News

2012年6月14日(木)

きっかけとなったのは絵本とデザイナーの書いた手下のドクロ――『ドクロ』開発者トークでその魅力に迫る

文:電撃オンライン

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントから、7月5日に発売されるPS Vita用ソフト『Dokuro(ドクロ)』。本作を手掛けた開発スタッフへのインタビューを掲載する。

『ドクロ』

 本作は、チョークタッチで描かれた世界が舞台のギミックアクションゲーム。プレイヤーは、操作キャラクターの“ドクロ”が持つ、“ドクロ”と“イケメン” という2つの能力を使い分けながら、姫をゴール地点に導いていく。開発は、『ラグナロク オデッセイ』や『グランディア』シリーズなどを手掛けたゲームアーツが担当している。

 本作について語ってくれたのは、プロデューサーの市川彰彦さんと、ディレクターの風間紀明さん。ソフトが生まれた経緯や、影響を受けた意外なもの、開発に際しての苦労など、さまざまな点を語ってもらった。

 なお、本日6月14日より3週連続で新ステージをリリースする体験版が、PlayStation Storeで配信されている。体験版のセーブデータは製品版に引き継ぐことが可能なので、興味を持った人はぜひプレイしてほしい。

■社内コンペで埋もれていたタイトルが花を咲かせた!

『ドクロ』
▲左が風間ディレクターで、右が市川プロデューサー。

――開発が始まったのはいつごろだったのでしょうか?

風間:去年2011年の3月くらいですね。元々は、ゲームアーツの社内コンペで「惜しい」という評価のタイトルだったので、これを再度動かす予定はなかったんですよ。……ちょっと個人的な話になるのですが、2年前に子どもが生まれまして。

――おお、おめでとうございます。

風間:ありがとうございます(笑)。それで絵本のコーナーに出入りするようになったんです。それとは別に、社内で企画をいじっている時に「グラフィックでインパクトのある作品を作らないと意味がない」と考えました。雑誌やウェブ媒体に掲載された時に、止め絵を見せて興味を引けないと勝負できないからです。ただ、その答えがまったく見つかりませんでした。

 困っていた時に絵本のコーナーへ行ったら、ある絵本に出会いました。そこで、内容とイラストにすごい衝撃を受けまして……「こういう温かいグラフィックでゲームを作りたい!」と思い、すぐに購入しました。

市川:絵本を見ていただくとわかるんですが、『ドクロ』のルーツを感じられるグラフィックになっていると思います。

風間:買ってきたその本を市川のところに持っていき、「とにかくこれを読んでくれ」と。ただ……ずいぶん放置されていましたね。

――お2人はどういう接点があったのでしょうか?

『ドクロ』

市川:ゲームアーツの役員なども兼務している時に、風間とは接点がありました。僕自身が、とにかくゲームが好きなゲーマー。2人でゲームの話をしていましたね。それである時、いきなり絵本を渡されたんです。

(一同笑)

市川:いきなり絵本ですよ!? なんの意図があるのかもわからないまま、「とにかく読んでくれ!」と言うので了解しました。……でも、日々忙しいので机の片隅に置いておいたんですね。そのまま、上にいろいろな資料が詰まれていき……。

――よくありますね。

市川:ありがちですよね(笑)。それである日、19~20時に仕事が落ち着いて、絵本が目に入ったんですよ。「とりあえず読んでみるか」と思って、読み始めたんですね。絵本にふれられるのって、大きくても小学校の1~2年生くらいまでで、大人になってからはまず読まない。懐かしい感覚や、大人になってできたすさんだ気持ちが洗われるような感覚を覚えました。

 1冊読み終えた時に疲れていたのか、うるっときたんですよ。そのまま2冊目も読んで、再度うるっときた。そこで、「風間は、こういうゲームを作りたいんだろうなあ」と思って、内線しました。「ごめん、絵本をようやく読んだけど、よかったよ」って(笑)。「こういうゲームを作りたいんだろ?」と聞くと「作りたいです」と返事が来たのが、企画の始まりでしたね。

次のページでドクロ主役の理由が明かされる!

(C) GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

1 2 3

データ

▼『Dokuro(ドクロ)』ダウンロード版
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:PS Vita
■ジャンル:ACT
■発売日:2012年7月5日
■価格:1,800円(税込)

関連サイト