに攻撃できます。攻撃が1体に当たった時は1つしか音がしませんが、複数の敵に当たれば和音のようなおもしろい音が聞けるのも特徴です。さらに毒のような持続的なダメージを与えられる効果もあったりするので、既存のキャラクターとはまったく違った戦闘が体験できますよ。
チェ:他にもいろいろなスキルがあります。味方の能力を高めるものや、楽器の演奏で敵を眠らせるもの、移動速度を上げるものなどがありまして、状況に応じた補助を行えるのも魅力です。
ファン:“吟遊詩人”のスキルを使うと楽器を演奏するようなモーションを取るのですが、スキルのランクが上がるにつれて、そのモーションが変わります。中にはロックやヘビーメタルのような激しいモーションもあって、韓国のプレイヤーにはとても好評ですね。
――“吟遊詩人”が入ることで、今ある楽器演奏には何か新しい要素が加わるのですか?
ファン:そこは特に変わりません。ただ、既存の楽器演奏では楽譜を作らなければならなかったり手間のかかる部分があったと思いますが、“吟遊詩人”はすぐに楽器を演奏できるので、その点は違いますね。
――初心者にも扱いやすいそうですが、具体的にはどのあたりが初心者向けなのでしょうか?
ファン:1つは“メロディーショック”が強力な割に、比較的操作しやすくなっている点です。もう1つは、補助系のスキルが多いことですね。韓国ではパーティに1人は“吟遊詩人”を入れるのが定番になっていまして、初心者でゲーム内の知り合いが少なくても、パーティに参加しやすいと思います。
――5月24日には戦闘システムも改変されるそうですが、こちらはどんな内容でしょうか?
ファン:『マビノギ』の戦闘はユニークで、いいところはあるものの「慣れるのに時間が掛かる」という声も多くありました。これをなくして、誰でもすぐ戦闘に慣れるようにしたいと思っています。具体的には、戦闘のテンポを悪くしていたスキルを使うための準備時間をなくしました。すぐにスキルを使える代わりに、クールタイム(ふたたび使用可能になるまでの待機時間)を導入します。これが一番大きな変化で、新規プレイヤーの方にも違和感なく遊んでもらえると思います。
また『マビノギ』の戦闘は半ターン制なのですが、モンスターの攻撃を受けて固まってしまい、一方的に叩かれることってありませんか? こうなってしまうと戦闘があまりおもしろくないので、もっとダイナミックで戦略的な戦闘ができるように、固まっても自分のターンがすぐ戻ってくるような仕組みを入れます。既存のプレイヤーもいろいろな戦略を試せるようになるのではないでしょうか。
▲楽器を使って戦う“吟遊詩人”は味方を援護するスキルが多い。もちろん自分でも攻撃できる。 | ▲楽器を使って範囲攻撃する“メロディーショック”。巻き込んだ敵の数に応じて音が変わる。 |
▲攻撃のダメージやクリティカル率が上がる“戦場の序曲”。 | ▲相手を眠らせる“子守唄”。 | ▲錬金術師の準備速度や弓使いの反射速度を高める“ヴィヴァーチェ”。 |
▲防御や保護が上がり、マナの回復速度が上がる“忍耐の歌”。 | ▲採集の効率が上がる“豊作の歌”。 | ▲移動速度が上がる“行進曲”。 |
→次のページでは“女神降臨”のリニューアルに迫る!(2ページ目へ)
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