2012年6月23日(土)
セガから、6月14日に発売されたPS Vita用ソフト『スーパーモンキーボール 特盛あそビ~タ!』。そのソフトの開発を手掛けた徳原順プロデューサーへのインタビューを掲載する。
本作は、キャラクターが入ったボールをコロがしてゴールを目指すアクションパズル『スーパーモンキーボール』シリーズの最新作。PS Vita本体に搭載されたカメラで撮影したものからオリジナルステージを作れるステージエディット機能を搭載している。他にも、モーションセンサーや背面タッチパッド、通信など、PS Vitaならではの遊びが盛り込まれている。
インタビュー中では、ユーザーを悩ませるコースの作り方やさまざまなモードについて聞いている。また、イメージガールである川村ゆきえさんやDLCについてなども聞いており、ソフト同様に盛りだくさんなインタビューになっている。シリーズファンだけでなく、ソフトが気になっている人や川村さんのファン、PS Vitaを持っている人はぜひご覧いただきたい。
▲さまざまな遊びが詰まった『スーパーモンキーボール 特盛あそビ~タ!』を手掛けた徳原さんプロデューサー。 |
――徳原プロデューサー自身は、これまでにどんなタイトルに携わってきたのでしょうか?
最初は名越の直下で働いていました。名越が絵を描いて、自分がそれを出力していましたね。AC『スパイクアウト』とかの時代ですね。それからAC版『モンキーボール』や『プラネットハリアーズ』を経て、『バーチャストライカー3 Ver.2002』を手伝っていました。
――アーケードタイトルが多いですね。
コンシューマだと、PS3『龍が如く 見参!』から開発規模が大きくなりだして、2Dシステム周りを担当しました。それと並行して、『龍が如く 見参!』では亀を育てるミニゲームを、『龍が如く3』ではキャバ嬢を育てるパートを担当しています。そして、『スーパーモンキーボール』シリーズは、なぜかずっとやっています。
――プログラマーをやっていて、プロデューサーもやるようになったのですね?
そうです。社内でも珍しいみたいで「なんだ?」という目で見られています(笑)。近ごろは、時間がないのでプログラムを書くことはしていないのですが、あやしい場所はチェックすることもあります。
――プロデューサーとなり、最近気になっているソフトやジャンルはありますか?
最近、そこまでゲームをやっているというわけではないんですよ。元々はゲームバカだったんですが、仕事をしているうちに、いろいろなものに興味を持ってしまい、ライトユーザーになりました。個人的には、ソーシャルゲームやアプリに興味があります。
――ライトユーザーに寄っていることと、ライトな層にも知名度のある『スーパーモンキーボール』シリーズにかかわり続けていることは関係しそうですが……。
どうなんでしょうね? そういう風に見られているから担当しているのか、続けていたからそうなったのか、因果はわかりません(笑)。ただ、あまりゲームをやらなくなってきた以上、そんな自分がやりたくなるようなものを作ることはいつも意識しています。
――今回、PS Vitaで発売することになった経緯を教えてください。
本シリーズは、新しいハードが出るたびに新しい遊びを提供できないかと、10年ほど前からさまざまなハードにソフトを提供させていただきました。今回もその流れです。いろいろな機能がついているハードということだったので、やってみようということになりました。
――PS Vitaが発表された時に、リリースする流れになったのでしょうか?
発表された時は構想として検討しつつ、3DSで発売された『スーパーモンキーボール 3D』を作っていました。その後、どんなことができるか企画を考えて、開発が動き出しました。
――本シリーズはローンチで出るという印象がありましたが、今回は違いました。この理由は?
会社としてローンチ需要を見込んでいて、なんとかローンチにあわせてシリーズを作ってきました。ただ、そこに個人的に疑問もあったのも事実です。これまで自分は作る側でしたが、プロデューサーとしてやるならばしっかり作りたいということで、ローンチから少しずらしてリリースさせてもらいました。
――なるほど。実際に開発が動き出したのは、いつごろでしたか?
3DS版が発売された2011年3月ごろから構想を練り始め、実際に開発チームが動き出したのは、その年のゴールデンウィーク明けでした。
――『特盛あそビ~タ!』というタイトルの“特盛”に込められた意味は?
ボリュームだけがたくさんあるのではなく、シンプルながらも、いろいろな遊びができるという意味を込めています。あとは、PS Vitaということでダジャレをいれています。『スーパーモンキーボール』シリーズはダジャレを入れるのが、なんとなく慣習としてあったので。
――先日配信されたニコニコ生放送では、「ご自身の名前をもじったのですか?」と言われていましたね。
実は、少しそれもあるんです。今回一緒に作っているステージデザイナーに森田という人間がいて、徳原の“とく”と森田の“もり”で“特盛”。……まあ、これは後付けなんですが(笑)。
――開発のチームは何人程度でしょうか?
最初は少なかったんですが、通信や描画まわりなど今回新たに用意する必要があるものが多くあったので、本格的に動いている時で20~30人くらいです。東京ゲームショウやロムの締め切り前はさらにヘルプを入れています。
(C)SEGA
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