2012年6月1日(金)
5月17日にバンダイナムコゲームスから発売された、PSP用ソフト『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブルが続くわけがない(以下、俺の妹P続)』。本作の特集企画“週刊 俺の妹P続”の最終回をお届けする。
本作は、伏見つかさ先生が執筆する電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(以下、俺の妹)』(イラスト:かんざきひろ先生)をゲーム化したもの。2011年に発売されたPSP用ソフト『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル(以下、俺の妹P)』の続編にあたる。ストーリーは、伏見先生総監修の完全オリジナルとなっており、伏見先生が自ら書き下ろしたシナリオも収録されている。
今回の記事では、伏見つかさ先生、三木一馬電撃文庫副編集長、二見鷹介プロデューサーというおなじみのメンツに加えて、本作の開発プランナーであるガイズウェアの打海喬氏による発売後だから話せるあんな話やこんな話をお届けしていく。ゲームのネタバレになる発言も多く含まれているので、まだゲームを遊んでない人はご注意いただきたい。
――早速ですが『俺の妹P続』では、共通パートだけでなく、バッドエンドになってしまった場合にも“きりりん&くろにゃん劇場”が始まり、そこでヒントをもらえましたよね。あれはどなたのアイデアだったのですか?
二見:このアイデアは、伏見先生からいただきました。
伏見:はい。わたしの発案です。ただ全バッドエンドに実装されるとは思っていませんでした(笑)。変化球気味なものも中にはアリかな、ということで自分で書いたルートだけに入れようと思っていたんです。
――すべてに実装しようとしたのはどなたなんですか?
三木:二見さんと打海さんですね。
打海:はい。僕も二見プロデューサーも両方ともアクセルを踏みました(笑)。実現できた時には、「なんだかんだで入れられるものなんだなあ」と思いました。タイミング的にギリギリだったんですが。
――アクセルを踏んでいたと言えば、今作では瀬菜以外のヒロインには京介との子どもが登場するじゃないですか。あれもだいぶアクセル踏んだなぁと思うのですが。
二見:踏みました!
――子どもが2人いるパターンと1人だけのパターンがありますが、何か差があるんですか?
二見:何かを意識して分けたのではなく、「このヒロインだったらこうだよね」とか「こういうやり取りをしてそうだよね」というように、そのヒロインごとのアイデアを形にしました。遊んでくださった方がエンディングを見た時に、「ああ、コイツら幸せな家庭を築いているんだなぁ」と思っていただけたら何よりです。
――子どもたちの名前がどのように決まったのか聞かせていただけますか?
伏見:自分が担当したルートについては“子どもたちの名前は母親が決めている”という設定です。京介と桐乃の息子たちなんかは、桐乃がひたすらエロゲーのヒロインの名前を付けようとして京介が止める、みたいなやり取りがあったはずです。
――ありましたね(笑)。
伏見:で、最終的に京介がチェックしきれなくなって……みたいな感じです(笑)。
――桐乃だったらやりそうな展開ですね(笑)。続いて各エピソードについて聞かせていただきます。本作では“ヒロインとの甘々なシーン”がたくさんありましたが、実際に読んでいて「うおお、これは恥ずかしい」みたいなシーンは、皆さんありましたか?
三木:恥ずかしいシーン……そんなものはないっ!!(笑)
――そうなんですか?
三木:ええ。やはり、作っているほうが恥ずかしがってちゃダメだと思うんですよ。そういう意味で恥ずかしいシーンなどない! ということで。
――了解です。他の皆さんはいかがですか? 衝撃的だったシーンなどでもいいんですが……。
打海:わたしの場合は実際に妹がいるので、妹とのキスシーンを見た時は……恥ずかしいというか衝撃の瞬間でしたね。
二見:「うらやましいな」ってことですよね?(笑)
打海:いえいえ(笑)。「なんてことだ! ガーン!!」ってイメージです。一番最初に見た時はそう思いました。
――桐乃のルートで瀬菜が出てきた時に、瀬菜が「好きだけどあくまで兄として」と言っているじゃないですか。心境としてはあんな感じですか?
打海:ええ。これについては『俺の妹』ファンの皆様には申し訳ないですが、想像することができなかったんです(笑)。本当にごめんなさい!!
伏見:いえいえ、実際に妹がいらっしゃる方だと、そういう反応で正しいと思います。
打海:ただ、この『俺の妹』というコンテンツで考えると、桐乃はすごく魅力的ですし、ここにいくまでの過程がしっかりとあったうえでのことなんですよね。それを踏まえて考えると「これはこれでうらやましいな」っていうのがちょっとありました。
二見:お、やっぱり「うらやましいな」で当たっていたってことですね(笑)。
打海:二見さんが考えているものとはちょっと違う気もしますが、最終的には(笑)。
――ということですけど、伏見さんは何か。
伏見:恥ずかしいというと、やっぱりヒロインとイチャイチャするシーンは照れくさい感じはしますね。わたし自身はむしろ、自分が読んでいて照れくさくならないとダメだと思いますし。
――二見さんはいかがですか?
二見:珠希との会話シーン全般ですね。あの会話を読んでいる時の恥ずかしさといったらもう……。遊んでくださった方はわかってくれると思います(笑)。特に「お兄ちゃん」って呼ばれるところが、恥ずかしくて恥ずかしくて……。「うわあスキップしたい! でも、楽しい!!」って。あそこはすごいですよ。おままごとのくだりはメチャクチャ恥ずかしかったです。「今年で俺、30なんだよな……」なんてフッと思ってしまったりして(笑)。
――素に戻ってしまうとダメージ食らってしまう場合はありますよね。
二見:自分の席でプレイしている時は超気持ち悪がられてるんだろうなって思います。
打海:確かにシナリオを読んでいた時も、ニヤニヤしていましたね。桐乃ルートとか、恥ずかしいって思いながらも、ニヤニヤして読んでました。
――逆に、つらかったシーン、例えば「このキャラクターのこんなところは見たくなかった」というシーンってありますか?
三木:締め切りがキツイとかそういう意味のつらさじゃなくてってことですよね(笑)。
伏見:あとCGが10枚欲しかったとかではなく……ですよね(笑)。
二見:すみません、打海さんが今、死にそうな顔をしたんでやめてあげてください(笑)。
二見:話を戻すと、あやせルートで別のヒロインと仲よくしている時のあやせですね。最初はもっと怖い感じだったんですけど、若干マイルドにしてもらいました。
打海:最初はもっと2時間サスペンスを見てるみたいでした(笑)。
――三木さんと、伏見先生はいかがですか?
三木:瀬菜のシーンで、彼女が自分の特殊な趣味を挙げて「それでも、いいんですか先輩?」と問いかけるところですね、京介が「それを含めて瀬菜だろ」とカッコいいこと言ってくれるんですけど……「そんなこと言わせるなよ! 瀬菜ちゃんかわいそう」と思いましたね。言わせちゃったところが、京介もまだまだ甘いなって思いました。
伏見:つらかったのは……質問の意図とは違うんですけど、ゲーム制作に費やせる時間がもっとほしかった(一同笑)。監修自体はとても楽しかったです。自分で書いたシナリオなどは、書きながら監修しているようなものですし、ただひたすら楽しかったですね。それともう1つ、書きたいシナリオがまだまだたくさん残っている状態なのがつらい!!(笑)
(C)伏見つかさ/アスキー・メディアワークス/OIP
(C)2012 NBGI
※記事中のゲーム画像は開発中のものです。
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