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2012年6月21日(木)

ユーリスの上腕二頭筋とか……ちょっといい感じ? PS3『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』読者参加型ロングインタビュー

文:電撃オンライン

『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』

 ガストから6月28日に発売されるPS3用ソフト『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~(以下、アーシャのアトリエ)』の、電撃オンライン読者参加型インタビューをお届けする。

 本作は、同社の人気RPG『アトリエ』シリーズの最新作。これまでのシリーズ作品から世界観を刷新し、滅びに向かう世界で錬金術を忘れた人々の暮らす“黄昏の時代”が描かれる。主人公・アーシャなどのキャラクターデザインは、人気イラストレーターの左さんが担当している。

 電撃オンラインでは、読者から本作の開発スタッフへの質問を募集した。投稿されたものの中から選考した質問について、本作のディレクター・岡村佳人さんに答えていただいたので掲載する。(※質問者のハンドルネームは、質問の末尾に記載)

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●(フェチ的な意味で)特に情熱を注いだのはユーリスの上腕二頭筋?

――『アーシャのアトリエ』のテーマを教えてください。また、ご自身で『アーシャのアトリエ』にキャッチコピーを付けるなら、どんなものを付けますか?(テンプレ騎士団)

 テーマはひと言で示すなら“新たな『アトリエ』の提示”です。このテーマがどこまで達成されているか、または今後どういった方向性に向かっていくのかはユーザーの皆さんの反応を受けて考えていきたいと思っています。このため、今回は発売日の直後からWebアンケートなども積極的に行っていきますので、ぜひ率直な意見をお聞かせください!

 それから、キャッチコピーについてはティザームービーをはじめ、さまざまな場所で使われております「約束が、はじまる」を挙げさせていただきます。このキャッチにはさまざまな思いが込められています。ユーザーの皆さんとの約束だったり、ストーリーの中でアーシャが果たす約束だったり、本当にいろいろな意味が込められていますので、その一端をゲームを通して感じていただけたらありがたいです。

――今までの『アトリエ』シリーズとどの点が違うのでしょうか?(クラウス)

 新シリーズとして戦闘、調合システムの再構築をはじめ、既存要素に関しても『アトリエ』初心者の方を意識した作りになっています。とはいえ、『アトリエ』として変えてはならない部分も多く存在しているので、いつもの『アトリエ』同様に、やり込み要素や緩い雰囲気は健在です。今回のビジュアルイメージに対して、本来『アトリエ』の持つ緩さがどの程度受け入れていただけるかといった点も、開発者として非常にユーザーの皆さんの反応が楽しみであり、不安であるというのが正直な気持ちです。

――黄昏の時代とのことで、『アーランドの錬金術士(以下、アーランド)』シリーズから一転してシックで落ち着いた雰囲気なデザインや音楽が見受けられますが、ガラリとイメージを変えた理由はなんですか?(25)

 やはり『アーランド』シリーズの持っていた、煌びやかなビジュアルや、かわいらしい女の子が多数登場するゲームのインパクトとイメージは、岸田メルさんのイラストと合わせてコアユーザーの皆さんから高い支持をいただきました。その一方で、『アーランド』の方向性でできることはほとんどやり尽くしてしまったという感覚が開発の中にあったことと、また同じ方向性で新シリーズを展開したとしても『アーランド』を越える驚きをユーザーの皆さんに提示するのは難しいだろうとの思いから、一度イメージを大きく変えた上で、皆さんの反応を受けて方向性を模索していこうと考えたことが、今回のゲームイメージの転換という決断につながっています。ただ、他のお答えにもあります通り、ゲーム性やゲーム内容といった部分がどこまで変えられた、変えるべきだったかという結論は、ゲームが完成した今でもまだ出ていないと思っています。

『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』

――まだ『アトリエ』シリーズを体験してないゲームユーザーに、“ココ”を楽しんでほしいというところはどこでしょうか?(めっちゃすっきゃねん♪)

 『アトリエ』の調合をメインにしたゲーム性と、緩い雰囲気のキャラクターたちの掛け合いでしょうか。今作のイベントは、昔の『アトリエ』の雰囲気がやや色濃く出るものになっていると思います。また、調合システムは全体のゲームループをはじめ、コストの概念が大きく簡略化されたことで、より純粋に調合システムそのものに集中できる構造を目指しましたので、初めての方もぜひ、いろいろなアイテムの調合を工夫して遊んでいただいて、アイテムを作り込む楽しさを体験してもらえたら幸いです。

――『アーランド』シリーズからキャラクターも世界観も一新されましたが、新しくしたことで苦労したことはありますか?(ヤマ)

 今までは比較的「『アトリエ』はこういう世界だから」というこれまでの先人が積み上げてきたお約束を元に、設定や世界観も緩くまとめていたのですが、今作では新シリーズとして設定や世界観、ビジュアル面も一新して積み上げるという目標があったため、デザイン面や設定の取りまとめでは苦労しました……というか今も苦労しています!

 特に『アトリエ』である以上、いきなり変えすぎたり積み上げすぎたりしても、これまでのユーザーの皆さん、新しく手に取っていただいた皆さん双方に理解してもらえないものになる可能性も大いにあったので、バランスを考えながら『どこまでなら許容してもらえるのか』をつねに模索しながらの開発になりました。結果としてビジュアルイメージの先行具合よりは、かなり従来の『アトリエ』のテイストが色濃く残った内容になりましたが、これが続編でさらに進んだ世界崩壊後の『アトリエ』になるのか、いつも通りの牧歌的な『アトリエ』になるのかは、ユーザーの皆さんの反響次第だと感じています。

――『アーランド』シリーズと何か関連はあるのでしょうか?(しーきゅー)

 完全に新シリーズとして世界観、キャラクターを一新しているため、現在は関連性は基本的にありません。今後も後付けで何かをする予定はありません。あくまで、『アーランド』シリーズは『アーランド』シリーズとして、現在は一応完結した形となっていますが、今後何かある場合はそれぞれ分けて考えるものとしていただければと思います。

――今作で岡村ディレクターが一番やりたかったことなんですか? また、「ここはすごい!」と自負されている部分がありましたらお教えください。(つくし)

 “黄昏の世界”という今回の世界を表現する、さまざまな素材の雰囲気の統一です。すべてを統一するのはやはり難しく、また『アトリエ』のイメージに縛られた部分もなかったわけではありませんが、今回の映像作品、そしてサウンドはこれまでの『アトリエ』シリーズのそれとはまた一線を画すクオリティに仕上げていただいたと感じています。「いただいた」と表現しています通り、私は何もしていません。すべてはその素材を作り上げてくれた作り手の皆さんの力ですが、それらは本当に「すごいものを作っていただけた!」と思っています。

――『アーシャのアトリエ』で(岡村ディレクターのフェチ的な意味で)特に情熱を注いだのはどこですか?(真空波動管)

 フェチ的な意味でと仰られると、なかなか答えるのが難しいところですが! そうですね……ユーリスの上腕二頭筋とか、ちょっといい感じじゃないでしょうか? ……というのは建前で、やっぱりウィルベルのわかりやすいシンボル化されたビジュアルと瀬戸さんのボイスのギャップが、逆に媚びすぎずいい味を出しているところとか、マリオンの低身長黒髪ボブが定番ながらにして素敵な存在感を放っているあたりとかはこだわりになるでしょうか。すみません、夏には一児のパパになるのでこういう質問は差し控えていただけませんか!?

『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』

→次のページでは、キャラクターについて伺いました!(2ページ目へ)

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