2012年6月27日(水)
本作は、ステージにあるギミックを使って、謎を解いていくゲーム。こう聞くと身構えてしまうかもしれませんが、序盤の難易度はそこまで高いものではありません。
正解は書きませんが、例を1つ。序盤のあるエリアでは、木箱が道をふさいでいました。その先に大きな穴があります。ドクロやイケメンはジャンプすればいいのですが、姫は飛び越えられません。ここは木箱を穴に落として、道を作ってあげるのが正解です。
その先には、また木箱と穴がありました。ところが次の木箱の上には、鋭い針がついていました。こんな上をお姫様に歩いていただくわけにはいきません。
前回と同じような仕掛けでも少し違うことに挑戦することで、ハードルが上がったのを理解でき、その謎を解くことで上達を実感でき爽快感を覚えるのです。もちろん、ステージの仕掛けはドンドン難しくなっていくのですが、ゲームのお約束に慣れてくることで、結構解けるようになります。あと、ゲーム全体で10箇所まではエリアのパスも可能です。
▲未来の自分を信じて、今はパスするのもアリ! 頭を静めてから再挑戦しましょう。 |
上で紹介したものであれば、悩んでも何度かリトライすることで、おそらく解けます。そのうえであえて難易度を上げている要素が、タイムです。
本作は、クリアまでにかかった時間は記録されます。ギミックの正解を思いつくまでの時間に加えて、タイミングやアクションという要素がタイムに絡んできます。他の人がよりいいタイムを出していたり、自分の中で納得がいかなかったりしたとき、2回目の挑戦が始まるのです。
クリアタイムを縮めるために、お姫様のために道を作っておいたり、ギミックを止めるタイミングを計ったり……それがうまくハマリ、クリアタイムが大幅に縮まった時、改めて気持ちよさを感じると思います。
くり返しプレイしたくなるもう1つの要素は、コインです。このコインは、ステージのさまざまな場所にあり、悩まずに取れるものから、アクションの腕が必要なものまで多数あります。これをゲットするためには、クリアする以上に高いハードルを飛ぶ必要があり、また楽しめるのです。
イラストに温かみがありカワイく、どこか気になる世界観。それが、リリースや動画などから感じた『ドクロ』の印象でした。それ自体は間違っていなかったのですが、それ以上によくできていて、おもしろい作品でした。
ステージクリアにかかる時間は、答えがわからずに悩んだとしても、そこまで長いものではありません。そして気軽に遊べるのに、ギミックを解くことで達成感があります。そのうえで、進めていくとやり応えのあるギミックも登場し、物語まで気になる作品。それが『ドクロ』でした。
今回はあまりふれませんでしたが、物語や世界観も本当によくできています。正統派ではなく、ちょっとダークな世界観で構築された物語。どこかポップなのに、おどろおどろしくもあり、そして個性的なキャラクター。そんな中で、ドクロはお姫様のために尽力します。自分のことに気づいてもくれないお姫様のために。
ドクロを操作しているうちに、お姫様があまりにシカトしていくのを見て、切なさを感じ、そしてドクロに思い入れができてくるのです。「頑張れ、今はまだむくわれないけど……お前の気持ちはきっとお姫様に伝わるよ」。プレイしていて、そんなメッセージを投げかけそうになりました。
冒頭でも言いましたが、体験版が配信されていますし、PS Vitaが展示されている店頭では本体がなくても遊ぶことが可能です。2,400円(ダウンロード版なら1,800円!!)という値段以上の価値が詰まった作品なので、ぜひプレイしてほしいです(クセになるBGMも好きなkbj)。
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