2012年8月17日（金）
EAが“gamescom”で送り出した4つのポイントとは？ 同社COOのピーター・ムーア氏にインタビュー
■エレクトロニック・アーツの考えるクロスプラットフォーム戦略
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――メディアブリーフィングでは本当に多数のゲームが紹介されましたが、どの作品も非常にハイクオリティな印象を受けました。数多くの異なるデベロッパーが制作を手がける中、“EAブランド”の水準を維持するにあたって、何か秘策のようなものはあるのでしょうか？
私が5年前にCOOに就任した時は、65タイトルくらいの開発が進行していました。それを今では40タイトルくらいに厳選しています。秘策というわけではないですが “選択と集中”ですね。
具体的には、いろいろと検証を重ね、いらないと思った部分はそぎ落とし、いい作品だと思ったものには、よりハイクオリティなものに仕上がるように時間を掛けて作っています。もちろん、みなさんがゲームに求めている要素をしっかり取り入れることも、常に心掛けています。
――現在は据え置きハードだけでなく、携帯ゲーム機やスマートフォンなどにも多くの作品を展開していますが、今後はどのようなビジョンを考えていますか？
EAのいいところは、『FIFA』『メダル オブ オナー』『クライシス』『バトルフィールド』といった力強いブランドが、皆さんに愛されているところにあると思います。コンシューマやPCだけでなく、モバイルでも遊べるようになってきているのは、皆さんに支えられてきたブランドの力があってこそでしょう。ですから、どのプラットフォームでも、どこにいても、自分の好きなブランドを楽しめるようにゲームを作るのが今後のビジョンです。
――なるほど。ということは新規IPを展開する場合、1つのプラットフォームに特化させるというより、幅広い展開を意識していると。
ただ、いきなりクロスプラットフォームに、というわけではありません。基本的に新規IPを打ち出すときには、そのブランドを好きになってもらうということも含めて、あせっていろいろなプラットフォームで展開しようとは思っていないんです。
まずは、どのプラットフォームで出し、どのようにみなさんに楽しんでいただけるかを考えて、ブランドがしっかり確立してから必要なプラットフォームに広げていく、というステップを踏むことを考えています。
また、メディアブリーフィングで紹介した『The Simpsons』のように、iOSのタッチスクリーンを駆使した独自のゲーム性を持つタイトルにかんしては、無理にクロスプラットフォームにせずに、そのIPの特徴を生かした展開にしたいですね。それとは別に、一方ではFree to Play（プレイ料金無料）のゲームや、facebookのサービスなどで、新しい作品を手軽に楽しんでいただける機会を増やすことも、ビジョンとして持っています。
――日本では携帯ゲーム機やモバイルでのゲームプレイもさかんですが、そちらについてはいかがでしょう。『FIFA』シリーズなどはPS Vitaでもすでに発売されていますが。
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| ▲『FIFA』 |
PS Vitaでは『FIFA』をおしていくことになるでしょう。『FIFA』とPS Vitaの相性は最高で、据え置き機とはまた違ったゲーム体験が楽しめます。現状、SCEとも非常にいい関係にありますので、PS Vitaを展開とあわせて『FIFA』をおすことを、引き続き進めていきたいと思っています。ほかにはモバイルでも『FIFA』が無料で出ていますので、ぜひ遊んでみてください。
――最後に、日本のEAタイトルのファンの方々へメッセージをお願いします。
私たちが提供しているのは、皆さんにとっては“洋ゲー”ですよね（笑）。ただ、その印象にとどまらず、日本の方々になるべく“洋ゲー”に関する既存概念を変えていただけるような努力をしていきます。日本のEAファンの方々が、しっかり応援してくれていることにも非常に感謝していますので、これからも日本をサポートすることに対しては、私自身がしっかりがんばっていこうと思います。
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