2012年7月27日(金)
全世界でシリーズ累計1億本以上売れているエレクトロニック・アーツ(以下、EA)のサッカーゲーム『FIFA ワールドクラス サッカー』(以下『FIFA』)シリーズ。
先日、GREE版の『FIFA』がGREE Platform Award 2011の総合大賞に輝き、10月18日にはPS3やPS Vitaで最新作の『FIFA 13』が発売される予定だ。その『FIFA』シリーズのゼネラルマネージャーを務めるMatt Bilbey氏が7月26日に来日。GREE版『FIFA』を制作したPlayfish シニアプロデューサーの里吉洋樹氏とともに、『FIFA』について存分に語ってもらった(電撃PlayStation編集部 HIRO)。
▲右が『FIFA』シリーズのゼネラルマネージャーのMatt Bilbey氏で、左がPlayfish のシニアプロデューサーの里吉洋樹氏。 |
――最初にMatt氏の自己紹介をお願いします。
Matt Bilbey氏(以下、Matt):はじめましてみさなん。EAではシニア・バイス・プレジデント、『FIFA』シリーズではゼネラルマネージャーを務めているMatt Bilbeyです。EAに入社したのは1995年で、現在はEAスポーツの開発拠点があるカナダのバンクーバーで、400人ほどの開発スタッフとともに『FIFA 13』を制作しています。そこで、PS3やPS Vita版など、コンシューマー用の『FIFA』シリーズが作られているのですが、唯一の例外としてPlayfishがGREE版の『FIFA』を日本で開発しています。
――コンシューマー版とGREE版、どちらも『FIFA』ですが、シリーズとしてこれは外せなかったという部分は?
Matt:ゲーム自体は違いますが、GREE版の『FIFA』はコンシューマー版の『FIFA 12』の「Ultimate Team」モードに似ている印象です。
里吉洋樹氏(以下、里吉):ゲーム性で比較すると、GREE版の『FIFA』はカジュアルになっています。しかし「リアルなサッカー」というところが『FIFA』シリーズのブランドだと思うので、演出はリアルにしていこうと意識して作りました。
――GREE版は、Playfishさんのみで制作を担当したのですか?
里吉:GREEで多数のソーシャルコンテンツを作られているgumiさんと、Playfishとの共同開発です。
――GREE版がコンシューマー版の『FIFA』に与える影響は?
Matt:私たちの『FIFA』は、長年『ウイニングイレブン』とよきライバル関係を続けてきたのですが、日本市場では一度も勝ったことがありませんでした。しかしGREE版の『FIFA』で、初めて日本市場でもリードすることができました。日本市場で結果を残せたことは自信につながりました。それをコンシューマーでも続けていきたいです。
――コンシューマー版の『FIFA』が日本で成功するには何が必要でしょうか?
Matt:今まで『FIFA』が目指してきたのは、本物のサッカーが楽しめるシミュレーターです。それを実現するために注力してきました。しかし、それだけでは日本で人気を得られないと理解しています。かつては、日本市場で勝つためには違うゲームを作らないといけないと思っていましたが、ライバルの『ウイニングイレブン』は世界で売れることを証明しました。だからこそ、自分たちにもできるに違いないと考えています。そのなかで、GREE版の『FIFA』の結果が残せたのも事実です。サッカーゲームをおもしろくする要素、ユーザーからのフィードバック、GREE版の『FIFA』で好評を得ている部分を1つでも多く取り入れ、より日本のユーザーが喜ぶゲームにしていきたいです。
――GREE版は選手名が日本語表記ですが、このような点はコンシューマー版にも反映されますか?
Matt:近い未来にはやりたいですね。そのような話を今朝のミーティングでもしていましたよ(笑)。
――GREE版が日本で成功した要因を教えてください。
Matt:ゲームデザインに加え、『FIFA』ならではのリアルさです。実在するリーグやチーム、選手でゲームを楽しめるという両輪がうまくハマったのだと思います。
里吉:やはり『FIFA』のようにライセンスを広くカバーしていることが、リアルさにそのままつながりましたね。
――GREE以外にも、MobageやZyngaなど、ほかののプラットフォームに参入する予定はありますか?
里吉:EAは、あらゆるプラットフォームで最高のゲーム体験を提供するのがポリシーの会社です。そのため、将来的にさまざまなプラットフォームで展開していくというのも当然考えています。
――『FIFA 13』のパッケージがメッシ選手になりましたね。
Matt:メッシ選手は、今サッカー界で一番ベストなプレーヤーです。個人的にも長年、友だち付き合いをさせてもらっているので、とてもうれしく思います。また、メッシ選手はチャリティーなどにも積極的で、人間的にも素晴らしいんですよ! そういったメッシ選手の意向もあって、バルセロナにストリートキッズ向けのトレーニングスタジオを、彼とEAスポーツ共同で設立しました。今後もそういうものをメッシ選手と組んでやっていきたいですね。
――『FIFA 13』の開発でこだわった点は?
Matt:『FIFA』シリーズのユーザーはサッカーファンが多く、土曜の夜は実際のサッカーを観戦したあと、そのサッカー愛を発散する場として『FIFA』をプレイしてくれます。イギリスでサッカー後にパブなどに行き、サッカー話で盛り上がるといったように。そういう場をより提供できるように『FIFA 12』では「EA SPORTS Football Club」というソーシャルサービスを用意しました。『FIFA 13』ではそこも進化させているので、よりサッカーを通じて現実でもゲームでも楽しめる環境を作り上げていきます。
――その楽しみかたをJリーグファンも楽しみたいのですが……。
Matt:現在は契約上の問題で難しいです……。でも、もし契約が結べるならすぐにでも!
――『FIFA 13』の「Ultimate Team」について
Matt:コンシューマー版はそのままプレイできます。「Ultimate Team」自体の進化は、簡単に言えないぐらいいっぱいあります。例えばiPhoneアプリでオークションやトレードができるようになります(英語版のみの対応)。詳しい情報は、2012年8月15日からドイツで開催されるgamescomで発表する予定です。
――PS Vita版の『FIFA 12』では、タッチパネルや背面タッチパッドを生かした操作方法が用意されていました。これはPS Vita版の『FIFA 13』で、どのように進化しているのでしょうか?
Matt:PS Vitaの性能は素晴らしかったです。ただ、開発としては喜ばしい反面、大変な部分もありました(汗)。そのため、PS Vita版の『FIFA 12』は限られた開発期間のなかで実現可能なことだけを盛り込みました。今度の『FIFA 13』は、開発期間に多少の余裕があるので、より作り込みを進めています。
――新しいハードといえば、Wii Uという新ハードで『FIFA』をリリースするなら、どのような要素を盛り込みたいですか?
Matt:例えば、1人がテレビを見ながら選手を操作し、同時にもう1人がWii Uのゲームパッドの画面を見ながら戦術やフォーメーションを変更するといったようなことが可能になると思います。
――現在、『FIFA』のサッカーゲームにおいての世界シェアはどれぐらいですか?
Matt:『FIFA 12』を例にあげると、販売本数は世界で1300~1400万本になります。これは、サッカーゲームのシェアでいうと80~85%ぐらいです。PS3とXbox360版で行われたオンラインの試合数は約18億試合で、1日あたりのユニークユーザーは約200万人となっています。試合回数は、発売された当初の2011年12月より、2012年7月のほうが多いという結果です。ここまで長く『FIFA 12』を遊んでもらえていることにありがたく思います。
――今後、シェアをもっと拡大するポイントはどこだとお考えですか?
Matt:長く遊べるサービスの展開+新しいマーケットの開拓です。長く遊べるサービスでは、現在も結果が出ているオンラインサービスがポイントだと思います。新しいマーケットの開拓に関しては、例えばアメリカではサッカーファンが増えているので、アメリカ人が楽しめるゲーム内容というものを考えています。この2つがシェア拡大に必要となっていくでしょう。
――最後に日本の『FIFA』ユーザーへのメッセージをお願いします。
Matt:普段『FIFA』を遊んでくれるユーザーの方にありがとうございます。ぜひとも家族や友人、恋人を誘って、Be Proud(誇りを持って)と言って、世界一のサッカーゲームを楽しんで、広めていってください(笑)。最後にもう1つ。日本でも『FIFA』を作っています。一緒にチャレンジしてくれる人は、Playfish Japanの人材募集に応募してください!
▲『FIFA 13』の発売日は10月18日! 世界一売れているサッカーゲームの開幕は近い!! |
(C) 2012 Electronic Arts Inc. All Rights Reserved. All trademarks are the property of their respective owners. Official FIFA licensed product. "(C) The FIFA Brand OLP Logo is a copyright and trademark of FIFA. All rights reserved." Manufactured under license by Electronic Arts Inc. .
データ